原子力規制委員会は5日、東京電力福島第1原発の敷地内にたまる放射性物質トリチウム(3重水素)を含む「アルプス処理水」を薄めて海に放出するための設備の検査結果について、7日にも検査終了書を交付する見通しを示しました。設備の運用開始前に必要な検査は全て終了したことになります。
今回の検査の対象は処理水の移送や希釈、放水のための設備。この日の定例会合では、異常を検知した場合に放出を止める「緊急遮断弁」の検査の様子などが説明され、「特段の問題点は確認されなかった」とする報告を了承しました。
使用前検査は6月28日から始まり、現地での検査は30日に終了しました。
海洋放出をめぐっては、国際原子力機関(IAEA)が4日、「国際的な安全基準に合致する」などとした包括報告書を公表しています。
海洋放出を巡っては、地元の漁業者をはじめとする国内外から反対や懸念の声があがっています。そうした声に向き合わず、政府・東電が、これまで一方的に方針決定や設備工事を進めてきたことは、社会に不信と矛盾を広げています。処理水について「関係者の理解なしには、いかなる処分も行いません」とした地元漁業者との約束を踏みにじって、社会的な合意がないまま、放出を強行するのか―。岸田文雄政権の態度が問われています。
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