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美術館・ギャラリー・撮った写真や好きな絵、そしてひとりごと

国立西洋美術館 常設展

2018-03-21 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
先日のプラド美術館展に行った際、かなり久しぶりに常設展の方も見ました!
そこでまたステキな出会いがあったのでした〜

新所蔵となった作品では、
『黒いドレスの女性(観劇の前)』ベルト・モリゾ 1875年
2017年に購入された作品。
当時としてかなり珍しい女性画家だということや、その生き方などについて語られることが多い作家ですが。
個人的にはただ単純に、ちょっとした瞬間を切り取ったような作品がどれも明るくていいなと思います。
印象派らしく、画面いっぱいにいろんな色が使われていて明るい!
それを思うと、この『黒いドレスの女性』はかなり地味な作品でした。
ざっざっと塗られた黒いドレスと、女性の白い肌と、背景のグレー。
でもスタイル抜群&自然な表情で目を引きました。

『楽』『詩』ラファエル・コラン 1899年
2015年に購入された作品。
なんか見た気もする…けど、とりあえず、ただならぬ雰囲気を醸し出していて印象に残りました。
作品全体にフィルターかけたみたいな、淡い絵。
霧の中から浮かび上がる女性が、神々しくて、ちょっと幽霊っぽく感じました。
ラファエル・コランって何者?と思ったら、黒田清輝に指導した人なんですね。
ほかの作品も見てみたいなぁ。


そして、予想外にテンションだだ上がりしたのが版画展示室でした。
「マーグ画廊と20世紀の画家たち―美術雑誌『デリエール・ル・ミロワール』を中心に」と題した展示をしていて、そこに大好きなシャガール が!
11点ほど並んでいて、そのコーナーは完全にシャガール 空間〜
赤青緑黄…シャガールの色使いにしばしため息。
もし身近にシャガール がいたら、友だちになりたい。
彼氏とか旦那には、、、したくないかも(なんの妄想)。笑


常設展では、他にもピエールボナールや藤田嗣治などおなじみ&好みの作品もみれました。
あと、意外に印象に残ったのが、
ギュスターブモローの『牢獄のサロメ』1873年頃
もともと、聖書神話を題材にした絵は、話を知らないせいもあって、そんなに印象に残らないのだけど…
絵の不気味さに思わず足が止まってしまいました。

『ピアノを弾く妻イーダのいる室内』ハンマースホイ 1970年
わかりやすく自分好みの作品。また会えてうれしい。静かな絵が好きだー


国立西洋美術館の常設展もっと行かないとなぁと思いました。
企画展を見にいくとそれで満足してしまいがちなので、できれば常設展だけ見にいくのが好ましい。と決めました。たぶん近いうちにまた行く気がします。。

写真は、国立西洋美術館向かいにある東京文化会館のCafe Hibikiで食べたチョコレートケーキ
パンダが載っている…かわいい。



国立西洋美術館 常設展 500YEN(企画展入場者は無料)




プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光

2018-03-11 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
上野の国立西洋美術館へ、「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」をみにいきました。



今回はとに〜さん主催のアートツアーで参加。
美術にとても詳しい方も、ミッチーファンの方もいました。

今回の企画展に展示されているベラスケスの作品は、プラド美術館所蔵の中でもかなり重要な作品ばかりらしく、しかも7点もくるというのがすごいことらしい。
ベラスケス好きな人には、またとない機会ですね〜

展示中盤、【宮廷】というテーマの展示室が印象的。
大きい作品がたくさん並んでいて、外国の美術館みたいです。
では印象に残った作品を。
『フアナ・デ・アウストリア』アントニス・モル 1560年
黒いドレスに、白いレースの襟の細かい描写がきれいな作品。
かっこいいなぁ

『ジェノヴァ救援』アントニオ・デ・ペレーダ 1634年
すごく大きな作品で見応えがあります。
今回の企画展でこれが一番面白かった…(ベラスケスじゃないという!)
手前9人の動き、表情、着衣の描写がすごい。
報道写真みたいな決定的瞬間を、こんな大きなサイズで描けるんだなぁ。

アントニオ・デ・ペレーダ、展示序盤の『聖ヒエロニムス』でもちょっと気になりました。
今回展示されてる画家の中では、描き方の感じが好き。
でも『聖ヒエロニムス』は、上半身裸のじいさんがアホ顔でラッパの音聴いてる絵なんだよねぇ…
キャプションを読むと、エピソードに基づいた描写であり、鑑賞者に向けた寓意がある作品らしいです。アホ顔とか思ってごめんなさい。

『視覚と嗅覚』ヤン・ブリューゲル、ヘンドリク・ファン・バーレン、ヘラルト・セーヘルスら 1620年頃
正気じゃないほどの絵画が絵画の中に描き込まれています。
花の描写が素晴らしいのは、さすがブリューゲルさん。室内に色とりどりの花と人物と絵画が差し込む光に照らされて浮かび上がり、華やかな作品です。


このあと常設展でテンションupしたのですが、久々の西美の常設展で長くなりそうなので、それはまた次の投稿に!


