人間の平均寿命は日本では男が80、女が87歳で、今週のニュースでは、昭和31年頃はそれぞれ63、68歳であった。さらに20世紀の初頭には50歳くらいであった。寿命がのびたのは、新生児死亡率の低下、公衆衛生概念の発達による感染症減少、抗生物質発見、だそうだ。ポイントは最近の100年で30年ものびたこと。狩猟時代には15-20歳で、江戸時代では35歳程度であった。それがここ100年で30年ものびたということは一年長く生きると4カ月寿命がのびるということ。今後もまだまだのびる余地はあるというのが本書の主張である。
現在の学説では、フリーラジカル老化説が有力、フリーラジカルで最もダメージを受けるのが細胞内のミトコンドリア。細胞内のミトコンドリアは一ヶ月も経たないうちに死んでしまうが、オートファジーによる分解機能で再生される。ミトコンドリアは身体にエネルギーを与えるがこのフリーラジカルも放出する。このオートファジーの機能低下が老化の仕組みだということ。これは克服可能ではないか、と主張する。
老化の原因を分類すると次の七つ。架橋結合とよばれる体内分子同士の結合、ミトコンドリアの衰え、細胞内に溜まるゴミ、細胞外間隙に溜まるゴミ、細胞自体の老化、細胞死による毒素、そして癌。癌以外は現代科学で対応可能、のこるは癌だという。
しかしこの癌が一番の難物、身体のあらゆる部位に癌化の可能性がある。その対応策がWILT法、テロメア伸長の全身阻止である。テロメアは生存に不可欠な機能とされているのに、その機能を停止させることで老化を防ぐという過激な考え方。
本書の主張とはずれるが、一番心に響いたのは、最近は一年生きると4ヶ月寿命ものびるということ。その率で行くならあと20年生きると寿命はさらに6年のびて、、、それでも愉しく健康に過ごせるかどうか、、、ちょっと今からでも歩きにいこうかと思う。
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