意思による楽観のための読書日記

戦時下動物活用法 清水義範 ***

行きすぎたダイエットやメカ音痴を皮肉った短編集。

面白いと思ったのは「ダイヤの花見」、長屋の花見をもじったものだが、JRの山手線列車や特急日本海が登場するキャラクターで、みんな長屋の住人という設定。ある時、大家のひかりがみんなに長屋の住人である各列車に招集を掛けた。住人たちは招集の意味が分からず集まる。なんだろう、大家さんの招集目的は、長く支払っていないJR上納金であろうか、などと噂する。現れた大家のひかりは花見に行こう、と提案して一同大安堵するのだが、さてどこに花見に行こう、特急さくらに聞かねばならない、などと議論は一向に収まらない。下げは、列車だけにいつまでも平行線。

「こだわりの旅」も面白い。旅に出るときに、人が行かないような場所や隠されたレストラン、秘湯などを時間と手間を掛けても訪れることで旅行の楽しみを感じる独身男がいる。かれが、京都の観光客はめったに訪れない隠された名刹、庭などがだいすきな女性と出会い、旅の楽しみに花を咲かせ、意気投合して結婚する。新婚旅行はドイツメルヘン街道とフランス田舎の旅、なのだそうだ。

清水義範はパスティーシュとSFで名をはせた人だが、これもSFのうちなのか。気楽に読んで楽しめばいい。
戦時下動物活用法 (新潮文庫)

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