松ちゃんの『やりっ放し やられっ放し』

あなたが気になりだしてから 世界が息づいてる(松任谷由実『緑の町に舞い降りて』より)

旅の記録『6』~黒い山の中を~

2006-08-13 05:07:19 | Weblog
え~、この日は専ら富士山~5合目から頂上と麓の富士宮市~

初めての富士山。
前日の夜8時くらいに2合目駐車場からバスで送迎され、5合目に着く。

月だけは綺麗に出ているのだけれども
別にいい天気でもなく
本当に、黒い空の下、黒い山肌を背に、オレンジ色の光で包まれる五合目は既に寒く

日本人だけでなく、準備万端の外国人もちちらと。
私達は、1000円の杖(木の棒)を買う。(必要らしい。)
10時くらいに登り始めようかということで
約2時間ほど五合目で、お菓子を買って食べたり、本を読んだり、缶コーヒーを飲んだりと

基本は、富士山登山という仰仰しい壁を前に緊張しており
そして、以前寒いことには変わりもなく…
なんか、面倒くさくなってきたりもしたけど
ここからまた、2合目へ踵を返すのも気持ち悪いもので御座いますし
そして、ちっぽけだけど、『プライド』なんてのも、なんか関係してきまして

結局、私は既に富士の呪縛から逃れられない身なので御座いました。
…時が来ました!
スタートです。
5合目から6合目までは結構短く、余裕のよっちゃんと思いましたけど
でも…そんな訳がないのです。
足の痛みもまだ全然なく、登るペースも基本的にはゆっくりだったので

汗の掻き方、疲労度もかなりベストだし
山の上方を見上げても
黒い山の何点かの大きな光が点在してるのと
その大きな光を小さな光が列になって結んでいるのです。
それは、いわずもがな
休憩所と、それを目指す登山者のライトです。
私達もその光の一つなのです。

高山病を恐れて、まぁ初めての富士山をいうことで
体を慣れさすためにゆっくり登ってたのですが
私達若者は、なんだかんだで他の同志を追い抜いて行っていたのです。
そして、良き所で道から外れて休憩、というのを繰り返しました。
8合目、9合目らへんになってくると、疲れと眠気が襲ってきて
いくら寒くても結構寝てしまうのが私。
ちょっと休憩するだけでも寝れる私は雪山で遭難しても、寝て死ぬタイプだと思います。
それか、決して諦めないタイプかな。

そういう時って結構着込んでいるんで、幾ら寒くても、登山着の暖かさったら最高だから
だから、やっぱり寝てしまうんだろうなと自分の『生きる意志』の弱さにさめざめ泣くのです。
そんな時に落ちる涙が山肌を伝って、あの広大な、駿河湾…否。太平洋に
流れ出されないんですけど、別に。
っていうか、雪山なんて行かないし~、って感じ。何の話!?
なんだかんだ、話も皆無になり、空も明けてきて、午前5時くらいに
やっと…やっと…山頂に着きました。
足もがたがたで、眠いし…でも、御来光を見なければならず
山頂でも我慢して、日がよく見える場所まで頑張りました。本当にこの時は頑張ったと思います。

御来光どころか、天気は曇りで
それでも全く見えないものでもなく、静岡の街を覆う下の雲と、それより上の雲の
はるか遠い境目に赤い陽が昇ったのを、一瞬だったけども、見たのです。
蒼黒い雲を手前に、はるか遠く、奥の雲だけは赤く染まって一筋が美しいのを、見たのです。
その時、雨が降り、強風のなか
なんとか記念写真でも撮って…
5合目を目指して、そそくさ逃げるように復路に就きました。
復路…最悪です。

富士山というのは、岩山でして
赤い石と、グレーの石が靴にどんだけ入り込んできたか。
足場に探して、滑らないようにその足場にちゃんと足を引っ掛けないと
もし滑ったなら…
後ろに倒れるのは、リュックがクッションになるからいいのだけど
もし前に…想像したくないっ!
なんだかんだで、傷が4、5箇所増え…富士山は私の体にちゃんと痕を残してくれました。

頂上に着いた時より、私は、5合目に帰ってきたときのほうが嬉しかったです。
体は、すぐに伊豆に向かう状態ではなく、ボロボロで
このひ1日ゆっくり療養しようと思いました。というかしなアカンと本能で感じました。
療養先は、富士宮市にある…なんか名前わすれたけど、温泉施設で
温泉はもちろん、インターネット、食事、スポーツジム、テレビ、マッサージ等々
リラックスのための複合施設があり、それが1日券(~翌AM2:00)2000円くらいだったので

これはいい!!と思い
次の日深夜AM2:00までMAXで過しました。
約16時間をこの温泉施設で過し、温泉も3度入り
食事もええものを食べて、睡眠も8時間摂り
携帯、カメラの充電も完璧にしましたけど

体が完全に癒えることはありませんでした。
富士は魔物です。次登ることはあるのでしょうか。
私自身は、愛媛の石鎚山に登ってみたいなぁ、とは思っているのですが…まぁどうでもいい。
当分富士は結構です。

AM1:00時くらいに起き、もう一回風呂に入り、荷物まとめて、爆睡している#17くんを起こして
その施設を出、すき屋で腹ごしらえし、新富士駅に向かい
そこで別れました。

それが#17君とは、本当に(この旅に中では)最後のお別れでした。
その時は、本当に「おつかれさま」と感謝の気持ちでしたね。

そして、これからの事を考えると、また不安の念に駆られました…。ここから独りです。

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2 コメント

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久々にコメントします☆ (31)
2006-09-23 10:02:52
同じ富士登山をした者としてコメントしないわけにはいきません。ただ、前にはこけません。
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Unknown (#4 @s)
2006-09-25 07:57:56
こけるっちゅーに。痛かったし…。
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