←次段
前段→
この段では、
「舎人の顔のきぬにあらはれ、まことにくろきに、しろき物いきつかぬ所は」
というところを、舎人の白粉の事であると訳されている事が多いですが、
これが、いま一つ私の中ではしっくり来ませんでした。
ただでさえ狭い隙間からわずかにしか見えない様な顔なのに、
その化粧の乗りについてなんて、なぜ詳しく描写出来るのだろうと・・・
しかし、白馬の節会について調べた際に、
葦毛の馬の画像を見たとき、その毛並みの黒と白の混ざり方が
まるで本当に雪と泥とが混ざったときのあの色味であったのを見て
ああ、もしかして清少納言はこっちの事を言いたかったのではないかと思い
そちらを採用させて頂きました。
きっと、馬が跳ねるのと、雪の溶けた泥水が跳ねるのと
どっちも牛車の中等に引いてしまって見えないというのが
上手く掛かっていて面白いところなのかなと思います。たぶん。。。