最後の旅を始めよう

-黒の英雄譚・零-

開花の季節

2024年04月24日 | ツレズレ日記
豆苗のリポベジで植えたエンドウ豆ですが、
花が咲いて小さなさやえんどうも出来てきました。春ですね。






あとは、ナガミヒナゲシの花も咲いて綺麗ですね。


まあ、でも・・・
ナガミヒナゲシは外来種の雑草なうえ、
有害外来植物に指定している自治体もあるそうなので
勿体ないですが、このあと花は摘花いたしました。
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日本が起死回生する方法

2024年03月27日 | ツレズレ日記
昨今、日本に未来は無いとか、オワコンなどと言われ、
今後この日本がどうしたら盛り返せるのかという議論が日夜交わされておりますが、

私に言わせれば、皆さん複雑に考え過ぎだと思います。
細かいディテールを気にし過ぎると全体の形は見えなくなりがちです。
ならば、物事をもっとシンプルかつ記号的に捉える事で
対策の良し悪しを簡単に明示する事が出来る様になります。


具体的には、
【生産】を増やして【搾取】を減らせば良いのです。


これだけだと「どういうこと!?」と混乱する人が続出すると思いますので
懇切丁寧に説明させて頂きます。

まず、基本理念として、
人間の行いは、主に二つのカテゴリーに分ける事が出来ます。
一つは【生産】、もう一つは【搾取】です。

そして、
【生産】には、プラスの力が在り、世の中を豊かにする方向へと向かわせます。
逆に、
【搾取】には、マイナスの力が在り、世の中を衰退させる方向へと向かわせます。

何故そうなるのかと言えば、
仕組みは簡単で【生産】はプラスサムであり、【搾取】はマイナスサムだからです。

例えば、
人を褒める事は、【生産】属性と成る訳ですが、
これは、相手を良い気分にするというプラスの感情を生み出しており、
更に、自分の評価も上げる事になるので、少しだけ世の中を豊かにしたと言えます。
それに対し、
人を貶す事は、【搾取】属性と成ります。
もう、お分かりかとは思いますが、褒める時とは逆に
相手の気分を害し気分を損ねた上で自分の評価も下げるので少しだけ世の中を衰退させた訳です。

つまり、全ての行いに対して
【生産】と【搾取】どちらのカテゴリーに属しているのかを考え、
【生産】カテゴリーに属する事を積極的に行えば良いのです。

そう考えると、
よく「国がちゃんとしないからいけないんだ」と文句を言う人が居ますが、
これが如何に的外れな行動であるかお分かり頂けるかと思います。

残念ながら行政には【生産】は出来ません。
行政の主な仕事は『税金の取り立て』と『取締り』なので
国に仕事をさせるという事は、
【搾取】カテゴリーの行いをいたずらに増やすだけと成る訳です。

「だったら、行政ってなんで存在しているの?」
と思われる方も居られると存じますが、

実は、面白い事に
【搾取】カテゴリーのものに【搾取】をぶつける事で
これを衰退させる事が出来るのです。

例えば、
盗みや暴力といった過度な【搾取】カテゴリーの行いに対して
法律で犯罪であると定義し取り締まる事で抑制できるといった感じです。
こうして行政は社会の安定を実現している訳です。

この様に【生産・搾取】理論で考えると、
国政は、衰退を避ける行動は出来ても、豊かにする行動はとれないのだと分かりますよね。

「じゃあ、生産が出来るヤツは誰なんだよ?」
という疑問を持たれるかと思いますが、

それが出来るのは、まぎれもない、アナタ自身です。

何かを作る仕事をしていれば、それがもうそのまま【生産】ですし、
勉強や調べものをして知識を増やしたりするのも【生産】カテゴリーの行動です。
なんなら、出会った人に挨拶するだけでも【生産】と言えるでしょう。

