意思による楽観のための読書日記

あとの祭り 指の値段 渡辺淳一 **

週刊新潮に2004-2005年に連載された「あとの祭り」というエッセイ集。なんということはない内容だが、面白かったものをいくつか。金持ちの75歳の男性がいて奥様を亡くし独身、再婚の話がいくつもあるが決断できない。どうも相手がお金目当てのように見えるから、という理由。これに比べると婚外恋愛、いわゆる不倫は財産や結婚ができなくても一心に相手のことを思うから、これこそ純愛であると、これが渡辺さんの主張、一理ある。チャールズ皇太子がカミラさんと再婚、世の中の評判はよくないが渡辺さんは絶賛、30年よく続いたものだというのがその理由。カミラさんは73年に陸軍将校と結婚二児をもうけたが95年に離婚。チャールズ皇太子は81年にダイアナさんと結婚したが96年に離婚、ダイアナさんは翌年事故死。ダイアナさんは生前「3人で結婚したようなもの」と言っていたとか、チャールズ皇太子はずっとカミラさんが好きだったのだ。この愛を貫いたから絶賛、というのが渡辺評。売れっ子の作家はいいね、この程度のエッセイでも結構な収入になるのだから。
あとの祭り 指の値段 (新潮文庫)

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