「山」にかかるとされる「あしひきの」は、長い枕もしくは姫枕を意味し、長枕とは夫婦共に使う長い枕のことであり、古代の発音は「アシビゲネ」、おしどり枕は現代の韓国でも嫁入りの品だそうだ。
『あしひきの 山のしずくに 妹待つと 我立ち濡れぬ 山のしづくに』 大津皇子
従来の解釈は
「山のしづくに あなたを待って 私は濡れた 山のしづくに」
筆者の解釈は
「長枕を腰に当てるとマラは 締め付けられてすぐに行こうとします ホトをしっかり合わせて下さい ほてりマラが吹き出そうとしています マラが行こうとするのです」
裏の意味もあり
「姫枕 山辺を殺さんとす 女に差し向かい 早々に事を起こせ 山辺殺さんとす」であり、持統天皇が山辺を殺そうとしているので、持統天皇らに対抗して事を早く起こして欲しい、という意味も読み取れるというのである。表向きはセックスの歌に見えて、裏では政治的意味を持たせているという。古代韓国語が分からないので検証のしようもないが、本当であれば従来の解釈は大変な解釈違いである。
これに答えた石川郎女の返歌。
『我を待つと 君が濡れけむ あしひきの 山のしづくに ならましものを』
従来の解釈は
「私を待って あなたが濡れたという 山のしづくに なれたら良いのに」
筆者の解釈は
「おいでなさい 私にあわせて大きいそのハサミをお入れなさい 長枕はいきり立っている生ハサミを行かせようとするようですね 立ち上がり相対して挟みましょうか」
裏の意味は
「出ていらっしゃいませ 持統天皇らに立ち向かい大改新の旗をおあげなさい 彼女らは山辺の皇女を亡きものにしようとしています 立ち上がり相対してお戦いなさいませ」
激励のメッセージだという。
もう一つは「たらちねの」で母に掛かるとされる枕詞。
『たらちねの 母が飼う蚕の 繭隠り いぶせくもあるか 妹に逢わずして』
従来の解釈は
「母が飼う蚕の繭篭もりのように 息が詰まるようだ あの娘に逢わずに」
筆者は「たらちね」は垂れた乳もしくはマラが出る、出すであるとする。
筆者の解釈
「垂れたマラを出そう はめ込み臥せよう 憎んでは下さるな ちょっとあなた 立て続けにマラが手荒いので このホトが可愛そう」
なんとこれもセックス絡みの解釈である。
『奥山の 菅の葉しのぎ 降る雪の 消しなば惜しけむ 雨な降りそむ』
従来の解釈
「奥山の菅の葉を押し伏せて降る雪が 消えたら惜しかろう 雨よ降ってくれるな」
筆者の解釈は
「野良仕事をする王君たち いとも不慣れよ休もう 休もう 小屋も不慣れよ」
王や高官たちが勧農日に田植えや畑仕事を手伝う様を、百姓たちがはやし立てているのだというう。
この他にも
『たまほこの』は従来の解釈が「三叉路などに立てられた霊魂を表す石」だとしたのに対し筆者は「逆さに入れる」。『いなむしろ』は従来「稲筵を敷いて臥す」、ということから「ふしみ・かは」に掛かるとするのに対し「すぐ攻める」という意味であり
『たまほこの 道行き疲れ いなむしろ しきても君を 見むよしもがも』の解釈は従来「繰り返しあなたに会う手立てが欲しい」などというところを筆者は「逆さに入れよう 道の間に すぐに攻めよう 君よ見つめつつ行こう」だとする。これもまたセックスの歌だという解釈。
これ以外の筆者の解釈。
『あきつしま』は「小さな種族の住む島」、『あしはらの』は「最初の野原は」「最上の野原は」、『あおによし』は「ぽっかりと空いていて最上」、『うつせみの』は「どう生きながらえようか」、『しろたへの』は「白い下着は」「新羅に着く船は」、『ちはやぶる』は「一千の岩を捨てる」「尊い人を斬ってしまう」、『飛ぶ鳥の』は「夜が明ける」。
さて、どこまで信じられるか、であるが、古代には百済や高句麗、新羅から多くの渡来人たちが技術と言葉、稲作とともに当時の日本列島に移り住んだと考えられ、万葉集時代の前期の言葉が朝鮮半島の言葉で解釈できるとする主張には信憑性がある。筆者の解釈がどうかは私には評価不明である。
枕詞の秘密 (文春文庫)
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