ジョン・デイヴィッド・アシュクロフト(John David Ashcroft)は、第1次ブッシュ政権において2001年から2005年までアメリカ合衆国第79代司法長官を務めた。
1949年ミズーリ州生まれ。ミズーリ州はディープ・サウス(深南部)又はバイブル・ベルトと呼ばれる南部の保守的な地域に隣接している。
ミズーリ州知事(1985年から1993年)ミズーリ州選出上院議員を経て、ジョージ・W・ブッシュにより司法長官に指名された。(当時は上院議員落選中)
9・11事件直後の混乱を利用して、情報収集機関による殆ど無制限の活動を認める「愛国法」などを積極的に推進した。
2001年2月1日。アメリカ上院は司法長官の任命に賛成56、反対42で同意した。
このとき他の閣僚人事は全て決定していた。反対42票は司法長官に対する反対票としては過去最高であった。
エドワード・ケネディ上院議員は、
『四半世紀にわたってジョン・アシュクロフトは、司法省所管の重要な諸問題に対して強い地位を確保し続けてきた。』
その間『遺憾なことに、そして彼は、しばしばわが国の法律を無視し。
『上院の力を利用して、自己の個人的見解を推し進めてきた。』と反対演説を行う。
『宗教右派』
ジョン・アシュクロフトは、ペンテコステ派の牧師の子として生まれ、本人も熱心な信者だった。
『アメリカの自由は、いかなる政府や文書が許可したのではなく、神からの授かりものである』
ペンテコステ派とは、精霊ノ働きを強調し、厳格で純潔な生活を力説する基督教保守強硬派で、進化論を認めず、聖書の直読、直解を主張する。
アシュクロフトは、人口妊娠中絶に関して、とりわけ過激な主張をする事で有名だった。
曰く『母体の生存の危機以外は、断じて認められない』(幼いとかレイプとか経済的問題は理由にはならない。)
州知事時代や、上院議員時代にゲイが公職につく事に強硬に反対していた。
宗教右派にとっては『ゲイというのは中絶と並ぶぐらい神にそむく事』なのである。
彼は1960年代の公民権運動の成果である差別撤廃処置(アフォーマティブ・アクション)にも反対してきた。
全米ライフル協会のロビイストで、銃器を購入した者の背景を調査するのに異議を唱え『銃器の購入記録は速やかに破棄されるべきだ』と主張する。
就任直後の2001年6月11日連邦政府としては38年ぶりにオクラホマ連邦政府ビル爆破事件(マクベイ死刑囚)の、死刑が執行される。
アシュクロフト司法長官はミリシアの一員だったマクベイ死刑囚の死刑執行を、史上初めて、有線放送で特別中継する事を許可した。
ブッシュ大統領は、この見せしめの公開処刑が行われた直後、ホワイトハウスの記者会見で、『オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件の犠牲者はこの日の死刑によって、報復でなく正義が与えられた』
『正義が悪を打ち負かしたことは事実だ。法に基づき、問題は完結した』と称えた。
また2002年首都ワシントン周辺で起こった連続射殺事件の犯人の一人が17歳の少年だった事で、当初の死刑執行の無いメリーランド州での裁判を変更し。
『このような犯罪を犯した者に究極の罰が与える事が必要だ』として18歳以下の少年にも死刑が適用されるバージニア州に公判の場所を移した。
『反連邦の内向きの思考』
ジョージ・ブッシュもジョン・アシュクロフトも、どれも此れも南部出身の閣僚の思考方法は、何れも例外なく『内向き』に出来ている。
典型的な南部の特徴の反連邦(アンチ・フェデラル)の基本的な考え方である、『ワシントンの連中は州の事に口を出すな』なのだろうか。?
