物語の背景にはやはり棄捐令がある。杮鮨に工夫を重ねていく主人公と、手先が器用な旗物家来の武家との親交が興味深い。武家の小西が鮨を切り分ける竹の包丁を切出す件りには、木工を趣味とする者として実感できるね。