絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

将棋名人戦3

2010-03-12 | 将棋
羽生さんの強さについて考えた時、羽生さんは自分で完勝はないと言っていたことが記憶に残っています。

それは、分析すると、ぎりぎりでも勝ちだと判断した時は、そのぎりぎりの勝ちに持って行くからではないかという気がします。完勝というのは、圧倒的な差が付いた時を言いますが、その前に勝ちに気づかないから、圧倒的な差がつくまで指してしまったということではないのかな?とふと思いました。

一つ、思いだしたのは、大山名人が言っていた言葉に、「最初のチャンスは見送る」というのがあります。ここでこう指せば、有利に展開するということが見えたとしても、それは小さな有利なので、見送り、その後で現れるチャンスを待つというものでした。
最初のチャンスとは、それを掴んでも、小さな差でしかない、もう少し後になると大きな差がつくチャンスに巡り合えるというのです。そうすると、安定して勝てるということだったのでしょう。
羽生さんの場合は、有利に展開すると、小さな有利でも逃さないと聞きます。その差を生かして勝利を手放さないというのです。そこが強いのだと誰か解説者が言っていました。

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ただ、強い人は、端で見ていると、楽々勝ったように見える将棋でも、相手がこうしていたら自分が負けだったとか、そういうことが見えてしまうから、この将棋はぎりぎりで勝てたんだと思うのかもしれません。

羽生さんは、勝利が読めた時、手が震えることがあります。それは、それが確かなのか、どこかに読み違いがないのかという複雑な気持ちの現れでしょう。そこが人間味があっていいのかなと思います。
ものすごい頭の回転をしていて、全てを読み切って、これ以上はないだろうと思えるほど読んで、そのなかに勝ちの道筋を発見した時、手が震えるのでしょうね。神様ではないから、どこかに自分の勘違いがあるのではないかと不安なんでしょう。こんなに簡単に想像しては失礼かな?

将棋は、相手との勝負なのに、お互いに局面が見えているのですから、相手のことまで考えられます。その意味で、もう一人の自分との勝負でもあるのです。もう一人の相手を自分の中に作って、自分と対決しているのですね。

私も、一人で将棋をすることがあります。そのときに、どういうわけだか、相手が勝つんですが、みなさんはどうでしょうか。

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羽生さんについては、面白い話がいろいろありますね。
結婚しようとプロポーズしたときも、二人で公園のベンチで30分くらい一言もしゃべらずに、黙って公園の景色を見ていたとか、そういうデートがあるんですね。30分黙って公園の景色を眺めているカップルがいるでしょうか。不思議ですね。
その後で、今の仕事が一段落ついたら、結婚しましょうと言ったとか、どうなれば一段落なんでしょうね。
30分間、将棋の手を考えていたのでしょうか。それでは、相手に対して失礼ですよね。

お相手の畑田理恵さんでしたっけ?その後、すぐに暴漢に襲われますよね。そのときも、羽生さんは慌てた様子を見せませんでしたね。落ち着いているようにさえ見えました。あれはなんだったのでしょう。どんなときも冷静に状況を受け止めるということでしょうか。不思議でした。

いま、羽生さんは、王将戦を戦っています。1勝3敗で久保さんにタイトルを取られそうです。そうしたら、昨日は羽生さんが勝って、2勝3敗になりました。4勝したら勝ちですから、久保さんが有利には違いないのですが、果たしてどうなりますか。昨年も同様に2勝3敗から、逆転してタイトルを防衛したのですが、そんなに上手くいくでしょうか。

ここのところ、そのような逆転防衛が続いていますね。
渡辺竜王が羽生さんを退けたのも3連敗の後の4連勝でした。
深浦王位も木村さんを退けたのが、同様に3連敗の後の4連勝でした。
普通なら考えられないパターンですが、ここのところそういうことが起きています。
タイトル戦は面白いですね。

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将棋名人戦2

2010-03-11 | 将棋
先日、将棋名人戦について書いたので、もう少し書いてみます。

実は、私は羽生さんと同じように期待している棋士が佐藤康光さんです。
佐藤さんは、名人にもなって二期連続名人でいました。
私が考える名人というのは、その時代の最も強い人というイメージがあります。
だから、ここのところ15年くらいは羽生さんが名人であれば問題がないのですが、
どうも羽生さんは名人にこだわりがないのか、他の人が入れ替わり立ち替わり名人になりました。

