佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

合唱考~「温度差」についての私見~

2007年09月20日 23時53分26秒 | 合唱

 

 今日は、柔道について考察する予定だったのですが、

ちょっと変更。 

 

 

 

 音楽全般を好み、

ことそのバックグラウンドから、クラシック音楽に肩入れし、

その中でも合唱を中心に歌ったり振ったり企画したり

活動しておりますが、

最近思っていることを少しだけ書いてみます。

 

 

 

 同じように、趣味で音楽をしたりする人の中でも、

人によって温度の差があることに気づかされます。

言葉を変えると、いろいろなスタンスで関わっている人がいる、

ということでしょうか。

 

 

 

 で、自分自身がちょっと誤解されているのではと、

勝手に思ったもので、今日筆を取っています。

 

 

 

 僕は、音楽自体を好きになって欲しいと思っていますし、

とりわけ、合唱人口を増やせないかと、いろいろ考えています。

新潟ユースというのは、ここに一番ポイントを置いています。

 

 

 しかし、誤解されることがあるとすると、

こういうことにすごく肩入れしている自分の様子を見て、

「私はそこまでは。。。」という空気を出して防御したり、

端っからまったく興味を持ってもらえなかったり、

要は、温度差を感じることがあるわけです。

 

 

 で、皆さんは、

僕が、僕と同じようなことを皆に求めていると思うかもしれませんが、

そんなことはないのです。

 

 

 

 僕が一番望んでいるのは、

「合唱に何らかの形で関わる人を増やす」

ことです。この一言に尽きます。

 

 

 学生だった頃は、自分の所属している合唱団が、

もっとこうあるべきだとか、そういうことをよく考えていました。

でも、仕事を始めて、その後合唱に関わるようになってから、

基本的な考え方が少し変わりました。

 

「とにかく、まずその団のアイデンティティーを尊重する」

 

ということです。

 

 いろいろな活動の仕方があって、

その中からどれかを選択して皆活動しています。

で、自分のスタンスにあった団体に所属します。

新潟に戻ってきてから、過去所属していた団はあれど、

一応フリーな状態になって、あちらこちらで歌ってみて、

そう思うようになりました。

 

 

 合唱団の個性を形作るものはたくさんあります。

練習回数(週何回か)、何曜日の何時から何時まで練習か、

活動地域、練習会場、人数、混声・男声・女声の別、

年齢層、団員の地理的分布図、歌っている曲、

出演する本番の種類、指揮者、

まだいろいろありそうですが、ざっと挙げてもこれだけあります。

全部納得できることはないでしょうが、

このなかから自分が大事な部分を優先しつつ、選択する、

そういうことだと思います。

 

 

 で、非常に回りくどくなりましたが、

何が言いたいかというと、

 

 

「各自が自分のスタンスで、合唱に関われば良い」

 

 

 ということです。

 

 

 人に能力や意欲の差があり、

また団体の中でどういう役割で振舞うか、

これは人によって様々です。

僕は、決して自分と同じ事を求めているわけではなく、

それぞれが、それぞれのスタンスで、

何らかの形で合唱に関わってくれることを望んでいる、

そういうことなんです。

 

 

 歌うことがただ好きな人もいるし、

もう少しマクロな視点で合唱を考えている人もいるし、

いろいろだと思います。

要は、その「いろいろである」事を理解し、

自分がどうやって関われるか、

それを、いろいろ活動する中で知って欲しい、

そういうことです。

 

 

 ただ、そう言っても、

僕が唯一、合唱に関わる人全員に求めていることがあります。

 

 

 

 人の演奏を聴くこと

 

 

 

 です。

合唱というのは、こと「歌う」という行為がそうであるように、

自己満足に陥りやすく、

また、楽器の演奏などと違い、

演奏レベルがあまりごまかせない、という現実があります。

だからというわけじゃないでしょうが、

端から、人の演奏を聴くという選択肢が、

ほとんどの合唱人の中には明らかに欠如しています。

 

 

 これだけは、もう少し何とかしたい、

そう思うんですね。

だって、合唱団に所属するのは勇気や時間やお金が要りますが、

合唱の演奏会なんて、アマチュアなら無料から2000円くらいまで、

プロでもせいぜい4000円くらい出せば聴けます。

多くのスポーツが観る側として楽しまれているように、

合唱においても、聴き手になることは容易なはずです。

 

