巷、説明を聞く「日本の成果主義」には、昔よりどうしても合点がいかない。ところが、昨日、法政大学教授 小池和男さんの文章を読んだ。うなづくことが多いので紹介したい。要約すると以下の通りである。
1) 既製の観念
年功 ⇔ 成果主義
あるいは、
非競争・非実力 ⇔ 競争・実力主義
なる対立。
2)実態
長期成果主義 ⇔ 短期成果主義
ではないか。
3) 米国の実際は、日本の通念とは違う。
仕事給は生産労働者で一般的である。だから、言われた通りやっていれば、決まった金額をもらえる。生産労働者には成果主義の適用はない。
大卒ホワイトカラーは社内資格給である。上限と下限の差は、通念ほど大きくない。また、査定によって、資格給範囲を昇給していく。下がることはめったにない。
4) 米国の運用実態は案外分かりにくいが、個人差は日本ほど大きくない。また、基本給の割合が高い。
5) 米国の業績給は基本給への外付けで、業績給の割合は日本の一時金ほど大きくない。ましてや、日本で見られる業績ダウンによる基本給カットはない。
6) (日本の米国成果主義への理解は)他国の相場を知らない悲しさである。
7) 米国には従業員重視の経営が、一部に存在し続ける。
8) 日本でも社内資格給の範囲を明示する。
9) 問題や変化をこなす高度な技術を、より多くの人に形成する。それにつきる。
(以上は、日本経済新聞 23日付け 「今を読み解く」より)
米国はじめ世界の企業では福利厚生に手厚い会社も多い。健康保険料を企業が100%負担したり、子育て支援策が手厚かったり、転勤社員への社宅は自己負担なく、立派な物件であったり、単身赴任はなかったりだ。また、給与支給額に占める基本給の構成比も高いので、退職金も多い。なにかと、日本と比べると雲田の差である。(日本でも広く知られる米国系企業に勤める身内がいるので、給与明細を見たり、実情を聞いたりしている)。
問題は成果主義の定義や、賃金制度が米国と日本とどちらが優れているかということではないはずだ。大事なことは、現場・現物・現実である。実態と実際を把握して議論することである。ビジョンは、精神と物質両方において、豊かたり得る社会実現である。
追記
①給与と働き甲斐は永遠のテーマなんでしょう。会社とは。仕事とは。生きるとは。よくわからないながらも時々、書いてみます。
(7月27日、朝)
気にかけずに、たけちゃんと今週末にでもやってください。
拙者は来週、お言葉に甘えて、「ぶらりジロー様邸訪問」を敢行させていただきます。
日が落ちたころ、一杯なんて、考えただけで、涎がでてしまいまーす。
天星さんのワイン、たけちゃんの自家農園枝豆、拙宅はビール、役者が揃いました。おそろいでどうぞ。明日金曜は東京ですが、土曜以降は在宅です。
落語のように沢庵を玉子焼きと思い、溜飲下げるような訳には参りませんよね!
ウイスキーにはチョコ、ワインにはチーズ、ビールにはやはり「枝豆」でしょう
今週あたり家庭菜園収穫できるといいのですが!
小生は「ワイン」を持参いたします。つまみは不要ですよ。食べなくても、まったく苦になりません。
本格的なリタイアに移行する過渡期の心理状況と自己分析しております。
天星さん、たけちゃん、お近くをお通りの節には是非お寄りください。午後でしたら有難いですね。涼しい時間帯にベランダで缶ビールでも飲みながらしばし雑談でも如何ですか。どうぞご遠慮なく。
しばし、天星人語はお休み。来週月曜日からの再開を予定しています。今朝も天気は良好。夏到来でしょうか??
ジローさんの指摘はするどい!
問題は、個社や個人の考え方まで問われているのでは。理念と実態が合致していれば良いのですが。ギャップを埋めるために努力しているとも言える。理念は大局。行動は小局。日々悩む毎日です。
ところで、きのうは、午後4じごろ散歩していて、途中、お訪ねしようかなぁなんて、ふと思ったりしたんですよ。だけど、急に訪ねられても困るだろうし。で、止めました。
僕を一度部下としてこき使ってくだされ、魅力あるインセテイブの虜となって働きたかったです。
皆様の幅広い見識に触れて今更のような知識不足、問題意識欠如を痛感しております!
いま少しの「執着」と「頑張り」が僕には必要ですよね、長続きはするか?とりあえず明日からは「お仕事頑張ります」!
