シリーズ第五弾と六弾。見習い同心の徳川竜之助は、スリの大親分のさびぬきのお寅から、知り合いの大店の主人の死に不審な点があるから調べて欲しいと頼まれるが、なかなか解決の糸口が見つからない。一方、かつて対決した柳生全九郎が、竜之助の身近を密かに調べつくし、再度の挑戦をたくらんでいた。
六弾は、江戸の一石橋で雪駄強盗事件が連続しておきた。金品を奪うわけでもなく、辻斬りをするわけでもなく、履き古された雪駄を奪っていくのだ。この奇妙な事件を担当することになった竜之助だが、事件の謎は深まるばかりだった。一方、新当流の遣い手が、葵新陰流に戦いを挑もうとしていた。