3日連続投稿してもう今日はネタがないなあと思っていた昨日(水曜日)の朝、2ちゃんねるでこんな見出しを目にしました。
米の「国技」アメフトピンチ 脳振とうで後遺症 NFL認める
子供の競技人口減る
世界の鼓動を伝えるという趣旨のようで、このブログで2度も取り上げた(リンクはこちらとこちら)映画「Concussion」の後でもあり読んでみました。いまだに映画館で公開されないという、NFL=関心が低い=興行的に難しいという風潮が日本にはびこる中、このテーマを取り上げた記者の心意気を買ったんですよ。
でも中身はびっくりでしたが。
最大ポイントは、この記事の主なニュースソースが「ハーバード大学でアメフトの選手として活躍したクリス・ノウィンスキー」であること。
おい、そのプロフィールでいいのかよ。
記事にもあるとおり、脳震盪問題は米国の社会問題になっていますし、選手へのケアも緻密になっています。最近、脳震盪を起こした選手がリーグのガイドラインを通過できず、欠場が続く例も増えました。
高校生未満の競技人口が減っているのも深刻な事実でしょう。筆者もAmerican Footballは高校生くらいで始めればいいと思います。
ただそれを言ったら、最近日本で話題再燃のラグビーはいいのかよって気もします。サッカーのヘディングも中学生未満は禁止にしますか。柔道は中学校の授業で教えるのやめますか。これって決してアメフトピンチだけでは済まない話でしょ。
記事に戻って、ノウィンスキーの最近の活動は、脳震盪に悩む選手たちの救いになっているでしょう。この活動を否定するつもりはありませんよ。でも彼が脳震盪を患った原因は別のところにあるし。
筆者がこう感じるのは「コンカッション」を読んだ後からです。もちろんBennett Omalu医師(右に写真を載せときました)への取材に基づく本書の内容が全て正しいなんて言うつもりはありません。
ただねえ...。もうここからは本を読んでくださいとしか言えません。なぜ筆者がここまで反応するか、ご理解いただけると思いますよ。
記事では映画「Concussion」に触れてはいましたが、記者は書籍「コンカッション」は読んでいないようです。アメフトピンチというなら、せめてノゥインスキー氏も出て来る本書を読んでから記事を書いてほしかったですね。多分そうすれば、同じタイトルでも同じ筋立てでも、文脈の細部が変わっていたはずだから。
ということで、Omalu医師の功績を讃え、Mike Websterの魂を鎮めるためにも、コンカッションを読んで、邦題未定の映画を見ましょう。
たとえ後者が日本の映画館ではなく、自宅のリビングであったとしてとも。ここにアマゾンへのアフィリエイトリンクを貼ったりはしませんから。