最後の旅を始めよう

-黒の英雄譚・零-

パルスのファルシのルシはパージだ!!

2010年03月22日 | ツレズレ日記
 パルスのファルシに選ばれたルシは、
 コクーンからパージされなければならない…
 ルシは使命を果せなければシ骸に、
 果たせたとしても、その先に待つものはクリスタル。
 運良くパージを逃れたとしても、
 追われる身と成った彼らの前にある未来は希望か絶望か…
 そして、あの召還はどう見ても
 ディケイドのファイナルフォームライドにしか見えn…


と、言う訳で、
遅ればせながらFF13に手を出してみたので、その感想でも…
(ネタバレ注意!!)


考えてみたら…、
FF7以降FFシリーズには手を出していなかったので、
私にとって今作は久々のFFでした。
(FFTは、やりましたケド…)

まあ、
あれですね…

久々にやると色々変わってる所があって
数年ぶりに故郷に帰ってきたら昔の面影が無くなっていた…
そんな気分にさせてくれました。

まず、仲間が戦闘以外でついて来るのはビックリでした。
「ついて来るのがDQで、主人公のみ表示がFFだろ!!」的なイメージは、
もはや、古いのですね…

あと、
ストーリーや大事な出来事は全部メニューから確認できるように成っていました。
村の人々に話を聞きまわって今何が起こっているのかを調べる作業なんて
もうすでに、前時代的なのでしょうか…

他にも、
飛空挺が無かったり、
パーティーキャラが一人は必ず死ぬFFが今回に限って一人も死なないという…
「スノウかファングあたりが死ぬな…」と予想してた私にとってはビックリでした…

なんか、もう変わりすぎていて
私のFFのイメージでは付いていけない感じに!?



でも、やっぱりFFは凄いです!!

今作のライティングと質感はPS3の中でも群を抜いて居るのではないでしょうか。
とりあえず、リフレクション(写りこみ)をリアルタイムレンダーで実現していたり、
特にテージンタワー内部の青のライティングは目を見張ります。
白いモンスター等はとてもCGとは思えず。クレイアニメかと思うくらいリアルに見えます。
それでも、モデルは割とローポリで、ゲームモデルとしては本当に理想的な作りですね。

空気感等も、リアルを追求はしているのですが、
ファンタジーな面はしっかりと残して幻想的な世界が広がっています。
本当にどうやったら、こんな世界が作れるのか…

どこかの、
白いヤツの第二部でもこのくらい出来るようにならないかなぁ…




かくゆう今作は、ゲームパートがあまり評判が良くないようで…
一本道で、前に進んでストーリーを観ていくだけだとは聞いておりましたが、

・・・まあ、だいたいそんな感じでした。
(なんか、ずっと終わりの無いダンジョンを進んでいる感じ…)

でも、
近作の戦闘システムは中々斬新で、
FF特有のゲージシステムをこう使うか!!というところから、
それによってアクティブに変わる戦況に応じた作戦(オプティマ)を瞬時に切り替えていく等
奥の深い戦闘システムに仕上がっております。

ゲーム雑誌のインタビューでも載っていましたが、
近作は戦闘と物語で魅せる作品だと言う事で、ゲーム性の殆んどを戦闘に裂いてあるなと感じました。

1戦闘のウェイトが高く、どうしたらそのモンスターを倒せるのかを考えないと、
雑魚モンスターにも簡単にやられてしまいます。
通常戦闘とボス戦との違いは時間が長くなるか否かくらいで、
たとえボスを倒せても雑魚にはヤラレルなんて事が普通に起きます。

本当に奥が深いです。

そんな、複雑な戦闘システムも、ストーリーを進めていくうちに、
一つ一つ要素が増えていくように成っており、
解りやすいところから序々に慣れて最後には十分に使いこなせるように成ります。

まあ、アレです。
本編は完全に長いチュートリアルって感じです。


ただ、やっぱり、
ゲーム性が戦闘とストーリーしか無いのは、捨てすぎだったかも知れませんね。
この戦闘システムを好めない人や、シナリオをそこまで重視してない人にとっては、
目的も無く道なりに進むだけですから…


一応、チョコボにも乗れたりするのですが、
隠し要素性が強くてクリア後に気付く感じでした。
折角システムがあるのですからストーリーに組み込んで最初から使えるようにすれば良かったのにと思います。


なんか、最後は批判的な流れに成ってしまいましたが、
FF13は、けして悪い作品だと言うわけではアリマセン。

あえて新しい試みとして、こういう形態をとったのならば、
その挑戦は評価に値すると思いますし、十分楽しませようという努力は感じられます。
グラフィックやサウンドもコレまでの作品を十分超えていると思います。