つまり、これからの日本を良くする為には
一人一人が、【搾取】カテゴリーの行動を控え、
【生産】カテゴリーの行動を積極的に行っていけば良いわけです。

そうすれば、日本は必ず盛り返せるでしょう。


すごく身も蓋もない言い方ではありますが、

日本衰退の原因の一つとして
「日本人が国に無駄に期待して、国が無駄に頑張ってしまった」
事にあると考えられます。

消費税の増税なんかも、
この「生産・搾取」理論で考えれば、
【生産】カテゴリーの消費に、【搾取】カテゴリーの税金をぶつける訳ですから
これが、いかに悪手であるか分かりますよね。

それであれば、
消費税を減額するためのクラウドファンディングみたいなものを立ち上げて、
集まった額だけ消費税が減額されるシステムを導入する方がよっぽど良いでしょう。

寄付者は、世の為人の為にお金が使えて嬉しい。
政府は収入が増えて嬉しい。
その上、消費が抑制されずに経済が活発化して、
三方良しの得策になると思います。


ちなみに、
“消費”と“生産”は対極にあるという認識が一般的かと思いますが
【生産・搾取】理論で考えた場合は【生産】カテゴリーに含まれます。
消費は人間の満足を生み出しているという考え方です。

例えば、パンを食べて消費した場合、
パンは存在しなくなりますが、その代わりに食べた人は命を長らえる事が出来ます。
そうすれば、その人は長らえた命で、生産的な行動を行い
社会の前進に寄与する事が出来るでしょう。

ただし、この消費行動も
物を法外な値段で売り付けたり、安く買い叩いたりしてしまうと
【搾取】カテゴリーと成ってしまうので注意が必要です。
お互い思いやりをもって「有難う」と言い合える取引が良いですね。
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春の庭にいでて若菜摘み

2024年02月29日 | ツレズレ日記
今の季節は、若菜食べ放題で良いですよね。
うちの庭でも様々な若菜が摘めて食卓を彩ってくれます。


それでは、その中のいくつかを、ご紹介しましょう。



ハコベ
春の七草としても有名なだけあって、癖も無く非常に食べやすいです





ミチタネツケバナ
独特な香りがほのかにして、香味野菜としても優秀です





オランダミミナグサ
生で食べると細かい棘が舌に刺さるので注意
芽吹いたばかりの新芽をちゃんと火を通して食べると美味しく頂けます





ノゲシ
タンポポに似た苦みとゴボウに似た香りが楽しめます





ナガミヒナゲシ
毒があるそうですが、食べても特に問題なさそうでした
ただ、なんとなく、また食べたくなる魔力がありますね・・・





ヒメオドリコソウ
蜜が吸えるので有名な草ですが、新芽も普通に食べられます





シラホシムグラ
服にくっつくので有名な草ですが
西洋では古くから浄化のハーブとして使われていたそうです






「・・・全部、雑草じゃねーか!」

と思ったアナタ・・・




正解です!!




庭の雑草は夏になる前に
ある程度は除去しておかないと大変な事になりますからね。

草むしりと一緒に、食材も集まれば効率的です。
というわけで、雑草さん達は、すいとんに練り込んで食べさせて頂きました。



雑草と小麦粉とめんつゆだけで作れる超コスパ料理ですね。


あと雑草は、チャーハンにすると
特有の苦みや青臭さが気に成らなくて美味しく食べられる気がします。


※雑草を食べる際は、くれぐれも気を付けて自己責任でお願い致します。
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ChatGPTでゲームが作れるのか検証してみた

2024年02月27日 | ツレズレ日記

AI進化の目まぐるしい昨今ですが、
ChatGPTに頼むとゲームのプログラミングもしてくれるという事で
試しに、マインスイーパーを作ってみました。



↓成果物
マインスイーパー





JavaScriptが、全く分からないところからでも
ここまで出来るのですから凄いですね。

最初は、シンプルなものが作られて、
こちらが足したい機能を伝えるとそれを足していってくれるという感じで
本当に、優秀なプログラマーがアシスタントしてくれている感じでした。