プラド美術館展@国立西洋美術館 〜2018/5/27 1,600YEN

ブリューゲル展 画家一族150年の系譜

2018-03-10 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
金曜日の夜間開館を利用して、東京都美術館へ「ブリューゲル展 画家一族の150年の系譜」をみに行きました。



企画展のタイトルのとおり、展示室の始まりはブリューゲル一族の主な登場人物の紹介から始まります。
ヤンとかピーテルとか1世とか2世とか、混乱するのでよく読んでから進みます。

印象に残った作品を。
『バベルの塔』
マールテン・ファン・ファルケンボルフと
ヘンドリク・ファン・クレーフェ
1580年頃 個人蔵
こういう絵を所有してる人ってどんな人なんでしょう。
空の青色が、Instagramで加工したみたいな鮮やかな青です。
塔の上の方はもやっと描かれているけど、画面手前から奥まで、たくさんの人がびっしり描き込まれていて繁々みてしまいました。
建物の構造も、人々の動作も細かく描かれていて面白いです。

ブリューゲルブランドが大きく浸透し長く続いたことは、展示室の作品リストを見るとよくわかります。
解説を読むと、一族にもいろいろ違いがあって、顧客の違い、得意な主題の違い、、、など。
コピー作品を多く作ったことも、ブランド確立にひと役買ったようです。
似たような見た目の作品がたくさんありました。
1.『机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇』
ヤン・ブリューゲル1世とヤン・ブリューゲル2世
1615〜20年頃 個人蔵

2.『彫刻と鍍金の施された花瓶に入った花束』
ヤン・ブリューゲル2世とフランス・フランケン2世
1625〜30年頃 個人蔵

ぱっと見そっくりなんだけど、どっちが好き?と聞かれたら私は2.かなぁと思います。
展示をざっとみて思ったのが、ヤン・ブリューゲル1世の巧さってすごく要領よい感じがして。
俺うまいでしょー 華やかでしょー 飾りたくなるでしょー って感じ。

対してブリューゲル2世の方が、ポツポツ丁寧に作ってる感じで、温かい感じがするんですよねぇ
完全に私の妄想だけど。

『地上の楽園』ヤン・ブリューゲル2世 1620〜25年頃 個人蔵
これが一番気に入りました。
目視で簡単に数えただけでも、40弱の種の動物や鳥が描き込まれていて、果実はたわわに実り、画面はカラフル!
ずっと見ていたい面白い絵でした。

『聖母子と洗礼者ヨハネと天使のいる森の風景』ヤン・ブリューゲル2世 1645〜50年頃 個人蔵
大きい作品だけど、ほやーっとした空気で地味な印象です。
隣に展示されてる『風景の中の聖母子と天使』の方が、小さいけど目立つくらい。
でも、この聖母子が森の木々や背景の谷や空の色に溶け込むような空気感はいいなぁー
近づいてよく見ると、細かくみっちり描き込まれた蔓の葉とか花が見えてくる。
やっぱりブリューゲル2世、あなたの絵が好きだわ。笑

展示室最後には、有名な『鳥罠』や企画展ポスターに印刷されている『野外での婚礼の踊り』もあります。
無印良品みたいな音楽が展示室に流れてました。


ブリューゲル展 画家一族の150年の系譜
@東京都美術館 〜2018/4/1まで 1,600YEN


近代日本の風景画展 〜横山大観と富士を中心に

2018-03-04 | 【アート】美術館・ギャラリー・レビュー
講談社野間記念館へ「近代日本の風景画展 横山大観と富士を中心に」を見に行きました。

企画展の会期終了間際になって行くの、いい加減やめたいわ。
いつも先延ばしにしてぎりぎりに行くけど、混むし慌てるし。

さて、野間記念館は初めて行きます。
椿山荘のすぐ横に美術館があったとは知らなかった。
人の家みたいな小さな美術館です。

富士の絵を描くだけなら子供でも描ける
形だけ描くから、富士の名画と呼ばれるものが少ないのだ
富士の姿を描くことは自分の心を描くこと

…すごいわ。
でも真実だと思うし、私が絵を見るのが好きな理由のひとつは、こういうところかもしれない。

では印象に残った作品を
『富士百趣 』 山口蓬春 1928年
とてもとてもわたし好みの作品。欲しい。
春の山のきれいな色も、夏の草の匂いがしそうな風も、秋の草花の色とりどりも、冬の雪の静かな感じもどれも好き。
欲しい。以上。

『貞姿凌雪』 山元春挙 1923年
前から気付いてましたが、私は鳥が描かれた日本画が好きなようです。
ボスッと積もった雪に、雀が一羽こちらを正面に見据えています。
描かれてる雀はとても小さいんだけど、雪の塊が別の大きな白い鳥のシルエットに見える不思議な作品です。
画面に散らされた降っている雪の粉も幻想的。


『富士・三保図』 横山大観 1910年
さきの大観の言葉から考えれば、この作品を作成した頃の大観は苦しい時期であったはずなのに、富士山はぱあっと明るいきれいな青で、松林も美しい。
展示室にとても華やかな雰囲気を醸してました。
松の木の皮の苔の感じとかがまた繊細できれい。大観はどんな気持ちでこの作品を描いていたのかな。

本日の感想
日本画、とくに風景画はやっぱりいいなぁ。
メインの横山大観には、「なんかどーんって感じの絵を描く人」という印象しかなかったのですが、今回、横山大観ってすごくスピリチュアルな人なんだわ と思いました。


近代日本の風景画展
〜横山大観と富士を中心に〜
@講談社野間記念館 〜3/4会期終了
500YEN