雑草
家事に追われて,畑仕事の手を抜いていたら,雑草がすっかり繁茂して,丈の低い大豆が埋もれていた。しかし,枝豆だけはしっかりつけていて,ビールの友を提供してくれた。
雑草にはいろいろな定義があるが,アメリカ雑草学会は「人類の活動と幸福・繁栄に対して,これに逆らったりこれを妨害したりするすべての植物」という身も蓋もない定義を下している。要するに,人の気に入らない植物を雑草と呼ぶのであり,気にいられれば同じ植物が雑草ではではなくなる。
大豆の周りに生えている草をわたしは雑草と呼んだが,考えてみるとこれらの植物は大豆が十分に生育してから生えてきたものであり,枝豆の収穫を邪魔したわけではない。わたしにとってそこに生えているのが気に入らないから雑草なのである。
今畑には,こぼれ種子から芽が出たノラボウナがはびこっている。この状態では,ノラボウナは雑草である。菜花を提供する時は気に入られたのに,TPOを間違えたために嫌われることになった。植物の側から見れば,いい迷惑である。
嫌われ,のけ者にされても生き残るしぶとさを買われて,「雑草のように」と,模範にされる。プロ野球の上原浩治投手は「雑草魂」という言葉をはやらせ,同じく鈴木啓示投手は自分のモットーを「草魂」と表現した。
人間とは全く勝手なものである。
サルスベリ
阿見町にて7月24日撮影
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