反連邦主義は、連邦が大きな外交政策を展開したり外国に介入したりする事に消極的で、一種のモンロー主義である。
反連邦主義の内向き政治家であるブッシュにとっては、本来イラクもアフガンも如何でも良いはずで、事実以前コソボ等に『人道介入』を度々行ったクリントン民主党政権の政策を批判して『他所の国造りに米軍を使うべきでない』と発言していた。
アメリカの『現共和党政権』は反連邦主義的な考えを持っている集団が、連邦政府を乗っ取って、アメリカと言う国自体が『巨大な州』になってしまっている、とも考えられる。
しかし『反連邦主義』には、連邦に変わる反発の対象がなくてはならない。
其れが国連や国際機関である。
そう考えると、今の『アメリカ一国主義』は、南部保守政治家の王道「反連邦主義」の典型的な行動様式である、と捉えれば理解しやすいのではないだろうか。?
『9・11以後の行動は全米ライフル協会と同じ』
ジョージ・ブッシュやジョン・アシュクロフト等の、内向きの反連邦主義者にとっては、
『9・11事件は全く事情が違う』のであり、
何故なら『ホームグラウンドが攻撃された』のであり、
誰が何を言おうと『反撃は当然の権利』なのである。
国連が何と言おうが、NATOが何と言おうがアメリカ一国でイラク攻撃をやればよいと言う発想は、
『我々は自分の土地、国土を、自分で守るんだ』という考え方の極限である。
国連(世界)に向けて
『それではアメリカをどうやって守ればいいんだ。それを言え』と言い放つ。
これは『自分の家族を外敵から守るんだ』という全米ライフル協会の発想と完全に一致する考え方である。
全米ライフル協会のスローガンは『私の土地、財布、銃に手を触れるな』である。
会員は『自らを守るのは自分の銃だけではないか』と考えている。
『オクラホマ連邦ビル爆破事件犯人とブッシュ政権の共通点』
修正第2条
(人民の武装権)
『規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。 』
修正第10条
(州または人民に留保された権限)
『この憲法によって合衆国に委任されず、また州に対して禁止していない権限は、それぞれの州または人民に留保される。』
自分の権利を侵そうとするもの(連邦政府)に対して強烈な反発を抱く者が引き起こしたオクラホマ連邦政府ビル爆破事件。
その意味では本来ティモシー・マクベイ死刑囚とブッシュ・ジュニアとは共通の地平に立っている。
内向きの思考法(一国主義)がイラク攻撃や、危険への先制攻撃(ブッシュ・ドクトリン)へと際限なく拡大していく矛盾を抱えたアメリカ。
其れが我が日本国の唯一の同盟国であるアメリカ合衆国の現在の姿である。
アメリカの多様性という表現はやはり偽装・まやかしなんでしょうか。
何故なら『知り合い(アメリカ人)に唯の一人もブッシュの支持者がいない』から。
支持どころか、反対にブッシュの反知性的な部分を笑いものにしている。
しかしブッシュ・ジュニアが理想の大統領だと考えるアメリカ人が、現実にアメリカには半分以上存在しているわけです。
ブッシュ政権のラムズフェルドやチェイニーの様な軍産複合体代表や世界企業の代弁者ばかりに目が行き、もう一方のジョン・アシュクロフトのような宗教右派(基督教原理主義)の方は目立たない。
日本人は、カリフォルニア等の西海岸やニューヨーク等の東部は知っているが、ディープサウスやバイブルベルトは知らない。
日本人が、アメリカの多様性の意味を勘違いしている可能性が有りそうです。
社会的流動性で見た場合、英国以外の他の先進国よりかなり低いそうです。
その辺も日本のメディアによるまやかしですね。
日本の新自由主義者もその辺を見習いたいんでしょうw
楽して勝ち組を維持できますからね。
だけど日本がそんな真似をすれば社会の不活性化を招くだけでしょう。
以前,光市事件の講演会を開くために岩国市へ行った時に,たまたま帰り,海兵隊の黒人の兵隊と一緒になったので,缶ビールをおごってやり,いろいろと雑談をしました.彼はやはり過疎地の産業がない土地から,軍に売られて日本へやって来ました.そして彼の故郷は共和党の支持母体だとも.お前はどうだいと聴かれると,私は横浜の生まれで,ドイツ・プロテスタントの信者で,民主党支持者だと言うと,おーお前とは生まれも育ちも違うんだな,ビールありがとよ,と去っていきました.
