10/19 全社最終日。
10時キックオフの3位決定戦に対して決勝は13時キックオフ。長めのインターバルを利用して昼食をとる。またまた無料のドリンクコーナーで今度はウーロン茶を頂いた。観戦に誘った職場の同僚は「いや、でもおもろいねー」と楽しんでいる。指導歴は長くても地域リーグ周辺の事情にはあまり詳しくないらしい。そんな彼が決勝を前に驚いていたのが東京都1部リーグ、東京23FCの監督。「うわ、アマラオや!!」とびっくりしている。ちなみに相模原の望月監督にははじめピンと来てはいなかったようだ。顔を見て「あー、あー、思い出した。でもすごいねぇ両方とも」という感じである。
その決勝戦は比較的静かに始まった。場内は相模原のサポーターのチャントで満たされている。はじめは東京23が14番山村の左サイド突破で攻め込もうとしているが相模原は分厚い守備で受け止めている。受けきったところで徐々に相模原が押し返しはじめた。いわゆる横綱相撲である。東京23の攻撃がすこしずつ単発になってきた。14番山村があるときを境にパッタリと上がらなくなってしまったがこれはテクニカルエリアに出ずっぱりのアマラオ監督の指示だったのかもしれない。結局スコアレスで前半終了。
ハーフタイム。今度はドリンクコーナーでファンタグレープをもらって飲む。「東京23の10番山本の動きはよっぽどなんか狙ってるのかもしれへんけどありゃイマイチや。でも17番田村がいろいろ仕掛けて崩そうとしてるね。地力は相模原が上やけどなんかあるねぇ」というのが同僚の感想。あとで彼のこの感想に「へぇ~」と感心させられることになる。
後半開始。いよいよ相模原の攻撃が激しさを増してくる。東京23は防戦一方になり最終ラインがズルズル下がってくる。テクニカルエリアからアマラオ監督が大きなゼスチャーで必死に修正を図っている。それでもなかなか打開できない。このエントリーの画像は前半のものだがずっとこんな感じだ。相模原の先制も時間の問題か?
ちなみに東京23のサポーターらしき人は見当たらなかったのだがアマラオ監督が現役を終えたFC刈谷つながりだろうか、小さな子供さんが「かりや、かりや」と声を出してスタンド内で遊んでいるのを親御さんが「このチームは東京っていうのよ」とたしなめている光景が見られたりする。だから東京23がピンチを凌ぐと「ふぅ~」というため息が相模原サポーターを除いたメインスタンドにこだまするようになる。判官びいきというのもあるだろう。
場内が延長を意識し始めた後半30分近く、突然試合が大きく動く。負傷の治療で中断した試合がドロップボールで再開され、右サイドへ大きくフィードされたボールを処理しようとして前へ出てきた相模原のGKとDFが一瞬交錯。正確にいえばお見合いだろうか・・・そこへ猛然と走りこみワンタッチでふわっとしたシュートを放ったのはまさしく東京23の17番、田村だった。「おおーーーー」と歓声に包まれるスタンドの中「な?やっぱそうやったやろ?」と同僚は笑っている。観客に「どや顔」というものがあるのならまさにこれだろう。
結局東京23が虎の子の1点を守りきり5試合全て無失点で優勝を遂げた。ピッチでは東京23の選手が喜びを爆発させ場内からは「アマラオ~」と歓声があがる。東京都1部リーグ。これは快挙といっていいだろう。初戦以外はすべて地域リーグ勢だ。
途中まで表彰式を観てほかの観戦仲間に挨拶し同僚と帰路につく。「やっぱサッカーってええなぁ。京都から転勤してきてウチに3号球しかあらへんねん。ちょっとイオンタウン大垣によってもらってもいい?5号球買ってくわ」ということで寄り道をした。指導者としてだけではなく今でも現役でプレーしている彼のハートに火がついたようである。僕の観戦者魂~臨時駐車場では「観覧者」と表記されていたが~にも再び火が灯った。やはりみんなで観るから楽しいんだと思う。