糸魚川市はジオパークを起爆として交流人口拡大に力を入れていますが、市内では“買い物難民”が増え続けており相談を受けることが多くなってきました。高齢化率が34%になろうとしている中で、独り暮らしの人や車を運転できなくなった人たちが日常の生活に苦労している“買い物難民”の実態を無視することができません。
「ジオパーク推進で高齢者が放置されているのでは・・・」という市民の声で、街なかを見渡すと閉店するお店が年々拡大して暮らしにくくなり、長年住み慣れた地を離れていく知り合いも少なくありません。
先月10日付けのご近所の栗の木の写真を撮っているときに、木の下で放置(?)されている果樹の鉢植えが気になっていました。ユズのような柑橘類かなあと眺めていたら果実はどんどん大きくなってミカンであることが判明です。直径30センチにも満たないプラ鉢にしっかりと実をつけているので、散歩中に通る度に愛おしくなってきました。
ミカンの実は日増しに大きく黄色くなってその数9個・・・、道路から目立つようになると持ち主は場所を少し移動し、風で倒れないようにと鉢の上にテストピースを横にして乗せてありました。放置されていたと思い込んでいたミカンの木は、大きな栗の木の下でしっかりと見守られていたのです。
今、足元の“買い物難民”を見てみぬふりで、交流人口拡大と叫ぶほど空しいことはありません。小さなミカンの木からジオパークが見えてくる深まりゆく秋の終日です。