16日午後の衆議院本会議で、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案は、野党5党が退席する中で与党などの賛成多数により可決し衆院を通過です。NHKは今日も中継なしで、この重要法案をどう受け止めているのか、国民に伝える必要がないとの判断のようで、民主・共産・社民の各党の討論は夜のニュースで聴き入りました。
そんな中でイギリスBBCは、日本特派員が15日の国会前のデモ現場に訪れ「国民の怒り」リポートとして詳しく放送をしたそうで、昨夜のNHKニュースといえばデモの様子は一瞬で、劇団四季の「ライオンキング」1万回公演を詳しく放送でした。
さらに驚くことに自民党は、先月下旬の党国会議員勉強会で報道機関への圧力発言が出たことで、報道機関の取材を断るよう党本部が指示していたというから呆れてしまいました。安保関連法案の衆院通過を控えて、議員の失言によるイメージダウンを恐れ、若手だけでなくベテラン議員にも及ぶ“言論規制”で、TBSテレビのアンケートに答えないように指示し、15日夜の「ニュース23」の番組で回答した自民党議員402人中5人にとどまったことを伝えていました。
また建設費が高騰して批判が高まっている新国立競技場、そのデザインを選定した建築家の安藤忠雄氏の都内での記者会見に耳を傾けました。安藤氏は女性建築家ザハ氏のデザインに決めた際の審査委員会の委員長で、実施設計を了承した7日のJSCの有識者会議は欠席でした。安藤氏は了承された実施設計で総工費2520億円に膨らんだことについて、「消費税増税と物価上昇に伴う工事費の上昇分は理解できるが、それ以外の大幅なコストアップにつながった項目の詳細について、また基本設計以降の設計プロセスについて承知していない」との立場を強調でしたが・・・。
そして政府内で総工費が2520億円に膨らんだことで、「キールアーチ」と呼ばれる2本の巨大な鋼鉄製アーチの建設をやめ、建設計画を縮小する案が浮上していることが分かりました。最大観客数も現行計画の8万人から6万人程度にすることも検討するそうで、スポーツ界からも批判の高い問題だけに“負の遺産”とならぬよう取り組んでほしいものです。
安藤さんに野心がおありなのかどうなのかはわかりませんが、政治家が、やたらとその名誉や地位を利用したがる下心は、どこも同じなんですね。今回の国立競技場問題、首相の「前政権がやった」と言いながら、断念させないところをみても、正にご都合政治家だったんだと認識しました。