重商主義:富とは金(や銀、貨幣)であり、国力の増大とはそれらの蓄積である という考え方が根底にあり、金を産出しないイギリスにとっては 重商主義は、国家の輸出を最大化し、輸入を最小化するように設計された国家的な経済政策であり、16世紀から18世紀の原始工業化時代のヨーロッパ地域で支配的な考えであった。つまり重商主義は保護貿易主義であり、貿易黒字こそ国力であるという考え方となる。日本が明治維新以来現在 . . . 本文を読む
先行する議論を検討することによって一般理論の特徴が鮮明になっているのがこの章である。読むのは大変だが興味深い章となっている。先行する反古典派としてシルヴィオ・ゲゼル、マンデヴィル、ホブソンとマクマリー、ダグラス少佐が登場する。いちいち紹介することはしないので原著に当たっていただきたい。高利禁止法・スタンプ付き貨幣 前回までは、重商主義を検討し、自主的な利子率決定と国家的な投資計画が利用可能になっ . . . 本文を読む
これで一般理論コメンタールも三周目を終えた。達成感と徒労感が相半ばと言ったところかな。科学として、前提条件を明らかにして理論を構築するということがなくなり、それこそ最低の社会性もかなぐり捨てて経済学の基本に個人を置く。その個人を対象に理論を展開すると自己責任論に行き着く。その過程をこの50年間見てきたような気がする。 自己責任論は裏側に力の論理を持つ。力の論理とは戦争の論理だが、自己責任論の根底 . . . 本文を読む