セトゥーバルの対岸にあるカランケージョ村には小さな漁港、というより船着場がある。ちょうど引き潮で港全体が干上がっていた。一面に泥の海が広がり、セトゥーバルでは見られない風景に驚いた。泥の縁に奇妙な花、シスタンシェ・フェリパエアが咲いていた。船着場の入り口で、なにか異様な声がさきほどから聞こえていた。その声にひきつけられるように近づいていくと、コンクリート製の小屋にたどり着いた。そこでは獲ってきたばかりの魚の競りをやっている最中だった。競売人が競売用の独特の節回しで叫び、購買者が数人で競り落としていた。こんな場所を見るのは初めてだったので、あつかましく中に入ったが、拒否もされなかったので、お終いまでずっと見ていた。競り物は小型のカレーと舌平目、モンゴイカ、それに鰻が数匹。
鰻はこの村の名物料理だ。といってもすこぶる簡単な料理。鰻をぶつぎりにしてジャガイモやトマトなどと一緒に煮込んだ鍋料理。近くの食堂で食べたが、硬くて少し泥臭くて、あまり美味しくなかった。
シスタンシェ・フェリパエア Cistanche phelypaea
ハマウツボ科、ニクジュヨウ属、寄生植物、地中海沿岸地域原産、浜辺の湿地帯に生育
2014年4月21日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、
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