住宅会社における「やる気の出る給与の仕組み」
給与は働く側にとっては労働への対価であり、生活の根幹を占める原資でもあります。その給与の仕組みは、社員のやる気や社内の活性化に大きく影響される要因でもある事は言うまでもありません。大企業の場合は、その企業の社員である事が一種のステータスにもなり誇りにもなるものですが、中小企業の場合は、将来のビジョンを語り、今にきっと良くなると説得をし、いわゆる浪花節の世界で会社に対するロイヤルティーを期待しても、それだけで社員はついてこないのが現代の風潮です。
住宅会社の給与システムは、主として次の五つのシステムに分類されます。
①固定給一本で一般企業の形態と基本的には同じ仕組み
②固定給が主体であるが、実績評価の奨励金が若干加算される仕組み
③固定給がベースとなっているが、実績評価の奨励金部分の比重が大きいインセンティブ重視の仕組み
④固定給の部分は極めて少なく、歩合的要素が七割を超えるインセンティブ中心主義
⑤歩合給一本のフルコミッション
どれが正しいとは言えませんが、住宅という高額な商品を扱い、土曜日曜祭日の出勤や夜が遅い勤務、拘束時間の長さ等を考慮すると、インセンティブ重視の給与システムは避けて通れないでしょう。大手中小に関わらず、住宅を販売施工する営業組織を持つ企業の場合、固定給のみでインセンテイブ無しといった事例はあまり聞いたことがありません。勿論、固定給一本の会社もありますが、それらの殆どは大企業の場合であり、固定給そのものが高い上に、賞与等で大きな差がつくような賃金体系を採用しているのが普通です。
一方、昨今の住宅会社の給与システムは、歩合給的な要素が与える大きな課題、例えば、拝金主義・不安定・定着率の悪さ・個人主義・非協調性・帰属意識の欠如…などからの反省と、定期採用者の純粋培養を計画的に行っていく為に、「基本給は一般社員と同じ給与体系+実績を加味した奨励金の加算」としたシステムが主流を占めています。大手企業はもちろんの事、中堅企業でもこれらの趨勢は同様です。
歩合偏重の給与システムの弊害
①歩合給の比重が非常に多く拝金主義に陥りやすい。
②強引な契約が生じやすくなり顧客とのトラブルに発展する。
③新規契約に追われ、契約後の顧客へのフォローがおろそかになる。
④営業と工事担当との摩擦が生まれやすくなる。
⑤非協調的となり個人主義がはびこる。
⑥会社への帰属意識が薄くなり、転職志向が顕著になる。
⑦上司は部下をコントロールしにくくなる。
⑧新入社員の半数は、安定的な実績をあげられるまでに脱落する。
⑨社員の退社入社の出入りが多い。
⑩部門間の人事異動は困難となり、部門セクショナリズムに陥りやすい。
歩合システムの殆どは一見すると高額な収入が期待出来ると思われますが、様々な歯止めやきちんと文書化されていないルール、頻繁に変わるルールによって、事実上到達困難な高額報酬システムを敷いている企業も存在します。また、設計・工事・本社など他部門の社員との整合性が全くなく、人事の交流は不可能という仕組みも目に付きます。他部門の人間は常に営業の高額報酬?を羨み、一方で営業を違う世界の社員と思っている節が見受けられ、全社一体の組織力・契約を取ってくる事への一点に全部門の顔が向くという意識が欠如する大きな要因ともなっているのです。
あるべき給与システムの方向
①公平公正が前提であり、システムが良く見える仕組みとなっている事。
②会社の成長に合わせてシステムは変化して当然だが、少なくても5年程度の継続性がある事。
③システムを変える場合は進化が原則であり、事前の根回しと納得性のある説明がある事。
④知識や技術の十分な習得を得るまでの生活の安定が図られている事。
⑤他部門との人事の交流が可能な仕組みである事。(特に定期学卒新人の場合)
⑥それでいて実績が反映される実力主義の魅力がある事。
⑦管理職はそれにふさわしい枠組みがある事。(管理職への昇進の期待と目標となる事)
⑧ペナルテイーは必要だが会社都合であってはならない事。
⑨拝金主義にならず、会社に対するロイヤリティーを期待できる仕組みである事。
⑩人事考課にコストと時間をかけるより、解り易いシンプルなシステムである事。
成果主義の副作用
成果主義は、「やる気と能力のある社員が報われる制度」といわれます。しかしこの考え方は、努力すればするほど成果がドンドン上がる状況でないと成り立ちません。もし、経営者や上司が的外れの判断や指示を乱発すれば社員の努力は空回りするだけとなり、上司の指示通りに一生懸命働いても成果に結びついてこないとすればやる気は消滅します。
成果主義は極端な言い方をすると、「業績不振の原因は社員の怠慢。懸命に働けば業績は必ず上がる」との前提に立っています。市場や顧客の変貌についていけない経営力にも関わらず、努力しても成果が上がらず、給料も減らされるようになれば、やる気のある社員のやる気も失せると言うもの。インセンティブ、即ち成果の量に応じた報酬の仕組みは、社員の努力や能力の及ばない環境変化がおこると、大きな副作用を生むことがあるのです。
それでも、住宅販売やリフォームビジネスにおける営業・設計・施工などの現業部門活性化にインセンティブの仕組みは欠かせません。
仕事でも評価優秀な人しか生き残れないのかしら?
(僕のように)成果の上がらない者、評価できない者、能力の無い者、競争しない者、ついていけない者が安住できる場所はビジネスでは無いのかしらね!
評価は賃金と結びつかないと全く意味がありません、だとするとボーナスの出ない会社は全員無能かというとそうでもない!
この辺の按配が難しいね!
優秀な人ばかりのプロジェクトより、多少問題社員がちりばめられたほうが人間的で成果があがったらと考えてしまいます。
人間優秀だけれど狭い視野、広い分野に強いけれど専門性は低い、仕事はできるが女癖が悪い、勤怠が悪い。仕事はできないが真面目と矛盾しているのが人間ですよね
ごく一部の仕事もできない、勤務態度も不真面目だけを阻害すればいいんじゃないかしら?
これを人は管理能力欠如と言いますね!