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SEITEIリターンズ!渡辺省亭展

2018-09-16 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
加島美術へ「SEITEIリターンズ!渡辺省亭展」を見に行ってきました。

広くはないスペースに、みっちりと並べられた省亭の絵!
ガラスケースに入ってるでもなく、そのままに掛けられています。
そしてこんなにたくさん見られて、無料!
なんということだ〜


今回の展示を見てまず思ったのは、「生き物図鑑だ〜」ということでした。
私がもともと省亭に惹かれたのは草花の描写の方なのですが、今回並んでいた作品は、主に鳥を中心とした生き物がとても活き活き。


1Fの展示で印象に残ったのは、やはり『十二ヶ月』でした。
季節の花鳥画がずらっと十二幅並んでおり、圧巻か…と思いきや、ぱっと見た目は地味なのです。
冬はともかく、それ以外の季節も色が少ない世界みたいなのです。
フィルターで言えばginghamみたいな…Instagramされる方はわかると思いますが、ginghamはモノクロとは違う、全体的に色の鮮やかさが落ち着いてグレーがかったような、白いなにかで透かして見たような…そんなフィルター。
その感じで草花を描いて、鳥は見たままに、あんなに上手に描いちゃうのです。
視線はどうしても鳥に集中してしまいます。

あ〜冬の鳥の羽毛のフワフワした感じ、暖かそう。
あ〜もふもふしたくなってくるなぁ。

鳥の様子を省亭がじっとり観察している姿を思わせるような、生き物の世界を人間が覗き見している絵であり、
逆に、鳥がこちら人間側を観察してるような、生き物の世界が人間の暮らしに向こうから近づいてきたような印象の絵でもありました。
これってやっぱり、省亭の決定的瞬間を写真でとらえるような描きとめる技能と、絵の中の花鳥に命を吹き込むような省亭の眼によるんじゃないかなと思うのです。
絵が上手いだけでもつまらない、ですよね。


2Fには、先日迎賓館赤坂離宮でたっぷり見てきた濤川惣助との共同制作により生まれた七宝焼きの作品もありました!
迎賓館のレリーフよりずっと小さい瓶にも美しく再現された省亭の絵に驚きました。
濤川惣助、天才過ぎる…

窓のある日当たりのいいお部屋には、牡丹、菖蒲など大好きな花の絵もあり、うっとり。
紫とか青の花ってきれいです。
涼しげな感じと、花らしい華やかさがあってとてもいい〜!

来週にはトークイベントもあるので、また京橋でたくさんの省亭の絵を見に行く予定。

日本画はちょっと…という人にぜひ省亭おススメです〜 今回も大満足でございました。

「SEITEIリターンズ!渡辺省亭展」
@加島美術 〜2018/9/29 無料

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