革工房の日常あれこれ - Days of Teddy's

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リトル・トリー

2006-09-15 21:13:13 | 独り言
7~8年前に一冊の本を買った。
その本の評判を聞いた時、仕事柄、というより成人した頃から極私的にカウボーイやインディアンの文化・生活に興味を持っていた僕としては、買わない選択肢は無かった。そして読み始めると一気に、いや、序盤はちょっと退屈で居眠りもしたけど、途中からはスムーズに読み進んだ。そしてジワ~っと感動した。
その本のタイトルは「リトル・トリー」。某amazonの紹介文には「内容(「BOOK」データベースより)本書は、東チェロキーの山中における著者と祖父母との生活をつづった自伝的な回想録である。1930年代、経済大恐慌下の一生活記録として貴重だが、単にそれだけのものにとどまらず、どんな時代のどんな人にも共感を与えうる人間的な記録に高められている。万人の精神に語りかけ、魂の最深部に訴えかける力を持っている。」とある。

話は変わるが、最近ポッドキャスティングというシステムを利用し、ラジオ番組の古い放送分を聞いている。コラム形式の10分くらいの長さなので、午前中や閉店後に毎日政治・時事ネタ中心に数本聞いている。ゴシップっぽいものやコラムニストの偏った主張も散財するが、なかなか興味深いものも多い。
今朝も、開店後にいつもの一本(←牛乳じゃない)を聞き始めたのだが・・・。今年3月放送分のもので、テーマは「アメリカでは今「にせの自伝小説」がたくさん出回っているというお話」。全くのフィクションを自伝・実話として発表し、ベストセラーになっているというもので、メインテーマは最近の小説だったのだが、話の後半に聞きなれたタイトルが。そう、冒頭で紹介した「リトル・トリー」である。筆者の体験談という謳い文句だったのだが、実はチェロキー族どころかインディアンとは縁もゆかりも無い小説家の全くのフィクションであったばかりか、筆者は有色人種を迫害・排斥を目的としたKKKのメンバーだったとか。
かなりショックでした。嘘であって欲しいと願いながら検索してみると、出るは出るは裏付記事のオンパレード。

どうやら、まんまと騙されたようです。いえ、もちろん作者がどんな人物だったかと作品の素晴らしさは必ずしも一致しないとは言えるでしょう。作者だって、その瞬間だけ"人が変わって"いたかもしれないし(笑)。ま、プロフィールや物語がフィクションだったことは100歩譲って我慢しましょう。真実だと思って感動したこと?倉本さんも騙されたくらいですから(笑)。申し訳無いのは、感動して友人の何人かに薦めてしまったこと。不勉強でした。ごめんなさい。

ただ・・・許せないのは、本国アメリカでは真実が明らかになってからは「フィクションです」との注釈付きで売られているらしいのですが、日本では相変わらず筆者の実体験だとの謳い文句。はっ?売れりゃいいのか?これって一種の詐欺じゃん。
記者クラブ、大手芸能プロとの馴れ合いや視聴率至上主義、超大手企業の特別扱いなど、日本のメディアの腐り具合が嘆かれる昨今ですが、改めて行き過ぎた資本主義に呆れました。



ショックを受けたポッドキャスティング
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2 Comments

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う~む (ハタロー)
2006-09-15 23:30:33
 それはなんともショックなことでしょう、感動させてくれた本の筆者がKKKとは・・・さっぱり判らん、理解できん、その目的は?

心の中にあった懺悔の気持ち・・・違うか。

創造するのは自由な事だけど、やっぱり造った人間に行動が伴っていないと、それは“嘘”ですはな、やっぱり、興醒めしちまう、教育が云々と言われて久しいけど、経済市場主義の今の世が正しいのなら、ガキんちょの頃から“金儲け”の方法を教えるほうが良いんじゃないのって感じ、道徳がすったくれの言うんじゃなくて、その方がよっぽどストレート・・・極論でした(反省)
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> 懺悔の気持ち (TEDDY)
2006-09-16 13:27:24
そう信じたいですが・・・チェロキー族の事を勉強もしないで書き続けたんだから、残念ながら金の為だったと考える方が自然なのかもしれませんね。
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