水がきれい、透明度が高い。でもふるさとの川には魚影が少なくなってしまったし、アオサもほとんど見えなくなっています。この時期楽しみにしていたアサリも全く採れないし、姿も見ることが出来なくなってしまいました。
また桜時期の瀬戸内では、おいしい珍味のシャコエビは20㎝以上にもなって赤い卵を一杯に孕み、本当に自慢のごちそうでした。今は、たまに小指ほどのものが超高価な値段で並べられているのを見るだけとなってしまい、残念でなりません。
近年のこれらの状況は、私の住むふるさと観音寺だけではなく、瀬戸内各地でも全く同様です。このことは、私たちの見ることができない自然界の何らかの大きな力によって、人間の住む環境が多分に左右されている気がしてなりません。
ふるさとの身近な川や海は、水がこんなににきれいになったのだから〝間違いなく、今まで以上に自然は豊かになっている!〟と疑わずに思って来ました。
ただ、自然が本当に良い方向に環境改善されているのなら、どうして魚や貝、アオサまでもが激減してしまったのだろうか-。
そんなことを考えていると、全国の稲作で広く散布されている〝ある殺虫剤系農薬〟と環境との関わりに関する以下のようなタイトルの情報発信(YouTube)に出会いました。
一つひとつを考えながら見ていると、現実との余りもの悪い一致に、目から鱗でハッとなりました。
⑴「ネオニコ系農薬・人への影響は」報道特集‥TBS系列のテレビ再録(約21分)
⑵「魚はなぜ減った?~見えない真犯人を追う」‥東京大学・山室真澄教授の講演(約150分)
⑶「ネオニコチノイド+マイクロチップのリスクを、農業家はどう考えるべきか」‥農業法人トゥリーアンドノーフ、農家と農薬や細かなマイクロチップとの付き合い方につ
いての対談(約25分)
これらの情報からは、魚介類の減少や怖い人体への悪影響について、何らかの関連があると考えられている昆虫殺虫剤系農薬(煙草のニコチンに似た農薬)を、科学的根拠を基に具体的・客観的に学ぶことができました。
➀1993年に販売や使用が始まったある殺虫剤系農薬によって、稲作での害虫をより簡単より効果的に駆除できるようになったが、その一方で、散布された水田や水田とつながる河川や湖沼や海で、流れて来て蓄積されたと考えられる農薬使用が原因で、自然の環境変化や魚介類の激減が全国規模で広まったのではないかと取り沙汰されています。
➁全国の水田で1993年以降約30年間使われてきたこの種の農薬の蓄積が、冒頭で述べたような極端な環境変化を招いて来たのではないか。また、日本の農薬規制が外国と比較して、極めて緩いことも、専門家からは指摘されています。
➂更に、この種の農薬の広まりは、厳しい農業経営(人手不足・効率化・農薬依存など)とも無関係では無く、日本の環境問題を一層複雑にしていることが分かりました。
「効率化を執るか、自然環境を執るか」―〝私たちはどちらを選べば良いのだろうか?〟に行き着くように思います。
(終)
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