あと、10年もしないうちに
企画書を投げたら、そのままゲームが出来上がってる日が来るかも知れませんね。




とはいえ、現状では、ある程度プログラムの知識があって、
ChatGPTが吐き出したものの内容をある程度把握出来ていないと
的確な指示が出来ないので、本当に何の知識も無い人だと厳しいかも知れませんね。

でも、逆にJavaScriptの勉強をしたい人であれば、
すごく効率的な学習方法な気かしますね。
何しているのか解らないコードは、ChatGPTにそのまま投げて質問すれば
丁寧に解説してくれるので、簡単に独学出来てしまいます。





・・・まあ、10年後には要らなくなっている知識かも知れませんが・・・


AI・・・怖ろしい子っ!
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キングオージャーに見る王様に必要な資質について

2024年02月25日 | ツレズレ日記
『王様戦隊キングオージャー』一年間お疲れさまでした。
特にCG班の皆様は本当に大変だったのではないかと思います。

異世界ブームの昨今ではありますが、
まさか特撮ヒーローでそれをやるとはかなりの挑戦だなとは思いましたが
無事に最終回を迎えられて何よりです。

制作前は、LEDウォールを使う事を押し出しておりましたが、
殆どグリーンバックを使用していた事を考えると
やはり、いろいろと難しかったのですかね?
良い感じのライティングが出来ないと、どうしても不自然な感じになってしまいまそうですからね。


さて、前置きが長くなってしまいましたが・・・

キングオージャーを最後まで観て感じたのは、
王様にとって最も必要な資質は「愛される力」だなと思いました。

どんなに強大な力を持ったダグデドであったとしても、
自分勝手な事ばかりしていると、民の反逆にあい最後には討ち滅ぼされてしまう。
歴史上の名立たる王達の最後も臣民に愛想をつかされたのが原因である事が多い様に思います。

逆にキングオージャー側の王様達は、
国民達からの「信頼」と「協力」があったおかげで
『超絶怒涛究極完全体キングオージャー』を作り出す事が出来た訳ですし、
その「信頼」と「協力」源泉こそ、
一年間、頑張ってきた事で得られた国民からの「愛」そのものだった様に思います。


思えば、「王様」なんてものは、
所詮は偶像崇拝の虚構に過ぎないものなのですよね。

ちょっと前に流行った、
ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』では
ホモ・サピエンスは「認知革命」によって「嘘」を信じる力を手に入れ
「協力」する事が出来る様になったとされておりますが、
この「嘘」は、宗教的な「神」とか「奇跡」だけではなく、
「国」だとか「権威」だとか「身分」といったものも含まれるのではないでしょうか。

「王様」というリーダーを皆が信じる事で、
多くの人間が協力して大きな力を使う事が出来る。

「会社」であれば「給金」で人を働かせますが、
「王様」は「この人の為に働きたい」という善意で働かせる訳ですから
それだけ多くの人々に、強く愛されなければ成り立たない
とんでもない職業なんだなと改めて感じました。

それが、たとえ偶像崇拝の虚構であったとしても
「国」というものを支える根源的な力は、人々の献身という
「愛」そのものだという事を、この作品から学びました。


もし、世界征服をしようという秘密結社の方は、
世界中に「愛される力」を求めてみるのは如何でしょうか。
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二人の才女

2024年02月15日 | ツレズレ日記

今期の大河ドラマ『光る君へ』第六回「二人の才女」にて、
遂に、紫式部と清少納言がエンカウントしましたね。

オープニングの出演で、
『ききょう役・ファーストサマーウイカ』と出たときには
「え?外人さんでも出るの?」・・・とか思いましたが・・・
清原元輔の娘(清少納言)が「ききょうと申します」と自己紹介していて
「お前かよっ!」と成りました。

