シリーズ三,四弾。「浅草妖刀殺人事件」 刀屋ばかりを狙う盗人「おたすけ兄弟」が、近所の神社に金を隠すのを見た町奉行所の中間・与之吉は、娘の薬代にとこれを奪うが、やがて兄弟に嗅ぎつけられ、身の回りに危険が迫る。
「深川芸者殺人事件」 深川きっての売れっ子芸者力丸。南町奉行根岸肥前守鎮衛の恋人である。その力丸が、お座敷を控えていた料理茶屋から忽然と姿を消した。さらに、力丸に憧れる後輩芸者が殺される。力丸の身に何が起こったのか―。奇談集『耳袋』を書き記した赤鬼奉行根岸肥前が、江戸に起きる怪事件の謎を次々解き明かす痛快お裁き帖。