太鼓台文化・研究ノート ~太鼓台文化圏に生きる~

<探求テーマ>①伝統文化・太鼓台の謎を解明すること。②人口減少&超高齢者社会下での太鼓台文化の活用について考えること。

太鼓台-分布の広がりと呼称、〝太鼓台〟は標準語か?

2019年03月28日 | 研究

           

伝統文化「太鼓台」の呼称は、決して標準語ではない。各地の太鼓台には、「ちょうさ・やっさ・だんじり・蒲団太鼓・四ツ太鼓・こっこでしょ‥」などさまざまな呼称があり、それらが脈々と伝承されている。太鼓台文化の歴史を重ねてきた各地でさえ、単に「太鼓台」と言っても、必ずしも通用するとは限らない。導入された当時の呼称が、今もなお脈々と息づいている理由については、

①蒲団を積み重ねたカタチ・屋根を載せたカタチ・素朴で簡素なカタチ(蒲団や屋根を備えない種々のカタチ)など、形態が大変多岐に亘り、各地の太鼓台では、大きさや装飾の程度が、今も、まちまちであること。

②太鼓台分布の核となる地方では、その地方に見合う形態が人々に好まれ、独立独歩のカタチが定着し、今も発展を続けている。裏を返せば、各地ではさまざまな形態の太鼓台が分布し、数多くの「地方毎の〝太鼓台〟」が存在しているということになる。

但し各地において、呼称がこのように煩雑すぎる状況では、広大な「太鼓台文化圏」に関する諸々の<謎・解明>を前進させることは、複雑で困難を伴うことが予想される。私は、素朴・小型の形態から豪華絢爛・大型の形態へと進化したのが、現状の太鼓台分布の実態であると考えている。そもそも過去から続く伝統文化というのは、各地独自の生い立ちや発展がありつつも、同時に各地同士で関連しあいながら寄り添い、重なりあって、はじめて歴史豊かな伝統文化へと昇華していくものだと思っている。

情報過多の現在でも、「太鼓台」は標準語とは言い切れない。しかし、さまざまな表記が息づいている〝単一の伝統文化〟を、私たちは〝太鼓台〟と呼ばず、一体どう呼んでこの誇れる伝統文化に向き合えばよいのだろうか。そのようなモヤモヤした気持ちを打破すべく、このプログで「太鼓台文化の謎」に迫りたいと思う。

★ここで言う〝太鼓台〟を定義しようとすれば、次のように表現できる。①大太鼓を垂直に積み込んだ、大型の祭礼奉納物であること。②その移動は、神輿のように舁棒にて担いで行なうこと。(舁棒の備わらない担ぐ形式のものも、過去には存在していた) ③太鼓打ち(主に子供、後には青年)が乗り込み、舁夫によって移動・運行すること。④近世期に、主とて大坂以西の西日本に広まった、祭礼奉納物の一形態である。(原則、東日本には存在しない)

★各地の古記録等に初めて「太鼓台」表記が登場した件に関しては、本ブログ中の「2019.4.19太鼓台表記の初見について」を参照いただきたい。

(終) 


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