どうやら、このウイカさんは、
元アイドルだった為、芸名が奇抜なだけで、生粋の日本人みたいです。

そんな感じで、清少納言の名前は「ききょう」という事で
紫式部同様にドラマオリジナルの名前を使う感じなのですね。

まぁ、「香子」も「諾子」も一説にしかすぎないので
ドラマオリジナルでいった方が、むしろ無難だという事なのでしょうか。


それはさておき、
「実際の清少納言なら漢詩の会なんて絶対に参加しないでしょ。」
と思いながら見ていました。

いくら漢詩が好きとはいえ、顔出しで人前に出られるような人では無いですし、
興味があったとしても、御簾の隙間から垣間見るくらいが関の山でしょう。

逆に、清原元輔は、凄いそれっぽい感じでしたね。
娘を諫める様とか、実際の元輔も同じ感じだったのではないかと思わせる解像度の高さでした。

この『漢詩の会』自体は、
道隆・道長兄弟を始め、公任、斉信、行成、とオールスターそろい踏みで
枕草子ファンには、たまらないシチュエーションで、
この贅沢な画を撮りたいのであれば、まあ、性格の解釈違いも致し方無いかも知れませんね。



あとは、この作品でも、
「紫式部と清少納言は仲が悪い」という設定なのですかね?

紫式部日記のせいで、すっかり不仲が定説みたいになっておりますが、
実際の二人は、もっと仲が良かったのではないかと、私はにらんでおります。

紫式部日記では、以下の様に書かれておりますが…

”””
清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人。
さばかりさかしだち、真名書き散らしてはべるほども、
よく見れば、まだいと足らぬこと多かり。
かく、人に異ならむと思ひ好める人は、かならず見劣りし、
行末うたてのみはべれば、艶になりぬる人は、いとすごうすずろなる折も、
もののあはれにすすみ、をかしきことも見過ぐさぬほどに、
おのづからさるまじくあだなるさまにもなるにはべるべし。
そのあだになりぬる人の果て、いかでかはよくはべらむ。
”””

本心というよりは、世間ウケを気にした様な内容ですし、
その中にも清少納言の漢字の知識や機知に富んだ言動を認めており
憧れすら持っていたのではないかと思わせるふしが見てとれる様に感じます。

「得意げに漢字なんて使っちゃって!」と言いながらも、
自分も源氏物語を漢字を使って書いている訳ですから、
恐らく本心からの言葉では無いと感じます。

清少納言は、道長陣営と仲が良かった様ですし、
それによって嫌がらせされて、実家に引きこもっていた事を考えると
紫式部もまた、自衛の為に、この日記を書いたのではないかと思います。

逆に言えば、
そんなふうに仲が悪いアピールをしないといけないくらいには、交流があったのではないでしょうか
歳も近く、稀代のインテリオタクどうしですから自ずと気が会うのは普通だと思います。

紫式部日記の行間からは、
清少納言の「女らしさ」というステレオタイプに縛られず、
男とも対等に渡り合う姿に憧れる気持ちが読み取れる様な気がします。
幸薄代表みたいな紫式部から見たら、
派手好きな清少納言は、輝いて見えていたとしても、おかしくないでしょう。



あと、紫式部はレズビアンの気もあった様ですので、
そっちの方向での憧れもあったかも知れませんね。。。




ちなみに、
光る君へに出てきた衣装っぽくアレンジしたらこうなりました。




※関連記事
超訳古典4コマ『枕草子』
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BLACKより新年の挨拶をこめて 2024

2024年01月01日 | ツレズレ日記
あめまして
   おめでとう
      ございます。


新年も、
この限りなく不定期に更新されるをこのブログをヨロシクお願い申し上げます。
m(_ _)m


辰に因んで上昇の年にしたいですね
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『ゴジラ-1.0』と『ザ・クリエイター/創造者』の感想