私のイメージでは、大山時代、中原時代、谷川時代という感じで、その時代の一番手が名人の時代を築いたように感じています。途中で、加藤一二三、米長邦雄という名人もでましたが、それぞれ一年で奪い返されて、長くは続きませんでした。
だから、一番強い人が名人というイメージだったのです。
しかし、羽生さんが名人になってからは、谷川さんが取り返したりということもありましたが、群雄割拠のような状態になったのです。その一番手が佐藤さんだったという気がします。
そして、その後、丸山さんが取り、森内さんが取りました。森内さんは羽生さんよりも早く名人を5期獲得し、永世名人になってしまいました。これは驚きでした。
羽生さんは、他のタイトルをたくさん取って、また防衛してという感じで、常に複数のタイトルを持っていて、将棋界の第一人者は常に羽生さんだったのに、名人だけは他の人にもチャンスをあげるような形でいました。

今は、その名人を取り返し、永世名人を獲得しましたが、そのような状態でした。
今は、タイトルを4つですから、4冠王といいます。それとNHK杯と朝日オープンで優勝して、やはり圧倒的な強さをみせています。

しかし、本人も言うように、常にぎりぎりの戦いで、完勝ということはほとんどないそうです。確かに、昨年のタイトル戦を見ても、相手に追い詰められての逆転勝利というタイトル戦が三つありました。また、王位戦では、深浦さんに取られて、昨年は取り返す挑戦者になりながらまたまた敗れています。そう考えると、圧倒的な強さと言いながら、そんなに簡単ではないのだなと思います。

話がいろいろになってきましたが、佐藤さんは名人に二期なった人なのに、今年はA級から落ちてしまいました。とても残念です。三年前には全てのタイトル戦に出場し、二冠にもなっているのです。NHK杯でも二年連続優勝をしているのです。その佐藤さんでもA級から落ちるのですから、A級に残ると言うことは大変なんだなと思います。

森内さんも羽生さんと同じ年で、常にライバルのように後に付いて来た人で、永世名人になるくらいですから、相当強いのですが、それでも名人だけで、他のタイトルを同時に持つような強さを見せていません。一時期二冠があったくらいです。

私は森内さんが強いなら、他のタイトルも取って、森内時代と言われるような強さを示してほしいと思っていましたが、それは叶いませんでした。

今度、A級に上がって来るのが、久保さんと渡辺さんです。永世竜王の渡辺さんがA級に上がると言うことは、近い将来渡辺さんが名人になる日が来るんじゃないかなと期待させます。

今、渡辺さんは25歳、羽生さんの世代は37歳です。渡辺さんが名人になると、時代が変わるという気がします。

タイトルを持っている久保さんと渡辺さんがA級に上がって来たのですから、それは望ましいことでしょう。ただ、そのために深浦さんはA級に戻れませんでした。

厳しいですね。

来年は、佐藤さんがA級に戻る第一候補でしょう。それと深浦さんが戻れるかどうかです。
その辺が見どころですね。

最近の名人戦を見ての雑感を書いてみました。
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将棋名人戦

2010-03-09 | 将棋
今年の将棋名人戦の挑戦者は、三浦さんに決まりました。
三浦さんと言えば、羽生名人が7冠王の時に、最初にタイトルを奪った人です。

将棋界は、名人、竜王、棋聖、棋王、王将、王座、王位という7つのタイトルがあります。
その7つを全て羽生名人が25歳のときに、獲得しました。そして、その前人未到の記録を達成した羽生さんを最初に破るのは誰かということで注目された時、その内の棋聖を奪ったのが、三浦さんだったのです。そういう意味で、記憶があります。

その三浦さんは、それ以降タイトルを取ってないように思います。取ってないどころか、もしかすると挑戦者にもなってないのかなと思うほどです。私も全て見ていた訳ではないので、はっきり言えませんが、あまり大きな記憶がないのです。
しかし、A級に入って来てからは、B級に落ちないで、常にベスト10人の中にいたので、タイトル戦に登場してもおかしくないという強さを示していました。

今回久々に登場しましたが、それが名人戦というのが凄いですね。

私は毎年、A級順位戦の最後の日は将棋界の一番長い日というテレビ番組を見ていたのですが、今年は見逃してしまいました。

だから、三浦さんが挑戦者になったことは、後で知りました。
4月からの名人戦が楽しみです。
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羽生名人防衛

2009-06-25 | 将棋
羽生名人が勝って名人のタイトルを防衛しました。

2勝3敗の劣勢を跳ね返しての勝利で、4勝3敗でした。
郷田さんも二度目の挑戦なので、勝たせてやりたいという気持ちもありましたが、
やはり、将棋界の第一人者はまだまだ羽生さんでいてほしいという気持ちが強く、私は羽生さんを応援していました。

自分が応援している人が勝つとうれしいですね。
以前も書きましたが、私は強い人はとことん強くあってほしいと思います。
相撲もそうです。横綱はやはり強くあってほしいです。

