6年前定年退職した頃、 スイスで自営業で成功した日本人知人に会ったので、定年退職したことを伝えると
『そうですか~、私には定年ありませんよ… 』と、私の定年退職を羨むというより、定年が無い立場を誇っているようであった。
まぁ同年輩とは言え、しがない引越業の定年退職者とかたや自営業成功者とでは比較のしようも無く、彼の誇らしい立場も良く分かる。
『退職しました〜』というと、『あなた、いま何してますか?』とよく聞かれる。
確かに、『毎日がバカンス』という誰もが夢にまで見る状態が実現したとなれば、『このお人は何をなさっているのだろう・・・?』と、
気になるのは人情であろう。
相方の友人に掛け値なしの金持ち女性がいて、アメリカとスイスの両方に家があり、3〜4ヶ月毎に行き来している。
スイス滞在中は予定をあらかじめ決め、スケジュールをぎっしり埋め、あちこち予約しなければ落ち着かない・・・らしい。
一方で所在なく街のベンチにじっと座っている老人をよく見かけるが、どちらも『退屈の恐怖』との戦いであろうか。
そういった意味では、私は案外多趣味であるから定年後も『退屈する事』は無いであろう・・・と思っていたのだが、
問題の本質はそこではなかったのだ。
定年後、私はそれまで封印していたものを解くが如く、『禅』について『仏教』についてブログに書きながら自分なりに考えを
深めたり、まとめたりする中、『還暦スキャン』を透して自己を振り返えれば、私のこれまでの22種に渡る職業遍歴というのは
ひとえに『己事究明』という『本業』を守り抜くための遍歴であった・・・ことが解る。
世間で言う『本業』と私の言う『本業』の意味は違うであろうが、私の『本業』がより本質でなかろうか。
『己事究明』という道を追求しているうちに『遊戯三昧』という徹底的人生肯定に出会ったが、この道に定年は無い。
『 感動の 旅にでるべか 遊戯三昧 浮世の風に 髭なびかせて 』 馬骨
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