人里近く、それも、人口が多い関東圏でも、クマ発見情報が寄せられている。独身時には、ひとりで、だれもいない、山深い、沢などで、テントを張った。何故に? 説明は難しい。そうしたかったからとしか書けないかもしれない。
道路地図ではなく、国土地理院が発行する、山歩き用の地図を見ながら、テントを張る場所を考えるのである。あるときは歩いて。あるときは、車で、細い山道を走るのだ。大学時代より東京都世田谷区に住んでいた。ので山梨県や神奈川県は、距離も近いので、思い立てば、土曜日の昼からでも、出かけたものだ。
ひとりテント張りの食事は、レトルトやインスタント食品であった。夜、シーンとしたテントの中で、読書するのみである。しかし、当時でも、奥高尾でひとり、豪勢な食事を楽しんでいる男性を見かけたこともある。見かけた時、うらやましかったことを思い出す。顔が会ったが、楽しそうだった。
静寂を感じ入り、満点の星が浮かぶ空を見て、悦に入っていた。だが、今の環境なら、できなかったかもしれない。クマの出没が多すぎる。怖い怖い。30年前から、熊に注意と書いた看板は、山にあったが。今ふたたび、山歩き人気だ。
クマとの遭遇と事件は増えるのだろう。