・こころを持つロボット君はつくれるのか
・現状は、日本だけでなく世界的に人口減少へ
・人口減少は、こころを持つロボット君で乗り越える
こころを持つロボット君はつくれるのか
まず、心を持つロボット君なんて作れるのかという疑問は残ります。
現時点で、意識を宿す機械のめどはついていない。
だが、すぐにこうも書いています。
冒頭、人間の意識を機械に移植することは、はるか彼方の夢と述べたが、その夢が実現する日は意外にも早く来るのではないかと筆者は考えている。
*渡辺 正峰「脳の意識 機械の意識」、まえがき
一方、前野さんは書きます。
私がこの本で述べる心の考え方には、これまでの哲学者や認知科学者たちのものとは決定的に違う点がある。
従来の心の考え方は、心はだいたいこんなものだが、核心のところはまだ分からない、とか、複雑すぎてすぐには作れない、というような煮え切らないものばかりだった。本当には分かっていなかったのだ。
これに対し、私の考え方によれば、心が実に単純なメカニズムできていて、作ることすら簡単であることを、誰にでも分かる形で明示できる。
これまで心の謎だと言われていた事柄にもほぼ答えられる。
だから、近い将来、心を持ったロボットを簡単に作れるようになるだろう。
*前野隆司「脳はなぜ心を作ったのか」、14頁
人口減少は、こころを持つロボット君で乗り越える
さて、こんなことを書く科学者がいます。
人間の人数は減るとしても、「心を持ったロボットは作れる」。
「ひとの心が解明され、心を持ったロボットが人と共生する社会。そんな社会は、今と何が違うのだろう。何が変るのだろう」
こう、書くのは前野さんである。
局在した巨大な富の反対側に生まれるのは、略奪された被差別民だ。貧しいものは、より貧しくなる。労働者化し、奴隷化する。
富と人権の一極集中は、何千年も前から、ずっと続いている。今も、続いている。しかし、人類も捨てたものでない。新しい逆流も始まる。
労働者は、団結して立ち上がり、専制君主から自由を勝ち取る。独裁政治は滅び、奴隷は自由を得る。
現在の状況は、最終的な姿ではない。むしろ過渡的な姿だ。
*前野 隆司「脳はなぜ心を作ったのか」、188頁
全ての動物とロボットにも人権を、と書く前野さんの論述は続いて行きます。
興味あれば本を読んでください。
ロボット工学者であり、脳科学者でもある前野さんが真面目に書いた興味深い著作です。
ところで、世界の現状はどうなっているのでしょうか。
日本と世界の傾向
日本の出生率は最低
出生率1.20で最低 昨年、東京は1割れ
人口減に拍車 公的支援、子育て先進国も限界
厚生労働省は5日、2023年の人口動態統計を発表した。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.20で過去最低を更新した。出生数や婚姻数も戦後最少だった。経済負担や働き方改革の遅れから結婚や出産をためらう若い世代が増えた。少子化と人口減少が加速してきた。
海外でも出生率は低下傾向
*厚生労働省
世界的に出生率は低下傾向です。
子育て支援の先進例とされる国でも少子化が進む。フィンランドの23年の出生率は過去最低の1.26だった。直近で最も高かった10年の1.87から大きく落ち込んだ。フランスは23年の出生率が1.68と、第2次世界大戦後で最低水準だった。10年には2.03まで持ち直していた。
ドイツは改善傾向にあります。
給付中心の政策を転換し、働き方の改革を進め、30年間で子どもと両親が一緒に過ごす時間は1.5~2倍近くまで増えた。移民の受け入れも進めており、22年の出生率は1.46と長期的には上向いている。
なお、根本的にはこころを持つロボット君が助けますが、すぐにできることもあります。
結婚や出産を妨げている障害を早く取り除いた方が良いと思います。
地球に住む生物は、自然と社会の環境変化に適応してきました。
地球で生き残ってきた人間です。
英知があると思います。
現状は人間史の途中経過です。
(注)
青字と図の一部は日本経済新聞。