声楽家のルチアーノ・パヴァロッティ氏が
亡くなったとの事。
71歳、膵臓がんとのことです。
今でこそ僕は、声質がバリトンやバス好みになりましたが、
声楽を始めた高校生頃は、テノールの声に憧れていました。
たいした知識もなかったもので、
導入は、王道というか、いわゆる3大テノールのCDでした。
なけなしの小遣いをはたいて買ったのが、
3大テノールが初めて同じ舞台に立った、パリ公演の
ライブCDでした。
これは本当に良く聴きました。
この催しが何度も開催されるようになったその後でこそ、
多少の飽きというか、飽和感がありましたが、
これの第1回というのは、本当に上質の
エンターテイメントだったと思います。
得意のオペラやカンツォーネ、3人でのメドレーなど、
3人の歌声が最も充実していたころのライブ録音で、
三者三様の声を楽しめました。
高校生ながらに思っていたのは、
理知的なドミンゴ、抒情的で端正なカレーラス
生粋のイタリアンテノール、パヴァロッティと。
でも、最初の2人の代わりはいても、
パヴァロッティの声の代わりはいないな、と思ってました。
それだけ唯一無二の声だったと思います。
オペラでは演技の評価は高くなく、
太りすぎて手が地面に届かず、
プッチーニ「ラ・ボエーム」の演出が
変わってしまったという逸話?もありましたが、
彼のキャラクターや声の代わりはやっぱりいませんでした。
一番最近見たのは、イタリアでの冬季トリノ五輪、
2006年の開会式で、「誰も寝てはならぬ」を歌ったんですよね。
半音下げていましたけど、全盛期を思わせるような
艶と張りがあったことに驚いた記憶があります。
昨年の話ですから、病魔の進行が早かったのかもしれません。
謹んで、御冥福をお祈りいたします。