 

 だからこそ、それだけは譲れないんですね。

なぜかといえば、まず皆が聴き手になれば、

人の演奏を聴くことで、自分が違う方向へ動くきっかけになったり、

生の演奏というのは、そういう力があるわけです。

まず、等しく接することのできる「演奏を聴く」という行為を

少しでも習慣づけられないか、そう思っています。

その後のことは、演奏に委ねれば良いのです。

 

 

 冒頭で言った、何らかの形というのは、

とりもなおさず、まず聴き手として、合唱音楽を楽しみ、

結果、聴衆として支えてくれる人が、

一人でも増えて欲しい、そういう願いです。

別に、皆にプライベートを犠牲にして

どうこうせいと言ってるわけじゃないんです(笑)。

 

 

 そのスタンスについても、もちろん移動可能です。

疲れたと思えば(所属している以上責任はありますが)休めば良いし、

今は忙しいから、歌えないけど、聴きには行こうかな、とか、

「こうしないといけない」「こうじゃないと失格だ」

ということはない、と僕は思っています。

 

 

 例えば、新潟ユース合唱団の今後のスタンスとして、

技術レベルを上げることを最優先するなら、

オーディションをすればそれで済むことです。

でも、最大の目的というのは、若い人への合唱振興です。

音楽を追求するのは、どんなレベルであっても第一ですが、

それをどういうメンバーの中で行うか、

そこは、限りなく広く考えています。

で、どういう形であれ、

生活の中で合唱にかかわる時間が少しだけでも増えたら、

というか、自然に増えるようにすることが第一です。

頂点も大事ですが、すそ野を広げることの方が、

こういう地方においては大事だと思っています。

 

 

 やっぱり長くなりましたが、

そういうことなんです。

誤解なきよう(誤解されていると勝手に思ってるだけかもしれないですが)、

柔らかく、考えてみてください。

 


新潟ユース合唱団9月17日練習

2007年09月19日 23時44分37秒 | 合唱

 

 待ちに待った日。

ユースでの雨森文也先生と高橋かほる先生が揃った

初練習でした。

 

 

 初回の練習は7月22日の予定が、

地震で延期。今回、ちょうど信越線も13日から再開し、

電車の見込みもつきました。

両先生とも、遠方よりいらしていただきました。

 

 

 午前中、前日入りしていた雨森先生と、

打ち合わせを兼ねて、もう一人の実行委員とともに少しお話。

そして高橋先生をお迎えし、昼食後13:00から練習。

 

 

 果たしてどうなるか、、、と思っていたのですが、

結論から言うと、非常に有意義な練習になったと思います。

お二人の先生をお呼びしたことが正解だったと確信がもてました。

 

 

 心配というのは、

新潟ユースの団員がどちらかというと大人しいことでした。

雨森先生の情熱溢れる指導と、化学変化が起きるかどうか、

でしたが、団員は非常に納得しながら、

スポンジが水を吸うように吸収していました。

 

 

 で、高橋先生は今回初めてピアノを聴かせて頂いたのですが、

まあ、すごいです。

雨森先生などから噂は聞いていたのですが、

いやー、本当にすごいピアノを弾かれる。

ピアニストが、伴奏ではなく一人の共演者だということを

改めて強く思わされました。

 

 

 自分自身、そして団員に欠けていたと思うのが、

テキストなどから来る歌の裏付け。

ついつい下振りとして、音を整えることばかり気にしてしまいましたが、

雨森先生の指導は、「何故歌うのか」「どうして歌うのか」という問いから

離れることがなく、歌い手が心がけるべきことを

常に示し続けてくださいました。

練習以外のときに、楽譜を読んで、どれだけ曲に近づけるか、

だと思います。日々の忙しさで忙殺されてはいけない、

そう思いました。反省。。。

 

 

 16:00からは共演合唱団であるJuneとユートライも加わり、

合同曲の練習。

短い時間の中、先生方は曲への思いなど全て出しつくそうとされ、

歌い手もそれに反応していました。

1時間という時間が短すぎる、、、

止む無しとはいえ、そう思いました。

 

 

