2007年から朝日新聞社主催で始まった将棋のタイトル戦で、八大ビックタイトルの次に位置するプロ棋戦である。優勝賞金は750万円。
公開対局(観客いる中)で、持ち時間40分だから中盤から終盤戦は、一手1分将棋になる。もつれても2時間くらいで1局の対局が終了する。
昨日は4人のトーナメント勝ち残った準決勝2局と決勝の1局があった。ライブ配信あったので午前の準決勝「渡辺名人VS藤井二冠」、午後決勝の「藤井二冠VS三浦九段」を固唾を飲んで観た。
Abema tvのAI評価値(勝敗の優劣)と人間が指す終盤1分将棋の結果があまりにも異なり揺れ動いたから、非常にスリリングで面白い将棋となった。
藤井二冠は、準決、決勝の2局とも結論から言うと最終盤に大逆転で勝ちをものにした。渡辺名人相手に、AIが99%対1%を示す終盤をひっくり返した。
渡辺名人はその夜、ブログを更新して1分の秒読みの中で、藤井二冠が難解にした受けから自玉詰みのプレッシャー感じて一通りしかない正解を見つけることは不可能だったと正直に吐露している。
終盤戦はどんなに複雑な局面でもAIはミス(見逃し)しない。でも手数の多い複雑な局面を一分で正確に指し続けるのは、いくら人間離れしたプロ棋士でも無理なことがあるということ。
そこに人間らしいドラマが生まれるから面白いと思う。昨日の人間将棋がそれを物語って教えてくれた。
それにしても、藤井二冠の終盤力が、これまでの人間棋士の中でも抜群にあるということを示してくれた。ほんとうに末恐ろしい棋士になることは間違いない。
今年度の全棋士の中でも断トツの勝率8割4分近くある。今年度の対局はほとんどトップ棋士と対戦してる中での勝率である。信じられない勝ち方をデビューから4年未だ継続している。
今年高校卒業で、大学には進学せず将棋に専念すると昨年から公表している。彼にとっては大学は無駄な遠回りであることは間違いない。最善の進路選択一手でこれまたやはり素晴らしい。