佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

風景考~慣れ親しんだ風景は思いのほか心に残る~

2007年09月13日 23時54分49秒 | 日記・エッセイ・コラム

 

 職場まで、片道40分近い道のりを通っていますが、

最近、秋らしくなってきました。

といっても、今日は暑かったですね。。。

 

 

 新潟にいて、秋を感じる瞬間というのは、

やはり、実り多き稲穂だと思います。

ここ数日から、稲刈りが始まっています。

私の職場は田舎のため、農家の方も結構います。

平日は家にいる年寄り勢が刈って、休みになると家族総出、

そんな感じでしょうかね、どこも。

この連休は稲刈り日和になると良いですね。

 

 

 

 さて、引っ越してあちこちに住んでいると、

自分のアイデンティティを考えさせられます。

 

 

 

 で、良く思うのは、

慣れ親しんだ風景というのは、

結構印象に残っているものだということです。

もっと言うと、身体や心に染み付いている、

とも言えると思います。

それを強く感じたことがありました。

 

 

 大学院の頃、取材で、長野の軽井沢に行ったんですね。

正確に言うと、栄えている軽井沢ではなく、

中軽井沢?とか、「○軽井沢」と、前に何か付く、

在来線の駅でした。

 

 

 で、駅に降り立った時、

周りを見たら、どこを見ても山。

山しかありません。それも結構近くに。

その瞬間、僕は言いようのない寂しさに襲われました。

なんでしょうか、ふと降り立った駅の寂しさもありましたが、

その風景が、見慣れない風景で、

寂しくなったのだと思います。

しかも、その日、暗くなるのが早かったんですね。

もちろん、山々に囲まれているからですが。

 

 

  

 で、その時、分かったんですね。

自分の原風景が、山でなく、田園だという事を。

 

 

 

 僕の生まれ育った地、高田は、平野です。

車に乗ったりすると、すぐに田園風景が訪れます。

山というのは、南葉山や妙高山など、遠くにあるものでした。

長野から大学に来た人は、逆のことを言います。

山々に囲まれているのが当たり前なのです。

 

 

 別の場所で言えば、

海というのは、=(イコール)日本海なんですよね。

僕は実は太平洋の海をじっくり見たことがないのですが、

太平洋側の人は、日本海を見ると切なくなると言います

(笑。否、一部の人がそう言っていました)。

確かに、冬の日本海といえば、

雪を降らせる湿った季節風が吹き荒れています。

でも、これも、新潟の原風景なんですよね。

新潟でも山あいの人はそう思わないかもしれませんが、

実家は、自転車で30分こぐと海に着いたので、

僕にとっての海というのは、そういう直江津の海でした。

 

 

 今回は風景のみですが、

密接に絡んでいるのが、気候です。

風景と気候というのは、生まれ育った場所と密接に絡んでいます。

こういったものって、実家を離れた時、

結構、慣れない人がいます。実際体調を崩す人とか。

確かに、新潟の気候は、他の地域から比べると過酷ですね。

もちろん、新潟でも場所によって違いますが。

 

 

 まあ、違う地でも、慣れ親しむことができれば、

そこがもう一つの思い出の地、第二の故郷とかになりますからね。

相性もありますけど、新潟に来た人は、

新潟を嫌いにならないで帰ってほしいですね。

 


ノルウェー・ソリスト合唱団演奏会

2007年09月13日 00時06分05秒 | 合唱

 

 バタバタしている合間を縫って、

水曜平日夜に小出郷文化会館まで聴きに行ってきました。

 

 

 

 この合唱団は1950年創団の歴史ある合唱団で、

あのニーステッドが長きに渡り指揮者を務めていた合唱団。

そして今日の指揮者グレーテ・ペダーシェンは、

あのオスロ室内合唱団の創団にも関わった人。

という合唱団が、首都圏以外では唯一の貴重な公演を小出で。

さすが小出郷ですね。

 

 

 客入りは、、、うーん、このシリーズではこんなものか。

曲目を詳しくは書きませんが、

前半のメインはラウタヴァーラ「最初の悲歌」と

武満徹「風の馬」より。

でですね、、、前半、個人的には、

休憩時の周りの高評価とは正反対の印象で、今一つかな~と。

なんか正しい音は鳴っていたんですけど、散漫な感じが。

うーん、難しい曲ですからね。。。

個人的には、SATBなど、パートでくっ付いてちゃんと並んだ方が

良い響きになったような気がします。

 

 

 後半はグリーグ「4つの詩篇」がメイン。

後半の方が良かったと思いました。

途中で会場中に広がって歌うなどもありましたね。

小出という地方ながら、

スタンディングオベーションをしていた人もいました。

 

 

 

 聴いていて思ったことは、

ノルウェー人、デカい(爆。聴力関係ない。。。)。

それはともかく、、、

合唱団、どちらかというと

全員ソリストも出来るような人ばかり集まっていましたが、

総じてみんな高いところに当たっているんですよね、声が、響きが。

だから押さなくてもちゃんと鳴るんですよね。

日本人に足りないところです。

日本人の合唱団のサウンドが、

西洋の曲を歌う時に、もっとカラッとしたサウンドになるといいなと

思うことが良くあるのですが

(内地の音、なんですよね。身体から離れない響きというか。

もちろん日本民謡を歌う時はバッチリ合うわけですが)、

そうですね、そういうお手本だったと思います。

アンサンブルは大事なんですけど、

基本的な声作りの重要さも強く感じました。

というか、最近このことばかり強く思っています。

 

 

 それにしても、うーん、よっぽどの熱演とかパンチがないと、

感動しなくなっているんでしょうかね。。。すみません。

首都圏でのコンサートを聴かれた人の感想を聞きたいところです。