 3団体でのサウンドはまた違うサウンドになるね、と

お二人の先生とも帰りにおっしゃってました。

たしかに、新潟ユースはサウンドが良くも悪くもちょっと青いので、

3団が交ざって歌うことが、それぞれの刺激になればと思います。

 

 

 次回のお二人の練習は10月28日です。

それまでがんばらないと。。。

 

 

追伸 これは構想段階ですが、

この10月28日の練習を、公開練習にできないかと思っています。

先生方の許可が必要ですが、

ぜひ、この刺激溢れる練習を、新潟の指導者にも見て欲しい、

心からそう思います。

 


ハモネプ考~tek310、積年の思いを語る~

2007年09月18日 22時49分10秒 | ポピュラー

 

 今日、ハモネプを放送していました。

5年ぶりなんですね。

 

 

 正直に言いますが、

ハモネプ自体に興味はありません。

でも、以前放送していた頃から、

言いたいことが山ほどあって、

辛口を交えつつ、ちょっと書いてみたいと思います。

 

 

 まず、今日の放送の結果について。

日本一になったSoft voiceは、土俵が違う感じで

正直評価しづらかったですが、

今日は、一つの団体が飛びぬけていたと思います。

大阪府のシンクロトンプソンズです。

 

 

 ブロック予選で絢香×コブクロの「WINDING ROAD」を、

決勝でドリカムの「何度でも」を歌ったのですが、

ここだけは、ほぼ文句のつけようがなかったと思います。

ハーモニーも良かったんですが、

なによりアレンジが良かった。

アレンジというか、曲の構成なんですね。

ここだけが飛びぬけて洗練されていました。

どこを聴かせるか、というのが良く分かった。

他の団体は、何でも盛り込みすぎていた中、

原曲を損なわず、曲の良い部分を引き出していたと思います。

 

 

 あと、リードボーカル。

これも他と比べると良かった。

それと、ボイスパーカッション。

ここだけがうるさくなかった(笑)。

勘違いをしている人が非常に多くて困ります。

ポピュラーの曲を聴くときに、

最初にドラムとかベースを聴きますか?

あと、ボイパの技術なんて、一度二度聴けばもう満足する。

要は、その技術を使って、何を表現するか、

そこへ至らないといけないと思います。

ヴォーカルを殺すボイパが本当に多かったと思います。

 

 

 しかしですね、

こういうハモネプというか、

ヴォーカルアンサンブルのグループ、

この世界でちゃんと生き残れているグループ、

本当に少ないです。

個人的な見解を述べると、

未だ、ゴスペラーズすら超えるグループがいないと思います。

RAG FAIRとかINSPiとかBABY Booとかチキガリとか、

ちゃんと活動はしてますけど、

ブームを超えてブレイク出来ているのはほとんどないです。

 

 

 で、こういうハモネプを見ると、

何に原因があるのかが分かってきます。

 

 

 まず、何と言っても、リードヴォーカルの魅力です。

アカペラだから、誰でもハモることは出来ます。

ただ、ハモる事ばっかり考えていると、つまらないんです。

やっぱり、ちゃんとソロを取れるだけの声と歌唱力があるか。

これ、ハモネプの団体で、最も欠けていることだと思います。

ゴスペラーズが売れたことには、

楽曲の良さだけでなく、黒沢薫と村上てつやのヴォーカルに

声と歌い方に特徴があって、

ちゃんとキャラが「立っている」からだと思います。

何だかんだ言っても、ヴォーカルが一番大事です。

 

 

 で、その次に、周りの声と歌唱力です。

リードヴォーカルを取る人以外が、どれだけ良い声を持っていて、

ちゃんと歌えるか、です。

これは何に表れるかというと、ハーモニーの厚さです。

例えばRAG FAIRは、みんな声が薄いんですね。

だから、例えばゴスペラーズと比べると、響きが薄い。

せっかくハモっても、その豊かな響き、厚さが足りないんですね。

 

 

 で、あとはヴォイスパーカッションの処遇です。

 さっき言ったとおり、なんでもそうなんですが、

技術というのは、一度二度聴けばそれで飽きてしまいます。

ボイパは確かに難しいんでしょうが、

あくまでも、リズム担当なんです。

それが目立ってどうすると。

 

 

