核禁条約批准要求相次ぐ
保有国に撤廃求める声も
【ニューヨーク=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で26日、核兵器全面廃絶国際デーを記念する高官会合が開かれました。核兵器禁止条約の第2回締約国会議が2カ月後に迫るなか、同条約への署名・批准を呼び掛ける発言や、核保有国に核軍備撤廃の義務を果たすよう求める発言が相次ぎました。
高官会合では、主にアジア、アフリカ、中南米の国々と市民社会の代表ら約80人が発言しました。
グテレス国連事務総長は、「核兵器による威嚇が今再び行われている」と述べ、核使用が人道上の壊滅的結果をもたらすことは、「広島と長崎の被爆者の時を超えたメッセージだ」と警告しました。「核兵器の使用を防ぐ唯一の方法は廃絶だ」と強調し、核兵器を「歴史書の中へ追いやる」べきだと訴えました。
直前に核兵器禁止条約を批准したスリランカは、核兵器廃絶への前進の機運を作り出したことを誇りに思うと発言。11月末にニューヨークで開かれる核兵器禁止条約第2回締約国会議の議長を務めるメキシコは、条約未参加国に会議へのオブザーバー参加や条約への署名・批准を呼び掛けました。
このほか多くの国が「昨年の第1回締約国会議は核兵器のない世界という共通の目標へ道を切り開いた」(レソト)など禁止条約の実践に取り組む決意を表明しました。
これに対し日本政府の代表は核兵器禁止条約に一言も触れず、5月の主要7カ国サミットで発表した「広島ビジョン」について「核兵器のない世界を追求する確固とした土台」などと主張しました。
同ビジョンは被爆地から「核抑止」を発信したとして批判されています。また多くの国が核抑止を批判したのと対照的に「抑止と核軍縮の分断の橋渡し」に取り組むなどと語りました。
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