表紙
奥付
原本は刀江書院版(1930)。各地のカタツムリの呼び名の方言分布を比較検討することにより、
言葉が近畿から地方へ伝播していったことを明らかにしたもの。この中で提唱された理論が方言周圏論である。
言葉は文化的中心地を中心として、まるで何重もの円を描くように周辺へと伝播し、
中心地から遠く離れた地方ほど古い言葉が残っていることを示したものである。
(ウィキぺディア「柳田國男」より一部抜粋引用)
出版社 岩波書店 昭和55年5月16日 第一刷発行
蝸牛を表わす方言は,京都を中心としてデデムシ→マイマイ→カタツムリ→ツブリ→ナメクジのように
日本列島を同心円状に分布する.それはこの語が歴史的に同心円の外側から内側にむかって順次変化してきたからだ,と
柳田国男は推定した.すなわちわが国の言語地理学研究に一時期を画した方言周圏論の提唱である. (解説 柴田 武)
(表紙の表書きより)
柳田國男の「蝸牛考」は、言語地理学や方言周圏論の部分を置いておくとしても、
当時のカタツムリの各地の呼び名に興味がある方にとっては、面白い本だと思います。
1 デデムシ、デンデンムシ系 2 マイマイツブロ系 3 カタツムリ系 4 ツブラ、ツグラメ系 5 蛞蝓同名系
6 蜷同名系 7 新命名かと思われるもの
呼び名の系統別に7つに分類され、呼び名の下に府県郡市島が列記されています。
岩波文庫版では、付録に240余りのカタツムリの方言が五十音順に列ねてあります。
声を出して読み上げるのもおもしろいです。
(2011-01-20)