キュウのささやかな復讐

ほぼ黒ネコのキュウは、小猿の相手をよーくやってくれている。実にやさしく面倒みのよい、ねーちゃん。たいがいは、小猿との鬼ごっこで逃げる役。ま、近頃やや太りぎみのキュウには、丁度いい運動になる。
小猿は、いつも自分のご飯を残すことはしない。大人組のエサの器の横に、小猿のお子様用ドライも置いておいた。小猿は、ガツガツボリボリ食べていたが、大人組のマネをして、器に少し残して他の部屋へ行ってしまった。静かな足どりでごはんの器の前にやってきたキュウは、しばらく２つの器を見比べていた。（キュウちゃんや、なにしとるん？）
私は、黙ってキュウを見ていたら、いきなり小猿のお子様用ドライを食べ始めた。
（キュウちゃん、そっちはカロリー高いから太るぞ。もしかして、小猿への復讐かい？）
キュウは、小猿のドライをペロリとたいらげてしまった。と、そこへ小猿が戻って自分のごはんが入っていた器をのぞく。「あれ～？全部食べたっけか？」というように首をかしげていた。
（ほほ～、ネコもあんなふうに考えるんだぁ・・・）と妙に感心。キュウは「私は知らないわよ」ってな顔で、大人ごはんは２粒ばかりかじって逃げてしまった。
小猿、キュウが去ったあとも自分の器をジーッとながめ固まっていた（笑）。