大統領のアタマのなかでは天使が舞っている。!
「十字軍」や「悪の枢軸」などの妄言に、世界はウンザリするばかり。
ブッシュを熱烈に支持し、戦争へとひた走る連中の思考回路とは。?
彼らの驚くほど単純な世界観を歴史的・宗教的文脈から読み解き、アメリカという極めて特殊な国家の本質に迫る。
9・11からアフガニスタン攻撃、そしてイラク戦争への続く一連の動きの中で、アメリカに対する反発、嫌悪そして侮辱のような感情が日本、いや世界中に充満してしているように思われる。
マイケル・ムーアの『アホでマヌケなアメリカ白人』や、『ブッシュ妄言録』
『不思議の国のブッシュ、合衆国大統領迷語録』などの本が売れていると言う。
それに因ればブッシュ大統領は、『世界一危険な馬鹿』(「ブッシュ妄言録」の帯の文句)ということになる。
作家で精神科医のなだいなだ氏も『文明と先制攻撃』でこう記している。
マイケル・ムーアの『アホでマヌケなアメリカ白人』と言う過激な題の本を読んでうなった。いやうなりっ放しだった。
例えば、アメリカのブッシュ政権の閣僚たちの皮肉な紹介だ。
閣僚たちは、財界と関係の深い人たちなどと言うものではない。
財界人そのものだ。
副大統領ディック・チェイニーは、政権に入る前はハリバートン社と言う石油会社のCEO(最高経営責任者)、
財務長官ニール・オニールは、入閣前は世界最大のアルミ会社アルコアの会長、
農務長官アン・べェネマンは、遺伝子組み換え食品の会社カルジーンの役員、
商務長官ドン・エバンスは石油・ガスのトム・ブラウン社の会長兼CED,
国防長官ドナルド・ラムズフェエルドはGDサール製薬会社とジェネラル・インストルメント社のCEOだった。
何のことは無い。政治が財界に乗っ取られているのも同じことだ。
これなら財界が政治家に陳情するなんて手間も省けるし、請託を受ける必要が無いから汚職も無いわけだ。
資本主義というか、効率主意と言うか、ともかくそれが極ると、こういう形になるのだろう。
これが文明国というものだ。
アメリカ政府が、強引にグローバリズムを推し進めようとするのも、少しも不思議なことではない。
目から鱗が落ちた。それも何枚も落ちた。!
話はとぶが、イスラエルのシャロン政権の大臣達は、自爆攻撃のたびに、
『文明社会は一致してこの様な野蛮な攻撃に立ち向かわねばならない』という。
ブッシュ大統領もこの『文明社会』という言葉が気にいっているようで、対テロ戦争の決意を表明する演説で、何度もこの言葉を繰り返し使っている。
相手は野蛮、此方は文明という二分の仕方だ。
だいたい、そんな『馬鹿』が合衆国大統領になるということは、単なる『不幸な偶然』の産物なのだろうか。?
何か事情が有ると考える方が常識にかなっているのではないか。
また。ブッシュの当選には疑義があるとは言え、彼を支持した多数のアメリカ国民は、皆はしにも棒にもかからない愚民なのだろうか。?
権力者とは孤独なものである。
まして世界一の権力を持つ合衆国大統領においてをや。
どんなに合理的な『判断』を重ねたにしても、有能な側近達の助言をいくら受けたとしても、最後の『決断』はたった一人で下さねばならない。
ジョージ・W・ブッシュ大統領は一帯何を信じて決断を下すのだろうか。?
かつて占星術に頼る大統領がいたというが、無理も無い気がする。
其処には非合理的な「信仰」といっても良い思考が必ず影を落とす。
アメリカとアメリカ国民を分析する際は、彼らの宗教的とも言える世界観に着眼しないと間違う。
建国の経緯からしてアメリカは宗教的国家であった。
アメリアカという国家には、おどろくほど強固な『集団的潜在意識』或いは『集団的信念』が存在する。
ブッシュを支持するアメリカ国民の向こうにある、その『集団的信念』を支持しているのである。
単に大統領の資質云々し、政権中枢の野望と利害をあげつらっても、ことの本質には迫れないのではなかろうか。
森孝一同志社大学大学院神学研究科、米国、バークレー神学大学院連合博士課程修了、神学博士、現在同志社大学神学部教授。
出版社〕 講談社 講談社文庫 〔価格〕 514円
全世界の反対を押し切っても無理矢理イラク攻撃に踏み切ったブッシュを、宗教的な側面から分析する。
世界を善と悪、文明と野蛮に単純に2分し、自らは常に正義の側にあると信じて疑わない思考法は、キリスト教原理主義の裏づけがあって初めて理解できるという。
アメリカは極めて特殊な宗教国家である。
だから自然と「十字軍」などという言葉が出てくる。ブッシュ及びアメリカ人は自らの信じる右派キリスト教の世界観を広めることが善であると信じて疑わない。
~たしかな野党 支え続けて 上げ潮めざす!~
変更しようとしましたが、エラー表示が出てコメントが残せませんでした。
新しいメールアドレスsyokunin-2008@mail.goo.ne.jp
今後とも宜しくお願いします。