『櫻子さんの 足下には 死体が埋まっている』 太田 紫織

題名に 引かれて 借りてしまいましたが…
櫻子 という名前と
坂口安吾の 有名な小説 （読んでなければ 絶対読んでみてください！ すごいですから！）『桜の 下には 死体が埋まっている』の パロディーのような 題名に

期待を裏切らない作品で 大満足です
若干 まあ アメリカのドラマ 『ボーンズ（ bones 文字通り「骨」という意味）』に 似てると言えば似てますが パロディーなのか…
以下 気になった部分です


P. 38 真実って言うのは、骨に似ている。 皮膚と脂肪と 肉のなかに 隠されていても ちゃあんと、その奥で 全部を支えているんだ。物事には どんな時も ちゃんと 理由と関連があるんだよ。 生き物の身体に 骨と 筋肉があるようにね。

P. 76 生きていようと 死んでいようと 人間は 人間だ。 知りもしない相手に 敬意など払えるか ～中略～ 断言されると 一瞬 「道理だ」と 思ってしまいそうになるけれど でも 人間って 常に お互いに 尊敬し合うべきじゃないんだろうか？

P. 80 人を殺すのは 方法ではなく 『気持ち』であり、『衝動』だ。 殺人を、おかす人間の大概は 相手を 殺したくて、 殺したくてたまらないから 殺すんだ。それは 非常に切迫した状況だろうね。理性があるならば 殺しなんて愚かな行動には出はしない。人を破滅させる方法なんて 殺し以外にも いくらでもある。

P. 81 殺すからには 確実に殺せなければ 意味がないんだよ。つまり 技術を 楽しむような、 ミステリィを模したような奇っ怪な話は そうそうあり得ない と言うことだ。 ギャンブルのような 確率に依存して 人は 殺さないのさ。←トリックばかりが 優先する 一部の 推理小説 ざまあみろ のところです～♪ まず トリックありき というのは どうなんでしょう… まあ そういうのの 愛好家 も、世間にはいますけど


P. 111 死体は物を言わない、言い訳もしない――だからこそ 誰も 太刀打ち出来ないんだ。 あんなにも 雄弁なのに どこまでも一方的で 私達 生きている側の言葉に 耳を貸しはしなきんだよ。

P. 238 尤も 櫻子さんに 言わせれば 宗教家も 詐欺師も 紙一重って奴だろうけど。

P. 240 どうやら 本当の小橋さんという人は こんな風に静かな人らしいと 僕は気がついた。 舞台の上でこそ姿を変える、 根っからの演劇人なんだろう。

P. 263 結論というものが 一つでなければならないと、 いったい誰が決めたんだ？

P. 265 善だの悪だのと 固執することに 何処まで意味があるのか と問いたいだけだ。～略～ 正しいことを 正しいと思いたい僕は、 まだ 子供なんだろうか。

P. 267 私が 言うのもなんだがね。一つのことに 取り憑かれた人間にまともな者などおるまいよ。 周囲との利害関係によっては 優れていると 勘違いする者も いるがね、けれど 実際は 人格者なんてものからは ほど遠いんだ。～略～ 鼻骨は 堅く折れやすいのと おなじさ。 頑なな人間は、 人生を骨折しやすいんだ。