第90回企画展「館蔵資料から見る 神仙思想と道教」に行ってきました。
出品数は62件(うち初公開19件)と、かなり見ごたえがあったのでご紹介します。
台湾文化とは切っても切れない道教。
隣国なのに仏教よりも道教が身近なのが不思議だったし、街の中に至る所に大小のお廟があって、さらにはマンションの一室とか民家の隙間みたいな狭いところにまでお廟があるのが面白くて、訪台の度に撮っていました。
天理参考館にいくのは初めてですが、天理市には何度か訪問経験あり。
独特の天理教建築が立ち並ぶ街並みの真ん中、天理大学の横に天理参考館はあります。
ロビーではオルメカ文明の巨大な顔像のレプリカがお出迎え。
常設展は主にアジアの文化についての展示。
吹田にある国立民族学博物館みたいで期待以上に見ごたえあり。
台湾文化もかなり展示が多く、日本に居ながらにして台湾文化の一端を学ぶことができます。
「福禄寿 ー中国・台湾ー」では、幸福に長寿を全うすることを願う庶民の願いを託した玩具や人形芝居、商店看板、生活用具、祭祀用具などを展示。台湾の人形劇の人形が大量に収蔵されていました。
嘉義にあった廟の扉の実物にはびっくり。
「祖霊と共に生きる ー台湾の先住民ー」ではパイワンの民具をたくさん展示してありました。
企画展は3階の一室で。ここに辿り着くまでにかなり時間がかかりました。
道教のルーツのひとつと言われる「神仙思想」、道士たちが目指す「不老長生」、不老長生を実現するために行う「儀礼」、さらに「道教や民間信仰の神々」という4つの視点で展示されていて、中国のと同じくらい台湾で蒐集したのものがありました。
▼王爺の神轎(おうやのしんきょう) 台湾台南市(19世紀後期)
精緻な彫刻は三国志の故事を表現しているそうで、諸葛亮孔明も居るので探してみましょう(城壁の上です)。こちらは通常一階の常設展コーナーにあるので、いつ行っても見学可能です。
▲財子寿燈座 台湾台北市士林(19世紀後期)
中央には3人の、右から財宝・子宝・長寿の福神が居る、縁起の良い燈台。
「士林」というピンポイントな地名まで書かれていたので思わず二度見しました。
▲土地神 台湾(20世紀中頃)
台湾各地にある各村落の守り神。優しい福相の老人として表現されることが多いそう。これは表情と服装がいいですねえ。この廟の名前もよく見かけるので、今度渡台したら注目してみます。
◆会期:2022年7月13日(水)~9月5日(月)
◆休館日:7月19日(火)・8月9日(火)・8月13日(土)~17日(水)・8月23日(火)・8月30日(火)
◆時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
◆会場:天理大学附属天理参考館 3階企画展示室