満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

明日、11/18㈯、長野雅貴氏の主宰ライブ企画“momente” #14 長野雅貴コンダクトはテーマが‘'NEW WAVE’'だという。

2017-11-17 | 新規投稿
明日、11/18㈯、長野雅貴氏の主宰ライブ企画“momente” #14 長野雅貴コンダクトはテーマが‘'NEW WAVE’'だという。この死語が私に与える一種の郷愁とも言える感慨の正体は根暗なティーンエイジャーであった自分を呪縛した一種の幻影志向の事である筈で、かつて私は‘'NEW WAVE’或いは’PROGRESSIVE‘によってもたらされる救いようがない内側志向にあった事はもはや、恥とも言えぬ過ぎ去った過去の残像である。あの何とも名状しがたい閉塞感は正しく‘'NEW WAVE’によってもたらされた精神への目醒めや社会意識、アイデンティティー等、全方位的な意識改革による副作用であり、それは一種の毒であった。‘'NEW WAVE’の毒を抜く為に‘'NEW WAVE’に浸っていた悪循環の中にあった私の実感として今、‘'NEW WAVE’は単なる音楽ではなく、大げさに言えば人格形成に影響を与える質実を有したものが‘'NEW WAVE’の正体であった。従ってそれは他の音楽ジャンルと並列には語り得ない、あの時代だけに狂い咲いたエンターティメントだったのだ。そう言って言い過ぎではンないほどの内面への伝播に於ける強度を有していたと思う。だから逆に私は‘'NEW WAVE’の魔力に耽溺しながら、同時にそれに抗う方向性を模索していたのも事実で、NYダウンタウンシーンや即興音楽、ジャズ、ブルースを探求する事は自らを陽性に転じていく営為であり、一種のリハビリであった事も判明する。

‘'NEW WAVE’と言っても様々な音楽があったが、PUNKと‘'NEW WAVEを分ける向きも理解できなくはない。何故なら、‘'NEW WAVE’特有のユーロ志向こそが、PUNKの外向性、激越性を内側に沈殿させながら、やや趣の変わる音楽群を形成した経緯を記憶するからだ。ただし、私は少しでも多くの味方を‘こちら側に’引き入れる大同団結的な音楽マニアであり、初期衝動短命型のピストルズ、イーター、ホットロッズも英雄主義延命型のジャム、クラッシュも同時に愛好したし、大道芸的継続型のフォール、シャム69、ラモーンズの陽性も接種しながら音楽解体深化型のPIL、ポップグループ、ディスヒート、ワイアーに没頭した。更に幻影追求深刻型であるバンシーズ、ジョイディビジョン、バウハウスからは内向的なビジョンの存在を提示され、同時に大衆娯楽進化型であるキュアー、ウルトラボックス、バニーメンのわかり易さも好きであった。ダンスフロアーでは原始律動舞踏型のKジョーク、サーティンレシオ、RR&P、ON-U、DAFなどのハンマービートに舞踏し、叙情主義内面型のドュルッティコラム、ヤングマーブルジャイアンツ、などに抒情の原形質を見た。更に前衛電子実験型のTG、キャブス、Fリザーズ、クロックDVAなどからノイズ、エレクトロの最先端を確認し、音楽構築完成型のストラングラーズ、マガジン、XTC、ダムドなどからはビートルズからの系譜、王道のロックストリームの現在形を愛好したと思う。
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