【外信コラム】北京春秋 反動勢力と国慶節
新中国成立35周年の1984年10月1日(国慶節)、天安門広場の人民大会堂前で軍事パレードを見ていた。北京の大学に留学していたときだった。
当時、自動小銃の警官も目にせず、今ほどの厳戒態勢ではなかったことを記憶している。
現在の街角には機関銃を取り付けた武装警察部隊の装甲車に、自動小銃を構えた特別警察官…。暴動が起きた後のウルムチ市に似ている。北京を中心に数十万人の武装警官と市民ボランティア140万人が、不審者に目を光らせる。五輪を上回る治安態勢だ。
日本メディアの記者が、ホテルのベランダから軍事パレードの予行演習の模様を撮影していて当局に踏み込まれ、パソコンを壊されたのも、当局の姿勢を物語る。
天安門といえば、新中国成立の翌年の国慶節で、米国情報機関が毛沢東主席らの暗殺を企てたとして、日本人1人、イタリア人1人が処刑された事件がある。当局は、あってはならない暗殺の防止にも必死だろう。
昨年から今年にかけ、少数民族の暴動やテロが発生し、中国の敵は「3つの反動勢力」(国内外のテロリズム、分離主義、宗教過激主義)だ。最近知り合った中国人が、こう聞いてきた。
「北京にやってきたウイグル人やチベット人を知らないか。国慶節に向けた彼らの計画を何か耳にしていないか」(野口東秀)
Source来源:http://sankei.jp.msn.com/world/china/090928/chn0909280332000-n1.htm。