意思による楽観のための読書日記

健康問答 五木寛之・帯津良一 *****

「健康」について今までいろいろ考えて実践したことや分からなかったことがほとんどすべて解説されている、という意味で「知りたかったことがすべて分かった」。ポイントはたった一つの健康法ですべて解決はしないこと、人の個性により健康法は様々であること、人間の健康状態の瞬間を切り取って治療する西洋医学には限界があること、PPK(ピンピンコロリ)を目指して日々養生することが重要であること。聞いてみれば当たり前のことが多いのだが、TVなどで特集されるとそれにすがりたくなることもある。要はバランスが重要なのである、いくつかの重要だと感じたポイントを整理してみる。

1. 水は多くとった方がいいのか:闇雲に多くとるのではなく、体の欲求に応じてのどが渇いたら飲む程度で十分。

2. 冷たいビールは体に悪いのか:冷たい飲み物は良くはない。ビールも冷蔵庫から出してしばらくおいてから飲むとよい。

3. 高血圧の人に限らず塩分は控えめが望ましいのか:塩分は必要でありある程度意識的にとった方がいい。

4. 牛乳を飲むことは良いことか:無理して飲むことはないが、適量飲んでいても問題はない。

5. 肉は体によくないのか:やたらに食べることをせず、食べたいと強く感じたときに満を持してときめいて食べよう。

6. 健康のために一日30品目食べなければいけないか:栄養学的根拠は曖昧、こだわる必要はない。

7. 朝食は抜いてもいいのか:空腹なら食べるべき。無理して食べることも、無理して抜くことも必要ない。

8. 酒は毎日飲んでもいいのか:酒は体にいいので欠かさず飲んでもいいが飲み過ぎないこと。

9. コーヒーは体にいいのか:嗜好品として飲むなら良い。

10. 緑茶にガン予防に効果があるのか:何ともいえない。楽しんで飲めばいい。

11. アルカリイオン水は体にいいのか:軽々しく断定はできない。水は大事だがそれで病気が治るわけではない。

12. 玄米食は体にいいのか:玄米菜食は一つの思想である。その思想に共鳴しおいしく感じるなら食べればよい。飽きたら休むこと。

13. 体は温めた方がいいのか:暖めることは良い。体自体が温かくなるために日頃薄着で鍛えるのも悪くはない。

14. 抗菌、防菌は有効か:うがいや手洗いを忘れても問題はない。抗菌にこだわりすぎる方が問題だ。

15. ウォーキングは体にいいのか:体調をみながらのウォーキングはいい。

16. お風呂は体にいいか:長風呂でなければ体によい。

17. 温泉は体にいいのか:温泉はリラックスするためのもの。がんばって入浴するものではない。

18. メタボリック症候群はよくないのか:基準値とされる値に根拠はない、お節介である。

19. 睡眠は8時間必要か:人類は古代より5-8時間でやってきた。休むときは横になって骨を休めることが重要である。

20. 便秘をすると大腸ガンになりやすいのか:コーヒー浣腸を勧めたのはゲルソン療法のマックスゲルソン、日本で進めているのは新谷弘美。便が大腸に滞ることは万病の元、痛便には気を配ろう。

21. 病気は完治するのか:命は流れゆくもの。ある瞬間をとらえて完治したかしないかを論じても無意味である。

22. インフルエンザワクチンは接種すべきか:年齢と体力次第である。若い人は感染して免疫力をつけた方がいい。お年寄りはワクチンは有用である。

23. 健康診断は毎年受ける必要があるか:毎年受けても万全ではないことを知るべき。日頃体調変化に細かい注意を払うことが重要。

24. サプリメントは有効か:勘をを働かせて効果があると思ったら続けるが、1-2ヶ月で効果を感じなければやめる。高価なもの、セールスマンの人相が悪い場合、断定的な言い方をする場合は買わない。

25. 臨床医の直感は科学の上位に位置するのか:最終的に信用できるのは自分の直感である。それを磨くことが重要。

26. 笑いは元気の源になるのか:無理に笑う必要はない、つらいときには泣いたり長い嘆息をつきながら生きていくのがいい。

とてもよい本に出会った。
養生問答―平成の養生訓 (平凡社ライブラリー)

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