今日は、柔道について考察する予定だったのですが、
ちょっと変更。
音楽全般を好み、
ことそのバックグラウンドから、クラシック音楽に肩入れし、
その中でも合唱を中心に歌ったり振ったり企画したり
活動しておりますが、
最近思っていることを少しだけ書いてみます。
同じように、趣味で音楽をしたりする人の中でも、
人によって温度の差があることに気づかされます。
言葉を変えると、いろいろなスタンスで関わっている人がいる、
ということでしょうか。
で、自分自身がちょっと誤解されているのではと、
勝手に思ったもので、今日筆を取っています。
僕は、音楽自体を好きになって欲しいと思っていますし、
とりわけ、合唱人口を増やせないかと、いろいろ考えています。
新潟ユースというのは、ここに一番ポイントを置いています。
しかし、誤解されることがあるとすると、
こういうことにすごく肩入れしている自分の様子を見て、
「私はそこまでは。。。」という空気を出して防御したり、
端っからまったく興味を持ってもらえなかったり、
要は、温度差を感じることがあるわけです。
で、皆さんは、
僕が、僕と同じようなことを皆に求めていると思うかもしれませんが、
そんなことはないのです。
僕が一番望んでいるのは、
「合唱に何らかの形で関わる人を増やす」
ことです。この一言に尽きます。
学生だった頃は、自分の所属している合唱団が、
もっとこうあるべきだとか、そういうことをよく考えていました。
でも、仕事を始めて、その後合唱に関わるようになってから、
基本的な考え方が少し変わりました。
「とにかく、まずその団のアイデンティティーを尊重する」
ということです。
いろいろな活動の仕方があって、
その中からどれかを選択して皆活動しています。
で、自分のスタンスにあった団体に所属します。
新潟に戻ってきてから、過去所属していた団はあれど、
一応フリーな状態になって、あちらこちらで歌ってみて、
そう思うようになりました。
合唱団の個性を形作るものはたくさんあります。
練習回数(週何回か)、何曜日の何時から何時まで練習か、
活動地域、練習会場、人数、混声・男声・女声の別、
年齢層、団員の地理的分布図、歌っている曲、
出演する本番の種類、指揮者、
まだいろいろありそうですが、ざっと挙げてもこれだけあります。
全部納得できることはないでしょうが、
このなかから自分が大事な部分を優先しつつ、選択する、
そういうことだと思います。
で、非常に回りくどくなりましたが、
何が言いたいかというと、
「各自が自分のスタンスで、合唱に関われば良い」
ということです。
人に能力や意欲の差があり、
また団体の中でどういう役割で振舞うか、
これは人によって様々です。
僕は、決して自分と同じ事を求めているわけではなく、
それぞれが、それぞれのスタンスで、
何らかの形で合唱に関わってくれることを望んでいる、
そういうことなんです。
歌うことがただ好きな人もいるし、
もう少しマクロな視点で合唱を考えている人もいるし、
いろいろだと思います。
要は、その「いろいろである」事を理解し、
自分がどうやって関われるか、
それを、いろいろ活動する中で知って欲しい、
そういうことです。
ただ、そう言っても、
僕が唯一、合唱に関わる人全員に求めていることがあります。
人の演奏を聴くこと
です。
合唱というのは、こと「歌う」という行為がそうであるように、
自己満足に陥りやすく、
また、楽器の演奏などと違い、
演奏レベルがあまりごまかせない、という現実があります。
だからというわけじゃないでしょうが、
端から、人の演奏を聴くという選択肢が、
ほとんどの合唱人の中には明らかに欠如しています。
これだけは、もう少し何とかしたい、
そう思うんですね。
だって、合唱団に所属するのは勇気や時間やお金が要りますが、
合唱の演奏会なんて、アマチュアなら無料から2000円くらいまで、
プロでもせいぜい4000円くらい出せば聴けます。
多くのスポーツが観る側として楽しまれているように、
合唱においても、聴き手になることは容易なはずです。
だからこそ、それだけは譲れないんですね。
なぜかといえば、まず皆が聴き手になれば、
人の演奏を聴くことで、自分が違う方向へ動くきっかけになったり、
生の演奏というのは、そういう力があるわけです。
まず、等しく接することのできる「演奏を聴く」という行為を
少しでも習慣づけられないか、そう思っています。
その後のことは、演奏に委ねれば良いのです。
冒頭で言った、何らかの形というのは、
とりもなおさず、まず聴き手として、合唱音楽を楽しみ、
結果、聴衆として支えてくれる人が、
一人でも増えて欲しい、そういう願いです。
別に、皆にプライベートを犠牲にして
どうこうせいと言ってるわけじゃないんです(笑)。
そのスタンスについても、もちろん移動可能です。
疲れたと思えば(所属している以上責任はありますが)休めば良いし、
今は忙しいから、歌えないけど、聴きには行こうかな、とか、
「こうしないといけない」「こうじゃないと失格だ」
ということはない、と僕は思っています。
例えば、新潟ユース合唱団の今後のスタンスとして、
技術レベルを上げることを最優先するなら、
オーディションをすればそれで済むことです。
でも、最大の目的というのは、若い人への合唱振興です。
音楽を追求するのは、どんなレベルであっても第一ですが、
それをどういうメンバーの中で行うか、
そこは、限りなく広く考えています。
で、どういう形であれ、
生活の中で合唱にかかわる時間が少しだけでも増えたら、
というか、自然に増えるようにすることが第一です。
頂点も大事ですが、すそ野を広げることの方が、
こういう地方においては大事だと思っています。
やっぱり長くなりましたが、
そういうことなんです。
誤解なきよう(誤解されていると勝手に思ってるだけかもしれないですが)、
柔らかく、考えてみてください。