せめて、
もう少しユーザーに目的を持たせることが出来たら、
もっと高評価な作品に成ったかもしれません。


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3D映画『やさいのようせい N.Y.SALAD』・レポート

2010年03月19日 | ツレズレ日記
『やさいのようせい N.Y.SALAD』は、NHK教育で放送された5分アニメ作品。



本作品は、
FFのキャラ原画でもお馴染み、天野喜孝さんの画集「N.Y.SALAD」のアニメ化をコンセプトにしており、野菜をモチーフにした妖精達がニューヨークのとあるキッチンを舞台に「遊び」や「冒険」といった日常を描いたものです。


今回、この『やさいのようせい』が日本発の3D映画として、
劇場版『やさいのようせい N.Y.SALAD The Movie』の題名で上映される事となり、
観賞に行ってきました。


構成としては、
テレビ版の3話「妖精たちの目覚め」「モルドレイス」「はっぱのそり」が
プロローグとして上映され、
その後、映画オリジナルのストーリーが上映されます。
テレビ版のものを入れても全尺35分の短編映画と成っています。

個人的な所感としましては、
特殊な描写のトゥーンレンダーの描写のクオリティーに感心いたしました。
この作品の特徴の一つが、3DCGの描写が特殊なトゥーンレンダーによって
3DCGでありながら鉛筆で描いたような描線と、水彩画を思わせる彩色で、
手書きのあたたかみを表現した作風なのですが、
地面に落ちる影が鉛筆で塗った様な描写に成る等、その表現にはこだわりを感じました。
この手書き描写とS3Dの立体感とを同居させるのには相当苦労したのではないかと思います。
又、S3Dを、より効果的にみせる為に普段は殆んど白だけの背景も、
多量のオブジェクトなどで、いつもより格段に情報量が多く作りこまれていました。
そのあたりもS3Dを意識した造りを感じました。

しかし、
やはり本来の平面風を目指した手書き風トゥーンレンダーとS3Dの同居には難しい面もあるようで、違和感の在るシーン等も在りました。
ただ話題を作るためのS3Dではなく、S3Dで何を見せるかをもっと考えて作るべきであったのではと思います。
また、全体的な構成や物語の流れが間延びしたように感じられました。
従来の5分という全尺を、無理やり20分に伸ばしたような印象を受けます。
S3Dは従来の2Dよりも情報量が多い為、従来の5分のテンポでは早すぎる感じはあるのかも知れませんが、それにしても無駄なシーンやいやに長く感じるカットが多かったと思います。

映画ならではの、特別感を出す努力は多々見られましたが、
S3Dでの表現が100%活かされずに終わってしまったのが残念に感じました。
無理に、S3Dにこだわらず、テレビ本編のように尺が五分の作品を、
共通のテーマに絞ったシリーズとして四本作った方がより楽しめる作品に成ったのではないかと個人的には思います。

最後は批判的な流れに成ってしまいましたが、
S3Dのような新しい技術への挑戦は、評価に値すると思いますし、
劇場作品としてのクオリティーには十分、達したものに出来上がっていると思います。

以上、『やさいのようせい N.Y.SALAD The Movie』の観賞報告とさせていただきます。
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【04】

2010年03月01日 | その他

「もしも、この世界が完全な良心で満たされたのなら、
世界はほんとうに幸せで満たされるのだろうか?」


ACT_00



 ガシャッ、 ガシャッ、 ガシャッ、…




 星一つ無い夜。
深夜を過ぎた、誰も居ない裏路地。

薄暗く道を照らす街頭、その規則的な立ち並びが、ある一角で途切れると、
その先は闇に飲み込まれ、どんなに目を凝らしてもその先を知る事は出来ない。

そこは、“静寂”と“闇”が支配する世界。


耳が痛くなるほどの無音。
時折、どこか遠くから聞こえる救急車のサイレン、


それだけが唯一のノイズ…




だが…、 この日は違った。

…ソレは、日常で聞きなれない音を微かに響かせる。


 ガシャッ、 ガシャッ、 ガシャッ、…

金属音…
それも一定のゆっくりとしたリズムを刻みながら
だんだんと近づいてくる…


 ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ、…


ヒトではない…

人の形をしてはいるが、“ソレ”が一歩、足を踏み出す度に
冷たい金属音が、路地に響いては闇の中へ溶け込んでゆく。












ふと…、
雲の切れ間から一瞬、月が地上を照らす。
その淡い光は“ソレ”の姿を闇の中から切り離した…


“ソレ”は、月明かりを鋭く反射し、その硬さを物語る。

金属のプレートで出来た皮膚、
その隙間からは、張り巡る配線が見てとれる。

全身を無機物で作られた人間・・・
正に、その姿はキカイであった…





ACT_00'