反対に駅前英会話塾のバイト教員を捕まえて話してみると,彼らは日本に留学するために資金を貯めているのだと.日本語も覚えられるし,こんなラクなバイトはないぜ,とのこと.もちろん,一度大学を出てるし都会の生まれ育ちで民主党支持だと.
これはあくまで一般論ですけど,アメリカ人には生まれ育った環境が「チャンス」に大きく影響するようです.
しかし、普通の日本人みんなが気が付きにくい、宗教の側面を取り上げたのが、この記事何ですが。残念。
話が噛み合っていないようです。
アメリカを理解する上で、宗教を抜きにして理解しようとするのは、ものごとの半分しか理解した事にしかなら無いでしょう。
アメリカとは、先進国唯一の政教一致の神聖国家(宗教国家)である事実に気が付かないと、何時までもたっても正しくは理解できないでしょう。
ななしさん。
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アメリカ南部は民主党の強固な地盤で、共和党組織はほとんど無いに等しいが、南部民主党こそ、右のなかの右、極右の巣窟になっている。
この原因は南北戦争まで遡り、奴隷解放令のリンカーンが共和党員だったことに由来している。
多くの(白人の)南部民主党員は極右の人種差別主義者で反連邦主義(反共和党)なんですよ。
確かにブログ主さんの言われる通り,アメリカは政教一致国家であることは間違いない.WASP と呼ばれる南部人は共和党員だろうと民主党員だろうと人種差別主義者には変わらない.面白いことに,英国人やドイツ人もそうなんですよね.肌が白いことしか優越感がないんです(笑) 日本の差別と同じで,触っただけで虫酸が走るって奴です.
政教分離にうるさい日本では考えられないことかなと思います。アメリカの次の改革は、就任式でコーランと、仏教経典に手を当てて誓う大統領が出る事かななんて想像しました、それでこその人種のルツボではないかなと思いますね。
例えば旧約聖書の歴代誌とか列王記をお読みになると分かると思うのですけど,神権政治というのは全て,教典だとかそれを記した聖なる銘板を掲げています.
王制と大統領制の違いは,それが血筋によって権力が継承されるか,形式的ではあれ国民の選挙によって権力が継承されるかの違いに過ぎません.アメリカなどは特殊な例で,隣の韓国を見ると良いです.民主化以降は多数の政党が生まれたり合併したり消えたりして,その混沌の中から大統領が生まれる訳です.そういう意味ではアメリカと韓国を比較した場合,より韓国の方が民主主義的だと言えるのではないでしょうか.ちなみに「コーラン」は間違いでアラビア語では「コラーン」と発音します.岩波文庫で訳した奴が悪いんですけどね.
差別を「例え」に使うことは当ブログでは止めて下さい。
同和問題は02年の特別処置法の失効をもって法的には完全になくなっています。
残ったのは道路利権と同じような利権問題がすが、解同は未だに復活を夢見て差別狩りに躍起になっています。
くだらない言葉のあげあしをとって謝罪を要求した水騒動は解同連中の常套手段ですよ。
カークさん。
アメリカの大統領は選挙で選ぶ『皇帝』という説が有りますね。
ゴアとブッシュの選挙戦では、総得票数で数十万表もゴアが勝っていたが、早々とゴアが敗北宣言をしてブッシュの勝が決った。
その他の外国の大統領選挙なら有り得ない話です。
『皇帝』を選ぶ選挙なので、大統領選挙の公正さより、選ばれた『皇帝』の正当性(神聖さ)がより重視されているんですよ。