2023年11月04日 | ツレズレ日記
『ゴジラ-1.0』と『ザ・クリエイター/創造者』を
走子して来ましたのでその感想を書いていこうと思います。

二本続けて観た感想としては、
「やっぱり戦争って嫌なものですよね」というところと
「現在のCG技術は本当に凄いな」という感じでした。
そして両映画とも、その技術と対照的に
ノスタルジー演出を強く押し出しており、なんだか不思議な感覚でした。

ストーリー等へのツッコミは、ネタバレ防止も兼ねて
今回はあまり深く言及するのを止めようと思います。


『ザ・クリエイター/創造者』

『GODZILLA ゴジラ』の監督、ギャレス・エドワーズ作品という事で
『ゴジラ-1.0』と一緒に見るにはもってこいの一本でした。

AIがテーマの作品という事で
技術の進歩とそれに追いつけない人類の感情との摩擦みたいなものが描かれるのかなと予想しておりましたが
むしろ、難しい学術的なものはあまり描かれず、魔法レベルまで進化した科学が生みだした
近未来ファンタジーの世界観をどれだけ描けるかという感じの作品でした。
どういう仕組みでそうなっているんだ?とか考えてはいけないタイプの科学ですね。
ドラえもんのひみつ道具と同じ原理です。

あと「ノマド」がカッコいいですね。
常に地面をスキャンしているところとか、こういう演出もあるのかと感心させられました。
その脅威のスケールもデカく作られており、ラスボスとしても怪獣としても満足させてくれます。


『ゴジラ-1.0』

山崎貴監督がゴジラを作るという事で、三丁目の夕日の中にゴジラが出たときから
ずっと「来るのでは?」といわれていた作品が満を持してやって来た感じですね。

全体的には『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』の世界にゴジラが迷い込んで来たという雰囲気でしたが、
第一作オマージュがそこかしこにあり、生粋のゴジラファンも満足して貰えると思います。
一番の発明は、時代を第一作よりも過去にする事で、初代サイズのゴジラでもちゃんと迫力のある画が撮れる上に
電車に噛みつくゴジラをやれたのには、心の中でスタンディングオベーションをしておりました。
山崎監督、ゴジラこんな好きだったんだ・・・と思わせてくれるゴジラ愛が詰っておりました。

あとは山崎監督特有のクサい感動ドラマも、すごく邦画っぽさが出ていて、
往年の怪獣映画や、シンゴジラ、モンスターバースシリーズとも全く違った
まさに、第一作を現代技術でリバイバルしたという感じでフルCGにもかかわらず
ゴジラらしさが全快に押し出された良作だと思います。
正に、誰が見ても楽しめる映画でした。

シンゴジラが記憶に残るゴジラなら、
ゴジラ-1.0は記録に残るゴジラに成るかも知れませんね。
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山形の空は広い

2023年09月07日 | ツレズレ日記
    
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『君たちはどう生きるか』スタジオジブリの最終章

2023年07月14日 | ツレズレ日記
『君たちはどう生きるか』

恐らく、本当に宮崎駿の最後の長編だろうと言われる作品ですが、
その割に全く広告を打たず、ビジュアルもアオサギ男の顔のみという

まさか、最後の作品で、こんな実験的な事をやってくるとは
ビックリなカードを切ってきたので、逆に気に成って見に行ってしまった口ではあるのですが

確かに、この作品は前情報無しで見るべき作品でしたね。
それ故に、鑑賞者が一人一人、全く違った受け取り方が出来る作品なのかなと思います。
むしろ、宮崎作品に触れてきたアナタに、その最後のエンディングを飾る権利を
譲渡してくれている、その為の施策だったのかなと感じました。



さて、ここから先は
そんな権利を私なりに行使させて貰いたく思いますので、
ネタバレNGの人は勿論、まだ観ていない人は、映画鑑賞後に読む事をお勧め致します。

私に、とってのこの作品は、
一つの『答え』を見せてくれた作品でした。

この作品やっている事は『二ノ国』と同じだという事に気付いたのですよね。
それが意図したものなのかどうかは解りませんが
(恐らくそんな意図は全くないと思いますが)

