寒い冬だったねぇ。
午後の日のぬくもりが気持ちいい。
村上春樹のエッセイを読んでいる。
彼が30代後半の頃、心身ともに疲弊し、日本から逃れて、3年間南欧の各地に住み、
翻訳の他に長編小説を完成させた時のエッセイである。
その小説は『ノルウェーの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』。
言わずと知れた大ベストセラー作品である。
日本でも書けたであろう?とも言っているが、ニュアンスの違うものになったであろう?とも言っている。
後に、本が売れすぎた彼の苦悩も語っている。
エッセイは小説とは違い、やわらかい表現、繊細な文章で読みやすい。
細かな描写もしているのも好印象だ。
ギリシャ、アテネ、エーゲ海の島々。
イタリア、シシリー、ローマ。
フィンランド、ヘルシンキ。
イギリス、ロンドン。
オーストリア、ザルツブルク。・・・・etc
各地の民の人柄や言語、その土地の情景、食生活、気候、政治状況、その国の歴史が良くわかる。
行っていなくとも、目に浮かぶようである。
特にローマの住み悪さと、イタリアの車には笑った。
と、同時に村上春樹の性格も良く理解出来るもいい。
小説とは違った面白さがある。