意思による楽観のための読書日記

歌舞伎町のこころちゃん 権徹 ****

 歌舞伎町でアル中の父親と暮らしている4歳のこころちゃん、2008年の発刊なので今は中学生になっているはず。母親が働き父親と毎日を過ごしているこころちゃん、キムタクの娘の心音ちゃんから1字もらったという。路上生活者仲間から食べ物をシェアしてもらいながらこころちゃんは暮らしている。少しの現金収入があっても、父親はアルコールを入手するために使ってしまうため、仕事を紹介しても、住む場所を斡旋しても、アルコールが手近にあり、食料にも困らない歌舞伎町から離れようとしない父親。しかしこころちゃんはいつも一緒に暮らしている父親になついていて離れようとはしない。ある日、母親がこころちゃんを児童保育施設に入所させるため連れて行ってしまう。

著者は、取材対象者との距離感を保てず、度々父親に説得を試みたり、こころちゃんに食事を与えたりするが、基本的生活態度を変えようとしない父。先進国と言われる日本にどのくらいの同じような境遇の子供たちがいるのか。両親がいても、病気、怪我、アル中、事故、失業、詐欺、うっかりからくる持ち金喪失、ほんのすこしの手違いで路上生活の境遇に陥ってしまうことがあるという。ちょっとした個人的善意で一人の可哀想な境遇の子供を救えたとしても、同様の子供たちは数万人規模で日本中にいるという。家があって、定期収入があり、家族もいる私達には、身近の誰かを救う以外になにかできることはあるのだろうか。


↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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