設定や構成が凄く似ていて、それ故に「これ二ノ国じゃないか?」と気付いてからは、
「宮崎駿が二ノ国を作ったらどうなるのか?」という興味で私はいっぱいになりました。

そして、
否応も無く、その実力差をまざまざと見せつけられました。
演出や映像美のクオリティは言うまでも無く、
死んだ母親との邂逅や、母を失う運命と向き合う主人公の成長の描き方。
もう全てにおいて、天才の実力がそこにありました。

あの日、手探りながらにも、ゲームでジブリの再現を試みて、
でも全く寄せられる気がせずに藻掻いていたあの日々が蘇りました。
常に頭の片隅にあった「これ宮崎駿監督ならどう描くのだろう」というクエッションの
アンサーが、今、目の前に展開されているのだと思うと、
筆舌にし難い複雑な感情の波に襲われ、
恐らく人生で初めて体験する、おおよそ私にしか味わえないであろう
感動をもたらしてくれた作品でした。

さしずめ、コペル君がおじさんから貰った手紙の
あの感覚を、私自身に向けられた手紙として宮崎駿から受け取った感じかもしれません。

もし観客の一人一人が、この手紙を受け取っているのだとしたら
こいつは、とんでもない作品なのではないかと改めて感じさせられました。


あと、もう一つ、
今回、劇場公開記念として、金曜ロードショーの三週連続ジブリ映画のラインナップ、
映画を見る事で、その秀逸さを改めて感じさせられました。

『風の谷のナウシカ』『コクリコ坂から』『もののけ姫』

この三本な訳ですが、ナウシカと、もののけは、まあそうだろうなという感じですが、
何故か、公開初日にあたる日に宮崎駿作品では無いコクリコ坂が選ばれたのか
ずっと不思議だったのですが、

なるほど…
これは、もう、コクリコ坂しか考えられない内容でしたね。


恐らく、石の世界は宮崎駿が構築してきた
ジブリブランドそのもののメタファーで、
積木は、それを保つ為の努力が形となったものなのでしょうけれど

それを引き継ぎたいと思った相手からは「自分にその資格はない」と断られ
利権だけが欲しいインコキングが横から無理やり積木を組んだ事で
石の世界が崩壊して終わるという、なんとも物悲しい結末な訳ですが、

この積木を宮崎駿以外が組んで、ちゃんと良作として世に出た
『コクリコ坂から』を、このタイミングで見られる事は、
石の世界にとっての最後の希望にも見える気がするのですよね。


まあ、私はインコキング側で、歪な積木しか組めなかった人間ですので
なんかもう、見ているだけで申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、

でも、最後石の世界の崩壊後、そこに囚われていた鳥達が
外の世界に飛び立っていく姿を見て、
駿さんは、ジブリブランドに固執するのではなく、
そこから解放されて、各々が羽ばたいていって貰いたいという
メッセージにも感じられました。

映画の前のCMに、スタジオポノックの最新作が流れたのも
この演出の一部なのではないかと思える程ですね。


このまま、ジブリブランドが崩壊してしまうのも勿体ない気はしますが
その技術は思想といった遺伝子は確実に日本の、そして世界のアニメ作品に
脈々と受け継がれるであろう事は確かでしょうから
そこまで悲観する様な事では無いのかも知れませんね。

一つの歴史が終わりを迎えたとしても、世界はまた新たな歴史を紡いでいく
生き方こそがクリエイティブであり、その影響を受けた全てのクリエイターが
その後継になりうる、そんな、日本の、そして世界のクリエイティブが
まだまだ、広がっていく余地があるのだという、
ワクワクする様な感覚をくれる作品でした。

私も、微力ではありますが、頂いたアンサーと、新しいクエッションを胸に
「どう生きるべきなのか」という答えを、探し続けたいと思います。
スタジオジブリというアニメ史を大きく動かした存在を胸に抱いて。


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