新「耳袋秘帖」シリーズ第三弾の妖談しにん橋。深川で、西国雄藩の藩士と石川島から戻ったばかりの無宿人が相次いで水死した。二人とも、死の直前に、三十間堀に架かる「四人橋」を四人で渡り、自分の影だけが消えたと言い残していた―。なぜ、影は消えたのか。そして、裏にうごめく悪の正体とは!
シリーズ第五弾の妖談へらへら月。年の瀬の江戸で、「そろそろ、月が笑う」と言い残して、突如、人がいなくなる「神隠し」が、頻発した。根岸は、同心の椀田と家来の宮尾、岡っ引きの梅次や、下っ引きのしめたちに、消えた人々の身辺を探るように命じるが、その陰では危険な動きが…。