今回は個人的な見解ですので、筆者の本来業務とは全く関わりがないことをお断りします。
筆者が1993年シーズンから25年にわたって続けてきたNBAのテレビ観戦回数や時間が激減したのは、ついこの間の2017-18シーズンのことでした。筆者にとってのNBA観戦歴はNFLのそれよりも長いですし、過去の選手やチームの知識もNBAの方が豊富です(最近はNFLの方が多いですけど)。
減った理由は簡単で、NHK BSがNBAの中継を打ち切ったからです。レギュラーシーズンの珠玉の試合のほか、Playoff各試合の手に汗握る展開、そしてFinalの全試合中継など、どれほどお世話になったことか。近年は塚本清彦さんと水野裕子さんの「NBAマガジン」も、録画してみていたのに。
NHKがNBA中継を打ち切った背景にあるのは、2017-18シーズンより日本国内の独占的な放映権を楽天が獲得したことです。そして、2017-18シーズンはなんとか中継をしていたWOWOWも、2018-19シーズンはNBAを中継しないことを先日発表しました。
【お知らせ】
— WOWOW NBA (@wowow_nba) 2018年8月24日
8シーズンにわたり中継を続けてまいりました「WOWOW NBAバスケットボール」について、
WOWOWでは「2018-2019シーズン」の放送は予定しておりません。何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
詳細はこちら⇒https://t.co/JyNaDDjRH4#wowow
昨シーズンはどっかのBS局でゲリラ的に中継しているのを数試合だけ見た記憶がありますが、いつ放送するかも不定期だったので全く魅力はありませんでした。2018-19シーズンからはNBAを見たければ、Rakuten TVに契約しろってことなんでしょう。
筆者は今年6月のNBA Final(Golden State WarriorsがCleveland CavaliersをSweepした、最悪のFinal)を友人たちと某所で観戦する機会があったので、その時だけはやむなくRakuten TVに契約しました。しかしそのときの体験が最悪でしたので、もう二度と契約しないことを決めました。
繰り返し、個人的な見解であることを断りますが、Rakuten TVは画質も解説も、そして提供インタフェースもダメでした。放映権にあぐらをかいて、視聴者のことを考えていないくだらないサービスです。楽天が独占放映をする限り、筆者は自分からNBAの試合を見ることはもうないでしょう。
それに比べて、たまたま2017-18シーズンに「Twin Peaks」の関係(このドラマを見たかったため期間限定で契約した)で視聴することになったWOWOWのNBA中継は素晴らしいものでした。佐々木クリス氏のレポートは、これまでのNHKのやや偏った、ではなく個性のある解説陣よりも情報量が充実しており(試合中に選手のStatsがスラスラ出るなどデータを見るところが筆者好み)、大感激しました。佐々木氏が出演するNBAイベントに参加してツーショットの写真を撮ったくらいですから。
WOWOW NBA番組の総合キャスターを務めた長澤壮太郎氏による「SO!スポ」も見応えがありました。NHKのNBA中継にはない、現地のニュースを空気感を含めて伝えてくれるところに価値を感じました。NBA中継を見続けるためにずっとWOWOW契約を続けてもいいかなと思ったほどでした(Game Passの契約がなければねえ)。
しかし、そのWOWOWが残念ながら撤退。前シーズン時点で(前々シーズンはあった)DAZNのNBA中継もなくなっていましたから、日本国内でNBAを目にできる門戸が急速に狭まったのは間違いありません。言い方を変えれば情報独占と遮断ですね。
こうなったのは資本の論理といえばそれまでですが、だとすると楽天にその行動を許した資本の流れは断ち切らなければいけません。筆者は既に行動を始めています。他の人に同様のことをするよう促す意図はありませんが、どういう意味かはわかりますよね。イニエスタに大金をぶっこんでるオーナー様なので、さすがに資金は続かず、この後にNFLには乗り出して来ないであろうことは救いだと思ってます。
ではNFL中継はどうなんでしょう。筆者はGame Passに契約してるんで、全く関係ない話ではありますが、日本のNFL中継も風前の灯火ですね。昨年Gaoraが撤退したので、なおさらそのイメージが強いです。
そしてみなさんご存知の日大事件がこの春にあってから、筆者がずっと危惧してきたことがあります。それは「日テレジータスがNFL中継から撤退するんじゃね?」というものでした。
2月のSuper Bowl生中継のときに見かけた日テレジータスでは、日本大学のテレビCMがバンバンかかっていました。フェニックスというフットボール強豪チームを持つ日大にとっては、CSとはいえ日テレジータスは「フットボール好きが集まる格好の広告出稿先」だったわけです。
NFLを見に来たおっさんにうまくアピールして、その子供の受験を促すきっかけになれば御の字なんでしょうかね。思い切りゆるいマスマーケティングだと思いますが、広告出稿主の意識なんてそんなもんでしょ。
例のスキャンダルで、日大フェニックスは関東学生アメリカンフットボール連盟から、2018年シーズン終了まで公式試合の出場資格停止の処分を食らいました。だとすると、フットボールを大学でやりたい学生の受験を主な狙いとする日大のCMは出稿されなくなる→主要スポンサーを失った日テレジータスがNFLの中継から撤退する、といったストーリーが想定されたのです。
幸いにして、「NFL on 日テレジータス 2018」は中継があるようなので安心しました。今年のSuper Bowl直後に本ブログでもお世話になった「オードリーのNFL倶楽部」の方はまだ今シーズンの予定が公開されていませんが、日テレジータスでNFL中継があるなら、その勧誘番組として続く可能性は大きいでしょう。
それではもう一つのNFL中継を持っているNHKはどうなのでしょうか。これが今のところ不明なんです。NHKのサイトを見ても「 この期間には放送予定はありません。他の期間をご覧ください」とあるだけ。ただ、8月ももう終わり9月第1週にシーズン開幕というこの状況で、情報を公開しないNHKの姿勢は不気味ですね。とりあえず、質問メールをNHKに投げてみようかな(2次ソースを横流しするデマ源になるのは避けたいので)。
もしNHK BSが昨シーズン限りで撤退したら、これから日本のアメスポ中継はどうなっちゃうんでしょう。DAZNやAmazon Primeでの中継は今年もあると思いますが、これはNFLを視聴する習慣がある人のためのものでしょう。そしてDAZNにしてもAmazonにしても有料サービスの一部ですし。
日曜早朝という、CM価値の低い時間帯を狙って放送するNFL倶楽部では、「NFLの試合を見たんで面白いからもっと見たい」という新規ファンの獲得はあまり期待できません。NFL専門雑誌も昨年でなくなっちゃったし。
筆者の場合はTBSがNFL中継(Super Bowlへの道のころですね)をしていた当時も知っていますが、何の気なしにNFLに触れる機会があったからこそNFLに興味を持ったわけで。NHKがもし撤退するようなことがあったら、日本のNFLファン(アメリカンフットボールファンとは微妙に違いますよ)のこれからに大きく影響するような気がしてなりません。
と問題提起をしたところまでで今日はおしまい。続編を含めてこの問題を考えて行きますので、ご意見ある方はコメント欄にメッセージください。