天星人語

世間と空、そして(時々)海をぼんやり眺める毎日です。

【人間の歴史】人間の長い旅は終わらない

2024-02-17 12:07:07 | 人間歴史の途中経過

【記事のポイント】

〇中国から米国に移民する人が増えている

〇10万年前から続く、人間の大移動

〇どうして人間は生まれた国を棄てるのだろう

人間は、人間の尊厳を実現する社会を作れるだろうか。

現実=中国移民、海・山越え米へ 南西部国境で拘束10倍に

「中国は将来に希望がない」と嘆く中国伝統医学「中医」の医師だった男性。息子家族に伴われ「子や孫の未来のため、中国のすべてを捨てた」と話す元会計士の女性。米国の査証取得は「中国人に厳しく時間もかかる。待っていられない」(遼寧出身の女性)。

「自分たちはキリスト教。信仰の自由を求めてやってきた」。経済以外の動機を口にしたのは最初に会話を交わした山東省の一家だけだった。

英語のrun(逃げる)と中国語の発音表記が同じ「潤(run)」を当て「潤出去(逃げ出せ)」が彼らの合言葉。「中国指導部は中国経済は明るいと唱えている」と水を向けると、福建出身の男性は「それは外向けの宣伝。これが現実だ」と笑った。

 

 

このニュースを読みながら、以下のことを思った。

人間の長い旅は10万年前から続く

いまさらですが、おさらいをしました。

人間の新天地に向かう長い旅は、今も続いている。

ホモ・サピエンスの拡散と先史文明|PROTOサイエンス

■10万年前 ‐アフリカからの移動


アフリカにいた人類が世界各地へと移動し始めた。

■5万年~2万5000年前 ‐文化・芸術の発展‐


動物の骨や牙・角を利用して、装飾品や縫い針、油を燃やすオイルランプなどが作られるようになった。また、ネックレス、ペンダントヘッド、フルートなども作り出した。2万5000年前には、動物の油を用いて絵の具を作成し、洞窟の壁に様々な色で牛の絵を描いた。そうした壁画には、洞窟内の岩の凹凸を活かして立体感を出す工夫が施されていた。また、2万4000年前には土を用いて像なども作り出した。

■4万年~3万年前 ‐新人(ホモ・サピエンス)の台頭‐


ホモ・サピエンスはホモ・ネアンデルターレンシスよりも体格が小さく腕力は半分程度だったが、知能が高かったため次第に繫栄していった。その一方で、ホモ・ネアンデルターレンシスは姿を消した。

 

人間はどうして大移動を続けるのだろう。

自分の人生は、独裁者が決める

独裁政治の社会では、世界を解釈する・ルールを決める・刑罰を下す独裁者一人の人間に、自分の人生を委ねて従う。

これは封建社会=身分制社会であったと、教科書に書いてある。

*下記の「世界は米中2極化から無極化する」

自分の人生を決めるのは独裁者。

生き死にさえ独裁者が決める。

これは過去の歴史では、専制君主と呼ばれ、民衆は蜂起して打倒した。

こんなことが現代によみがえった。

 

独裁者が決める社会は、学習への無力感が広がる。

独裁者が決めたお仕着せの学習では、人間の寿命にまで影響することが実験で示されている。

*エレーヌ・フォックス「脳科学は人格を変えられるか」、336~337頁

 

独裁政治社会で、幸福感を感じるだろうか?

 

人生の舵(かじ)は自分が握っているという感覚が非常に重要だという点だ。

運命をコントロールするのは自分だという強い気持ちを持っている人は、逆境から立ち直るのも早いし、人生を最大限楽しむこともできる。

*同上、334頁

では、

幸福になるためにはどうしたらいいのか 

*同上、340頁

幸福を左右する要因には、健康や食生活などの一般的な事柄ももちろん含まれる。

だがそれらに加え、ある種の認知バイアスや、自分が状況をコントロールしているという感覚などポジティブな心理的要素も、豊かな生活をつくるうえで重要な役目を果たしている。

もうひとつ重要な発見が、科学的な研究からもたらされている。

それは、人が本当の意味で幸福になれるのは次に述べる3つの要素が合わさった時だけだということだ。

ひとつ目は、ポジティブな感情や笑いを数多く経験すること。

ふたつ目は、生きるのに積極的に取り組むこと。

そして三つ目は、今日明日ではなくもっと長期的視野で人生に意義を見出すことだ。

ふたつ目が三つの中でもとりわけ重要。

基本レベルの豊かさ(住む家があり、十分食べ物があること)がひとたび得られれば、それ以上にどれだけカネがあっても人が感じる幸福度にほとんど差は生じない。

これは複数の調査から明らかにされた事実だ。

それよりも人を幸福にするのは、自分にとって大きな意味のある何かに積極的に取り組むことだ。

*同上、342頁

独裁者が決めた範囲内でしか、自分が好きなことをできないとしたら、絶望感しか生まれないだろう。

これをまた歴史は、暗黒時代と表現する。

 

長い旅の行き先である米国は、これからも目標地でありつづけるだろうか?

 
 
危険なジャングル「ダリエン地峡」を越える不法移民は後を絶たない(2022年)=AP
 
 
なお、長い旅の目標地は米国が多い。
しかしこれは、現時点である。
移民に反対する有権者も多いので、選挙の結果、米国(そして遅れてEU)は閉じた国に変わるかもしれない。

 

移民でやって来た人たちに、移民反対論者が増えている。

 

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参考情報

(注)

断りのない青字と写真は日本経済新聞。


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