羽生さんは、将棋界の横綱ですから、さすがと言われる勝ち方をしてほしいなあと思いました。

しかし、一番強い人が名人でいてくれると、将棋界も落ち着く気がします。
名人が入れ替わり立ち替わり変わっては、落ち着かない気がするのです。

最近の羽生さんの成績を見ると、今年の初めのタイトル戦は王将戦でした。
これは、深浦さんが挑戦しましたが、やはり羽生さんは2勝3敗の劣勢から逆転しての防衛でした。

勝敗の流れからすると、まるで自分が劣勢になって、ファンをハラハラさせてから、最後に逆転で勝つということを、わざと演出しているように思えます。
将棋においては、そんなことはないことは分かりますが、まるで昔のプロレスのように、ほとんど負けそうな形を演出して、ダメかなと思わせてから、決め手の空手チョプで逆転するという感じです。

心理的に見れば、どうなのでしょうか。郷田さんは、あと一つ勝てば名人だと思った途端に、プレッシャーがかかったとか、その心理が深く読みを進めるところで、狂いをもたらしたとか、そういうこともあったのでしょうか。
プロの将棋においては、そんな単純なことではないと思いますが、それでも力ではほとんど変わらない人の戦いにおいては、そういう微妙なところで緊張感が出たりするのではないかと考えました。

以前米長名人は、7回の挑戦で初めて名人になりました。これもすごいことですね。もう50歳に手が届くという年齢になって、初めて念願の名人をとりました。その歳で、挑戦者になったこともすごいのに、本当に名人を獲得してしまうなんてと驚きでした。それに比べたら、郷田さんは二回目ですから、また挑戦して一度は名人になってほしいと思います。

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羽生名人

2009-06-15 | 将棋
いま、将棋名人戦が行われています。
羽生名人に郷田さんが挑戦しています。現在、羽生さんの2勝、郷田さんの3勝で郷田さんがリードです。この名人戦は、7番勝負ですから、4勝した方の勝ちです。ということは、あと一つ郷田さんが勝てば、郷田名人の誕生ということになります。
羽生さんは、ピンチですね。

羽生さんは、強いのでしょうか?

こんなことを言っては失礼なのですが、強いならとことん強くあってほしいとうのが、私の希望です。

というのは、以前の大名人と言われた大山名人の印象があるからです。
私が、将棋を覚えたころは、大山名人の全盛期でそれを誰が破るかというところに興味がありました。そして、現れたのが中原名人でした。
大山の振り飛車に対する中原の居飛車という戦いです。そして、誰も破ることのできなかった大山を下して、次々とタイトルを奪っていく中原を見ているのが楽しかったものです。そして、時代は中原名人の時代となりました。

すると、やはり、中原名人は名人というタイトルを長年に亘って確保しました。
だから、その時代の一番強い人が名人というイメージがあったのです。

ところが、その後、米長、加藤という中原のライバルが一度づつ名人になった後、
谷川が現れて、谷川時代を築いたかに思われましたが、羽生が現れて、それを打ち破りました。
そして、羽生は名人を持ちづつけることができずに、他の人に取られて、名人が次々に代わる時代を作ってしまいました。

これは、どういうことなのでしょうか。
7つもあるタイトルを一番たくさん持っているのは、いつも羽生さんです。だから、この15年くらいは、いつでも羽生さんが将棋界のトップなのです。
それなのに、名人はどんどん入れ代わります。

羽生さんは、名人というタイトルに執着がないのでしょうか。?
まるで、みんなにチャンスをあげるよとでも言ってるかのように、いろいろな名人が誕生するのですね。

棋王戦では、タイトルを深浦さんに取られて、次の年にリベンジで取り返しに挑戦者になったのに、二年続けて3勝4敗で、負けました。
竜王戦では、3連勝したのに4連敗してタイトルが取れませんでした。
王将戦でも、2勝3敗と苦戦の末、ひっくり返して辛くも4勝3敗で防衛しました。どのタイトル戦もほとんど五部五部でなんとか防衛したり、退けられたりしています。
昨年だけで考えれば、全てのタイトル戦に登場したのですから、強いには違いないのです。しかし、そうであるのに、タイトル戦はほとんど互角で、圧倒的な強さは見せ付けていません。
不思議な人だなあと思います。

私は、一番強い人を名人と呼ぶのが良いのではないかと思います。
その年の成績をポイント制にして、一番ポイントの高い人を名人と呼ぶことにしたらどうなのかと思います。
たとえば、一つのタイトルを取ると、何点。トーナメントで優勝すると、何点。
などと、ポイントを作るのです。このアイディアはどうでしょうね???

羽生名人を応援しながら、名人の決め方を考えてみました。
コメント (4)
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