天星人語

世間と空、そして(時々)海をぼんやり眺める毎日です。

賃金を増やせばインフレになるのだろうか

2013-04-07 10:10:10 | 人間歴史の途中経過

 波及効果の範囲と時間は限られる。デフレは、人口が減り始めた。また、人口が減少するという将来予想こそが根本原因である。まず、賃金が減れば、所得が減る。所得が減れば消費が減る。消費が減ればモノとサービスが売れない。だから、物価が下落する。統計では企業は借金を減らし、余剰金は配当金と内部留保に向かって来たことが分かる。同時に、総人件費を減らして来たことも分かる。この原因は、人口が減るので、将来の企業収益が見通せないからだ。

 

 次に、物価は貨幣現象であるとの説も、一部ではあるが根強い。確かに、11月から4月にかけて、株価と為替は変動した。量的金融緩和の効果である。だが、物価への影響は、まだ、分からない。例えば、2008年からの、欧米諸国の量的金融緩和は、インフレを起こしていない。緊急の輸血で、心臓停止を防いでいる状態だ。金融産業の影響が大きいので、金融収縮が起これば恐慌なので、それを防いでいる。

 

 最後に、人口減少がデフレの最大原因説がある。賃金が増えようが、量的金融緩和を続けようが、永続的かつ安定的に物価を押し上げない。消費主体数の実数の減少と将来予想が、デフレの根本原因である。経済成長を見込めないのだ。消費人口増大こそが、根本のインフレ発生要因である。日本の場合は、社会保障を維持する財政が、持続できない将来予想が、重しである。ふたつを除去できなければ、日本人からデフレ予想を拭えない。

 

 年金と医療についての、危機感が募る。人口減少のボディブローがあらゆるところに効いてくる。庶民の節約は強くなる一方だ。大多数の庶民は、ますます、値段に反応する。庶民相手の量販商売は、価格競争を止められない。そもそも、商人は、より安く、よりおいしく、より安心できる商品を売るのが本能だ。資産効果は、短期で恩恵受けるひとが限られる。一握りの企業の賃金引上げは、企業数の90%、従事者数が70%を占める中小には波及しない。日本のバブル期に、給料が増えたのは、不動産と金融だけだった。


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