「良心回路」

それは人ならざるもの、
つまり、人造人間≪アンドロイド≫に対して、
自分自身の判断によって善行と悪行を区別し、
悪意を持つ人間の命令を拒否する為に作られた回路だ。

しかし、作成者である、
天才ロボット工学博士、光明寺の手によっても
不完全な形でしか実現は出来なかった。
そもそも、完全な良心など、この世には存在しないのだ。

だが、この良心回路は、ある意外な形で完成する事となる。

良心回路と全く反対機能を持つ、全ての命令を忠実に遂行する為の回路
「服従回路」と繋がった時、それは生まれたのだ。

良心への絶対服従。

それが、可能にしたのだ。
友達を騙す事も、兄弟を殺す事も出来る
「悪の心」を生み出すことを。

その事に、気が付いた 森 光一郎 は、
生まれて初めて恐怖と言う感情を感じた。
それは、自分自身に埋め込まれた良心回路が送る警告なのだろうか。

皮肉な事に「良心回路」は「悪の心」を得る事で完成する。

だがそれは、同時に、
「悪魔」を生み出すことに他ならない。

もちろん、
「人類」にとっての「悪魔」である。

「知らせなければ…」

森 光一郎 は、そう思った。





ACT_01

「ねぇ、まだぁ?」
「うーん、マミちゃん、もうちょっと待ってね…」

シローの作業は、先刻から進む気配が無い、
それどころか、せかされた事でより混乱を極めている。

彼はずっと、この星空の下
天体望遠鏡と格闘していた。



初めこそ、
早く覗いてみたい一心で、シローの周りをぐるぐる回って
セッティングをする彼の背中を見ていたマミだが、

作業がちっともはかどらないと解ると
もって来たレジャーシートの上に座り、
この、焦って望遠鏡をいじる青年の姿を眺める事にした。


さっきまで雲っていたとは思えないほど
今は満点の星空が、マミの頭上に広がっている。

都会では見られない、その幻想的な夜空を、マミは仰いだ。


「きれい…」


丘陵の上から見る夜空、それは眼前に広がる一大パノラマ。
あの、望遠鏡で覗いたらこの星空はどんなふうに見えるのだろう。

無数の星が手に届きそうなくらい目の前に広がるのだろうか?
むしろ視野が狭まってしまい、こんなにキレイな夜空は観ることはできないかもしれない。

でも、今のシローの姿を見ると、
その答えを知る事は、今夜は出来そうに無いようだ。




夏休み。
毎年、田舎の祖父の家に遊びに行くのが、マミの恒例行事であった。
両親は仕事が忙しくて、一緒に来られる方が少ない。結局、今年もマミ一人だ。

小さい頃は、両親と別れて過すのが、とても不安で寂しくもあったが、
最近ではもう慣れてしまった。
流石に、小学校の高学年だ。いつまでも子供という訳ではない。

それに、一人で家に居るよりも祖父の家に居た方が
何倍も面白いと最近は思える様になっていた。



マミの祖父は、地元でも変わり者で有名だった。
それというのも、一風変わった趣味のおかげだ。

自称『発明家』そう祖父は胸を張って名乗っている。

…と、言っても、そんなたいしたモノではない。
便利なんだか不便なんだか良くわからないモノを作っては
近所の人に試しに使ってもらったりしている。

マミも、遊びに来る度にその芸術作品を、
色々と自慢されるのだ。

だから何時でも、
家の中は趣味で作ったヘンテコな発明品がいっぱいに溢れかえっている。

かくいう、目の前の望遠鏡も、その発明品の一つだ。
祖父曰く「シローでも使える超簡単仕様の望遠鏡」だそうだ。
どうやら、今回も失敗作の様である。


しばらくしてマミが星空から地上へ目線を落とすと、
シローはいまだに望遠鏡と格闘している。

こんなに綺麗な星空がすぐ真上にあるというのに…


「もう、いいよ、シロー兄ちゃん。宿題は望遠鏡が無くてもできるからさ。」



「星の観察」は夏休みの宿題だった。
北極星を中心に回る北斗七星とカシオペア座の動きを一晩観察するという課題だ。
(一晩といっても小学生の宿題なので夜の11時くらいまでなのだが…)
折角だから、是非田舎の空気が澄んだ空でその宿題をしたい旨を祖父に伝えると、

「おお、じゃあ、観測所の在る裏山がいい。
あそこは邪魔な明かりがまったく無いから特に良く星が見られるぞ。シローに車を出して貰えば直ぐだしな、
そうだ、丁度、昔作った天体望遠鏡がある筈だ。ちょっと見てこよう。」

…と、妙にはりきって奥から望遠鏡を出してくる、

 …が、

コレが意外と重かったようで、
持病のギックリ腰を再発してあえなく留守番と成ってしまった。

それで、
結局シローと二人で今ここに居るという訳だ。



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