 で、結局ですが、

日本では、未だゴスペラーズが一番認知されています。

彼らを超えるグループが出ないのは

彼らの曲の良さもあるでしょうが、

ことアカペラということに関して考えれば、

上記のようなことが、あらゆるグループにおいて足りていない、

ということだと思います。

言っておきますが、ゴスペラーズへの評価というのは、

あくまでも他のグループと比較して、の話です。

そこ単独で評価しているわけじゃないです。

僕はクラシックよりポピュラー音楽の方が口うるさいので(笑)。 

 

 

 

 で、これだけ書いてきて、おかしなことを言うかもしれませんが、

 

 

 

 tek310、ハモネプ一回やってみたいんです。

 

 

 

 実は、今回のハモネプでも、

合唱団関係からの出場がありましたね。

というのも、合唱団での通常の活動だと、

こういうヴォーカルアンサンブルがほぼ出来ません。

歌うとしても、通常ルネサンスであったり、

そういう曲になります。

僕自身、こういうスタイルでのアンサンブルをしてみたい、

また、出来たら、マイクを使ってやってみたい、

そう思います。

どの程度難しいのか、体感しないと分かりませんからね。。。

それ以上に、今回も出ていたように、

真面目に歌うのも良いのですが、

真剣に遊ぶ、受け狙いのこともしてみたいんですね。

以前東京都の合唱祭で、そういうグループを見たんですね。

演歌をアレンジして、ほうき持ったりちりとり持ったりして、

面白く動きながら歌い、客席の笑いを誘っていました。

たしか、WING VOICESという団体だったと思うのですが。

合唱祭とかヴォーカルアンサンブルコンテストとか、

そういう場で、もっといろいろ遊んでみたい、

いつもそう思っています。

 

 

 こう書くと、

「お前、自分が参加できないから、

ただのやきもちを言っているだけじゃないか」

と思われるかもしれませんが、

半分はあります(笑)。

何かしたいですね。してみたい事はたくさんあります。

誰か一緒に歌いませんか?(笑)

 


東京交響楽団第43回新潟定期演奏会

2007年09月17日 22時08分12秒 | クラシック

 

 日曜日。

 

 

 練習に遅刻してまで(すみません。。。)行った場所。

となりのりゅーとぴあでした。

標記演奏会がありました。

 

 

 

 そうまでして行ったのには理由が。

歌手です。

 

 

マーラー:歌曲集「少年の不思議な角笛」より

ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

 

 

指揮:大友直人

バリトン:マティアス・ゲルネ

 

 

 そう、ゲルネが来ていたんですね。

一度生で聴いてみたいなと思い、行ってきました。

 

 

 しかし、、、、

 

 

 家でくたばっていて、気づいたら午後4時半。

 

 

 開演、午後5時。

 

 

 間に合わない。。。

 

 

 すぐに向かいましたが、1曲目聴けず。。。

でも、入れてくれました。

しかしですね、、、3階席の上手寄りの空いている場所に導かれ。。。

うーん、、、声楽を聴くには、このホールは正面が良いですよね。。。

だから3階席の後ろから2番目の席を取ったのですが。。。

まあ、自業自得です(苦笑)。

 

 

 肝心のゲルネですが、

うーん、、、場所が悪かったからか、

そんなにインパクトがなかったんですよね。

柔らかい歌い口でしたが、それ以上のものを感じられず。

 

 

 逆に、ブルックナーが結構良いんだなと思って聴いていました。

正直、この頃の交響曲、全く聴かないんですが、

長いと思いつつも、長さを感じず聴いていました。

といっても、練習が気になって2楽章までで退散しましたが。。。

なんでしょうかね、集中が切れないということは、

場面場面が演奏としてうまく繋がっていたからでしょうか。

 

 

 東響は、定期会員の方が多いんだと思うのですが、

うーん、お客さんに自分の知っている顔が少ないですよね。

演奏会は贅沢かもしれませんが、

いろいろなものをもっと聴きに行って欲しいですね。

 


頭が痛いので

2007年09月17日 00時36分38秒 | 日記・エッセイ・コラム

 

 時間があると結構寝ているつもりなんですが、

足りないんでしょうかね、、、睡眠。

 

 

 明日に備えて寝ます。。。

 

 

 そうそう、日々ブログの値段が下がっているのは何故?

何もしてないんだけど。。。

というか、これ、デメリットですよね(笑)。

外そうかな。。。